ねじ とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋ねじ(螺子・捻子・捩子)は、円筒や円錐の面に沿って螺旋状の溝を設けたものであり、主として別個の部材の締結や、回転運動と直線運動との変換などに用いられる。溝を円筒または円錐の内面に設けたものを「めねじ」、外面に設けたものを「おねじ」と呼び、これらが互いに組み合わされて使用される。らし(螺子)あるいはスクリューともいう。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
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ねじの発祥については定かではないが、ギリシア時代には既に機械として使われていた事が知られている。現代の歴史家によれば、アルキタスが発明したとする意見もあるが、ペルガのアポロニウスが発明したとする意見もある。ギリシャの学者エウスタシウスはアルキメデスが発明したと書いた。実際、円筒状の筒の中に大きなねじを入れた揚水用の水ねじはアルキメデスの発明といわれ、今まで知られている限り、最初に螺旋構造を機械に使用した例だとされている。水ねじは古代、灌漑や船底の水の汲み上げ、鉱山に溜まった水を排水することなどに使われ、労力に比べ極めて効率的に水を揚水することができた。当時は他の揚水手法に比べて抜群の効率性があり、現代でもねじ式コンベアーとして使われている。シケリアのディオドロスはこの発明がアルキメデスがアレキサンドリアで学んでいた青年時代に行われたと記している。ねじ構造はアルキメデスのような天才機械学者によってのみ思い描くことができたとする者もおり、実際「ねじは中国で独自に生み出されなかった、唯一の重要な機械装置である」とも言われる。
16世紀半ばになると、ねじはさまざまな場面で使われるようになった。腕時計用の小さなねじや、銃に使う大きなねじ、甲冑用のボルトなどにねじが使われた。当時リヨン近郊のフォレの町は、ねじ作りを専門にした町であった。イングランドのミッドランド地方でも家内工業としてねじが作られた。当時ねじの作成には原始的な旋盤が使われた。1760年ミッドランド地方のジョブとウイリアムスのワイアット兄弟はねじ製造法に革命をもたらした。ねじを手で刃を動かして切るかわりに、自動的にカッターでねじを切れるようにして、数分かかっていた作業をわずか6,7秒で作ることができるようにした。ワイアット兄弟は「鉄製ねじを効率的に作る方法」で特許を取り、世界初のねじ工場を作ったが事業は失敗した。事業は工場の新しい持ち主が成功させ、その後蒸気機関の活用など各種の改善を経て、船や家具、自動車、高級家具などの需要の高まりとともに大量のねじが作られることになる。
18世紀の終わりまで、旋盤で物を作るのはヨーロッパ貴族の趣味の一つとなっていた。1762年ヨークシャで生まれロンドンで精密機械を作っていたジェシー・ラムスデンは当時天体観測用や航海用として使われていた精密機器の精度を上げるために、手作りで作る代わりに、より精密な旋盤を作ることによって達成するプロジェクトを始めた。ラムスデンは木製旋盤の代わりに金属製の旋盤を作り、カッターの先端にダイアモンドを使用し11年かけて、旋盤を使って旋盤の部品をつくり、それを使いさらに精密な旋盤をつくりあげることによって、旋盤を次第に精密にしていき、最後には千分の4インチという精度のねじを作り上げた。彼が作った高精度のねじは科学分野で活用され、顕微鏡や天文学で使用された。船の経度と緯度を300mの誤差で割り出せる航海用観測機器ができ、キャプテン・クックなどの航海上の偉業が達成されることになる。
偶然同じような時期に、ワイアット兄弟はねじの量産法を、ラムスデンはねじの精密さを追求した。彼らの業績を統合したのが、イギリスのヘンリー・モーズレー(Henry Maudslay 1771-1831)であった。彼は旋盤をさらに改良した。モーズレーはフランス人ブルネルと組みポーツマスに世界初の完全に自動化された工場を作った。この工場は10人の工員が44台の機械を使い、年間16万個の滑車を作ることができたという。1825年には、ブルネルはテムズ川の下をくぐる365mのトンネル工事を受注した。モーズレーはブルネルが発明した矩形のトンネル用鋳鉄製シールドを製造し、トンネルは完成した。モーズレーは他に印刷機、プレス機、貨幣鋳造の特殊機械、ボイラー板穴あけ機などを作ったが、もっとも有名なのは蒸気機関であった。ブルネルの息子が初の大西洋横断蒸気船を作った際に、モーズレーの息子もその船に搭載する、当時世界最大の750馬力の蒸気機関を作った。これらの成功は、モーズレーが作り上げた極めて精度が高い基準ねじを用いた、規模が大きくなっても精密に仕事ができる旋盤によるものだった。モーズレーは1万分の1インチの精度のマイクロメーターを作っている。このマイクロメーターはモーズレーの工場で寸法を測る際の至高の基準とされ「大法官」と言われていて、弟子の製品の精度チェックに使われていた。また、モーズレーの工場ではねじの規格化が行われた。それ以前は、ナットとボルトは一対で作られ、それらが混じってしまうと、合うものを探すことは一苦労であった。
