ギレン・ザビ とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋ザビ家(ザビけ、Zabi Family)は、「ガンダムシリーズ」のうち、アニメ『機動戦士ガンダム』にはじまる宇宙世紀を舞台にした作品に登場する、架空の人物の一族。ジオン公国の中枢を担う一族である。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 ギレン・ザビ 出典: 『はてなダイアリー』 関連商品
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ザビ家の人間は画面に登場した人物以外にも多数存在するとされるが、通常は以下の7人を指す。
ジオン公国公王でギレンらの父。放映開始時の年齢は62歳。ジオン・ズム・ダイクンの死後ジオン共和国に公国制を敷き、絶対君主制を固めたが、その後実質的に隠居した状態になっていた。政治的には穏健派の立場を取り、急進的なギレンと対立する。乗艦はグワジン級戦艦1番艦グレート・デギン。(通常は量産1番艦がネームシップとなるが公式にも『グワジン級』が形式名称)
彼にはギレン(総帥、長男)、キシリア(長女)、サスロ(次男)、ドズル(三男)、ガルマ(四男)、の5人の子がいる(テレビ版の準備稿ではミハル・ザビという娘もいた)。妻はナルス(ナリスとする説あり)だが子の母親に関しては諸説ある。なお、サスロとナルスに関しては一年戦争前に死亡しているため『機動戦士ガンダム』には登場しない。
かつてはジオン・ダイクンと盟友関係にあり、0058年のジオン共和国宣言時には地球連邦軍駐留部隊の切り崩しに尽力した。また、連邦軍に対抗するために、共和国宣言時に成立したジオン国防隊を0062年にジオン共和国軍に昇格させ、軍事力の強化に努めた。このようなデギンの軍事路線はダイクンにとって認め難いことだったが、連邦へ対抗するために容認せざるを得なかった(なお、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、連邦政府との軍事衝突も辞さずという強硬な態度をとっていたのはむしろダイクンの方で、デギンは非戦派であったという新解釈が採られている)。
だが、0067年に連邦政府のコロニー自治権整備法案が廃案となると、両者の対立は強くなり、0068年にダイクンは急死してしまう。これはデギンとギレンによる暗殺とするのが一般的である。ジオン共和国初代首相であった病床のダイクンにより次期首相に指名され(これには、この先起こるであろうダイクン派とデギン派の抗争を避ける為に、後継者にデギンを指名したという説と、「自分を暗殺しようとしたのはデギンだ」と教えようとしたダイクンの行動をデギンが巧妙に利用したとの説がある)2代目首相となると、ダイクン派(旧ジオン派)を粛清して全権を掌握し、0069年8月15日に公国宣言を行い、ジオン公国初代公王に就任した。しかし、妻ナルスがガルマを生んだ際に死亡しており精神的な支えとなる存在がないこと、さらにはダイクン暗殺の報復として次男サスロが車に仕掛けられた爆弾テロにより暗殺(ジンバ・ラル謀略説、キシリア謀略説あり)されたことから、徐々に憔悴していく。また、ダイクンを打倒して頂点に立ってしまったことで功成り名を遂げた後の虚無感に襲われるようになり、全権を子供達に譲り政治的に隠居した状態になってしまった。その後ギレンは軍事独裁路線を推し進めるが、デギンはこれをよしと思わなかった。また、ギレンと政治的に対立し、彼と同じく強硬な独裁路線をとるキシリアのことも好ましく思っていなかったようである。
0079年1月3日、ジオン独立戦争、後の一年戦争が始まったが、デギンにとってこの戦争の目的はあくまでジオン公国を地球連邦と対等な関係の、完全な独立国家としての主権を連邦に認めさせることにあった。しかし、ギレンは当初これを認めていたものの、後に完全に地球連邦を征服した上での、選ばれた優良種たるジオン国民による全人類の管理・運営を目的とするようになった。そのためギレンにとって父デギンは次第に邪魔な存在になっていく。
上記のような経緯から、デギンは猛々しい性格のギレン・キシリア・ドズルを疎み、ガルマを溺愛していたが、ジオン独立戦争が予想外の長期にわたりガルマは地球で戦死してしまう。デギンはその一報を聞いた際に、持っていた杖を使者の前で取り落とすほどの衝撃を受けたと言われる。彼はガルマの密葬を望んだが、ギレンは国葬としてプロパガンダに利用し、両者は対立を深めていく。これ以降、デギンはギレンの独裁を抑えるため、ギレンとキシリアの政治的対立を防ぐために、首相のダルシア・バハロに命じ、密かに連邦との講和を図った。