モーズレーの弟子であったジョセフ・ホイットワース(ウイットウォースとも)(Joseph Baronet Whitworth 1803-1887)がねじのさらなる大量生産技術を確立したとされる。彼のおかげでモーズレーのような天才的職人でなくても、良質な機械で同程度の精度の機械を作り上げることができるようになった。また、ホイットワースはモーズレーの工場での規格化にヒントを得て、英国産業界全体が採用したねじの規格化を行った。
このように、より精密にものの長さを測ったり、角度を測ったり、物を作るという行為は、ねじ構造がもたらしたものであり、産業革命も彼らの精密機械技術がなければ成り立たなかったと言えよう。
日本には、1543年に種子島に漂着したポルトガル人の所有していた火縄銃とともにねじが伝来したとされ、それ以前にねじが使われていた証拠は発見されていない。このとき、藩命で銃を模造しようとした刀鍛冶は、自分の娘をポルトガル人に嫁がせてまで、ねじの作成法を習得したとする伝説さえ残っている。 撃発の圧力に耐えるために、筒状の銃身の後ろ側を塞ぐ尾栓とよばれる部分にねじを使うことが必須であり、このために日本では初めてねじが製作されたとするのが定説となっている。
東洋ではそもそもねじ構造自体を独自に発見・発明することができなかった。
村松貞次郎は『無ねじ文化史』で江戸の工業製品にはねじの使用例はなく、まさに徳川幕府の江戸時代とは「ねじの無い文化」の時代であるとした。結局ねじ製作のための、優れた工作機械や工具に恵まれず、ねじを作るという事が「大変困難な仕事である」ということがその理由である。和時計も特殊なねじがわずかにあるだけで、ほとんどがくさびで作られている。ねじがほとんど無いため、日本ではドアが発達しなかった。また、火縄銃にはねじが必須であったが、江戸時代では火縄銃のほとんどは新たに作るのではなく、以前の火縄銃の銃口を広げたりして、作り替えていたという。
1860年、小栗上野介は西洋文明の原動力は「精密なねじを量産する能力である」と考え、一本のねじを持ち帰ったという。
ねじのつる巻き線状の稜線を成す突起を「ねじ山」、山と山の谷間を「ねじ溝」といい、山頂と谷底の間の面は「フランクfrank」と呼ばれる。 多くの場合にはねじのつる巻き線は1条であるが、複数のつる巻き線を有するねじも少ないながら製作されており、これら2条・3条といった複数のつる巻き線を持つものを総称して「多条ねじ」という。
ねじの軸を中心としてねじ山のつる巻き線に沿って一周した場合に、軸方向に進む距離を「リードlead」、隣り合うねじ山の軸方向の間隔を「ピッチpitch」といい、ピッチは一条ねじではリードに等しいが多条ねじではリードを条数で除した値となる。また、ねじ円筒の円周を底辺、リードを高さにとった直角三角形を考えた時に三角形の斜辺と底辺とがなす角を「リード角」という。この直角三角形は、ねじ円筒表面を平面上に展開した一部を切り取ったものに等しい。
ねじを軸方向に見た時、ねじのつる巻き線を右回りに辿ると遠ざかるものを「右ねじ」と言い、反対に右回りに辿ると近付く(左回りに辿ると遠ざかる)ものを「左ねじ」と言う。一般に使われるねじの大半は右ねじである。
ねじは、ねじ山の断面形状により、次のように分類される。
ねじの有効径(直径)を
、リードを
、リード角を
とすると、これらの間には
の関係がある。このため、ねじをそのねじ山稜線に沿って進んだ時、軸方向の移動距離と軸に対する回転角との間には比例関係が生じるが、この性質から、位置決めやマイクロメータ等における微細寸法の拡大にねじが使われる。
ねじの基本は斜面の原理による。 角ねじを例にとるが、軸から力点までの半径距離を
、この位置で加える回転力を
とし、ねじの有効径半径を
、有効径仮想円筒上の任意の点に加わる回転力を
とすれば、力の釣り合いから

である。また、摩擦角
、リード角
のねじにおいて、
と、この点に働く軸方向の力
との間には

の関係があり、この2つから

が導き出される。従って、
、
、
を小さくする事により、より小さな力
でより大きな力
を得られることになる。ねじが締結や倍力の発生に使われるのは、このような理屈による。
ねじの製造法は、切削による方法と塑性加工によるものとに大別できる。切削法としては、旋盤による切削(チェーシング)、タップやねじ切りダイスによるねじ製造、フライス切削、研削などが知られており、塑性加工の代表としてはねじ転造が挙げられる。また、とくに高い精度を必要としない場合には型成型も行われる。
旋盤によるチェーシングは、ねじ溝の形状を有するバイトを用い、主軸の回転に対してねじのリードに等しい送りを軸と平行に与えてねじ溝を生成するもので、比較的少量の生産に用いられる。近代的なねじ製造法としては最も古に確立したもので、一般には一本のねじ溝を複数回に分けて切削する必要がある事から大量生産に向くとは言い難いが、ねじ製造には欠かす事のできない手法である。
タップやダイスによる切削は、旋盤で行われるチェーシングに似るが、複数の切れ刃で同時に切削する事により一回の手順でねじ溝を生成できる点で大きく異なっており、最も容易なねじ製作法と言えよう。タップはめねじ、ダイスはおねじの製作にそれぞれ用いられ、タップは棒状、ダイスはリング状と形状こそ大きく異なっているものの、作用は基本的に同じである。切れ刃が完全に食いつけば、その後は回転力のみで軸方向に送られ、一般には切削終了後に逆転させて取り外す。
切削法がいずれも溝を掘り下げるのに対して、ねじ転造は塑性変形により山を盛り上げてねじを生成する。おねじと比較的小径のめねじに対して用いられ、とくに転造盤によるおねじの生成は、比較的高い精度での大量生産には欠かすことのできないものとなっている。おねじの場合には、ねじ山の形状を刻んだ複数のねじ型(ダイス)で材料を強力に挟み込み、間で回転させてねじ山を生成する。一般には、「ねじ転造」はこのおねじの転造加工を指す。めねじの転造は、切削タップと同様にねじ山の形状を刻んだ棒を穴に捻じ込みねじ山を生成するが、転造用のタップは、切削用のものとはねじ溝の切刃を持たない点で異なっている。転造ねじの表面は、圧縮により硬化し、またダイスとの接触で磨き上げられ、美しく強度の高いねじができる。
ねじはその構造上、互換性が非常に重要であり、早くから規格化が進められた。その主なものを以下に示す。なお、ねじ規格において、その規定にメートル単位系を用いたものを「メートルねじ」、インチ単位系を用いたものを「インチねじ」と呼ぶ。一般にインチねじでは、ねじのピッチは「軸方向1インチあたりの山数」で表される。
。イギリスで規格化されたもので、JISにも導入され、日本でも広く使われている管用ねじである。その後ISOにより国際標準化された。ISOではテーパおねじ、テーパめねじ、平行めねじをそれぞれ接頭記号「R」「Rc」「Rp」で識別するが、JISの当該規格がISOに準拠する以前はテーパねじ(おねじ・めねじ共)を「PT」、平行めねじを「PS」とそれぞれ呼んでおり、現在でも慣用的に旧式の呼称が用いられる事がある。また、殆どの場合R・Rc・Rpと、PT・PSとは同義であるが、一部にISOには規定されていない呼び寸法がある。
。日本では一般用管用テーパねじ「NPT」や気密管用テーパねじ「NPTF」(共に接尾記号)が時折使用される。ねじを規定する要素には、巻きの方向、条数、ねじ溝の形状、径およびピッチとがあり、通常これらの要素を並べる事で表される。例えば「左2条、直径8mm・ピッチ1mmのISOメートル三角ねじ」「右1条、直径1/4インチ・(インチあたり)20山のユニファイ(並目)ねじ」という具合である。一般に、ねじが「右1条」である旨は省略される。規格化されたねじの場合、それぞれの規格毎に表示の仕方が定められており、それによれば先の二つの例はそれぞれ「L2N M8×1」「1/4-20 UNC」となる。
ねじの径は、対応するおねじ外径の基準寸法で呼ぶのが普通である。この寸法はしばしば「呼び径」と呼ばれる。
おねじ部品において、ねじの先端を「先」と言い、ねじ部分とそれに続く(多くはねじと同径かそれ以下の)円筒部を合わせて「軸」と言う。軸の終端に設けられたより太い部分は「頭」と呼ばれ、頭と軸の境目を「首」という。
おねじ部品の頭やめねじ部品において、締め付けた際に荷重を受ける面を「座面」と言い、おねじ部品においては、ねじ先から座面までの部分を総じて「首下」と呼ぶ。
おねじ部品の頭部形状は実に多様であり、用途などにより使い分けられている。頭部形状の主なものは以下の通りである。
また、おねじ部品の一端、多くは頭部頂面に、しばしば工具で回すための穴や溝が設けられている。
その主なものには「すりわり」や「十字穴」、「六角穴」がある。六角や四角といった角型の頭部はそれ自体がレンチを掛ける部分となる。
ねじ部品には、用途や機能、形状により様々な呼称がある。
個々のねじ部品を特定するのに必要な要素としては、「ねじの呼び」「部品形状」「材質」があり、またおねじではこれに「長さ」が加わり、これらを並べて呼ばれる。おねじ部品を呼ぶ際の長さ寸法は「呼び長さ」と呼ばれ、一般論として、頭のついたねじでは首下、頭のないねじでは全長やねじ部の長さなどが使われる。呼び長さは一般にはねじの呼び径のすぐ後に置くが、文脈上呼び長さを表す数値である事が明らかである場合には乗算記号×を用い「呼び径×呼び長さ」のように略記される。
を付ける。この記号はギリシャ文字φΦ(ファイ)に見立て、しばしば「パイ」と呼ばれる。例えば「
8」はメートル単位系であれば直径8mmの円を表し、日本においては「まる・8」「8ミリまる」「8パイ」などと読まれる。
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