その後、ソロモン陥落に際し三男ドズルまでも失うが、ガルマの死で涙も尽き果てていたのか「ドズルにしてもっともなことであるよ」と呟くのみであった。ギレンによる軍最優先政治が数百万人を超えるコロニー住民の強制疎開にまでエスカレートし、ソーラ・レイを使用した強引なア・バオア・クー最終決戦を目論んだ時点で亡国の危機感を強め、ギレンを中世紀の独裁者アドルフ・ヒットラーになぞらえ「ヒットラーの尻尾」と揶揄している。なお、この後の台詞がTV版では「ヒットラーは敗北したのだぞ」から、劇場版『めぐりあい宇宙編』では「ヒットラーは身内に殺されたのだぞ」と現代(20世紀末~21世紀初頭)の標準的な学説、歴史観とは食い違うものに改変[1]されていたが、その後キシリアにギレンが暗殺されたことを考えると、この台詞はギレンの末路をより的確に言い表していたものといえよう。
ア・バオア・クーでの決戦の直前に至り、自ら和平交渉を進めるために独断で旗艦グレート・デギンに乗り込みレビルが率いる地球連邦軍の主力・第一艦隊との接触を図る。だが、自らの戦略に逆らう老いた父へ見切りをつけたギレンは、グレート・デギンの存在を承知の上でソーラ・レイの発射コースをゲル・ドルバ照準に最終設定する。宇宙世紀0079年12月30日作戦時間21:05、指示通りゲル・ドルバ照準で発射されたソーラ・レイの直撃を受け、デギンは敵将レビルと共に光の渦に呑み込まれて死亡。小説版ではソーラ・レイの標的として狙われたのがキシリアとなっており、既に傀儡と化していたデギンはギレンに存在を無視されていたのと自ら和平交渉に向かうような目立つアクションを起こさなかったことが幸いし、無事に生き残っている。
なお『THE ORIGIN』では、先述のようにデギンは戦争による膨大な犠牲や連邦とジオンの国力差を懸念して、開戦前より強硬に戦争に反対していたとの解釈が採られている。ルウム戦役後、デギンはレビル奪還作戦の手引きをし、恩を売る形で彼に和平を働きかけて欲しいと願ったが、そのレビルが帰還後に恩を仇で返す形で戦争継続の声明を出した(“ジオンに兵なし”の演説)ため、激しく憤っている。その憤怒は演説の中継を映すモニタのリモコンを叩き壊し、さらに「軍人にすべきではなかった」とまで思っていたガルマに対して「徹底的に連邦を叩け」と発言したほどであった。ちなみに、デギンの容貌は、TV版当初は下膨れであったが、ORIGIN版では細面気味で鼻が大きく描かれるようになった。
ゲーム『ギレンの野望』においてはジオン編の全モード(ジオン公国、正統ジオン、新生ジオン、ネオジオン、アクシズ)をクリアすると特別編として「デギンの憂鬱」というシナリオを体験できる。これはザビ家の内輪もめ、より封建国家という世界を強調した「お家騒動」のストーリーであり、キシリアの正統ジオン、ガルマ・ドズルの新生ジオンにジオン軍が別れて三つ巴の戦いを繰り広げるという設定になっており、まさに父親のデギンが存命なら間違いなく頭を抱えるシナリオと呼べる出来栄えとなっている(デギン自身は登場しない)。
ジオン公国の総帥にして階級は大将。デギンの長男。放映開始時の設定上の年齢は35歳。身長190cmの長身。少年時代から政治活動に参加し、デギンの隠退後は、ジオン公国の実質的最高指導者(総帥)となっていた。ガンダムの世界において彼の唱えた政治思想や世界観は巨大な影響力を持ち、次世代にまで波及していった。乗艦は不明(グワジン級戦艦グワデン説あり。ただしグワランなどにも坐乗していたことがあるらしい)。
青年時代に父デギンと共に、ジオン・ダイクンの指導する革命に参加。デギンの隠退後は、ジオン公国の全権を掌握し事実上の最高指導者として君臨する。IQ240の天才で沈着冷静であるが、非情かつ高慢な性格。宇宙世紀0071年にサイド3国民の優秀さを讃え、彼らが選ばれたエリートであるとする選民思想の色合いが強い著書「優性人類生存説」を発表。アースノイドやスペースノイドの大多数には非難されたが、連邦政府の政策に強い不満を持っているサイド3国民からは熱狂的支持を受けた。雄弁家でもあり、アジテーターとしても超一流で、持てる才能を遺憾なく発揮していた。デギンの反対を押し切り、国民の戦意高揚のために末弟ガルマの国葬を利用したところにもそれが現われている。ニュータイプについてはそれほど深い理解や共感を持つことは無く、あくまで政略・戦略のために「木星帰りの男」シャリア・ブルなどを起用したに留まる(戦争をジオンの勝利に終わらせた後、自らが地球圏を管理・運営しながらゆっくり人類のニュータイプへの覚醒を待つつもりでいると語っている)。
彼の政治思想は、一種の理想主義、選民思想である。スペースノイドは選ばれた民であり、更にその中の優良種がジオン国民であると主張し、国民を煽動した。ギレンは総帥という立場から主に政治に専念することが多く、軍事については弟ドズル・妹キシリアに任せていた。しかし一年戦争開戦当初の電撃作戦や地球侵攻作戦、ア・バオア・クー攻防戦の発案者はギレンであり、その指揮も直接ギレンが執った。一年戦争初期には、サイド3(ジオン公国)以外のスペースコロニーに対する毒ガス攻撃を行い、さらにそのコロニー自体を質量兵器として地上に落下させる「ブリティッシュ作戦」により、地球圏総人口の半数を死に追いやった。このような大量虐殺作戦の背景には、地球環境の保全には選ばれた民による支配が必要であり、増えすぎた人口は調節されなければならないという思想がある。地球圏は選ばれた民により支配されなければならないとする考えは、後のティターンズ指導者ジャミトフ・ハイマンなどにも多大な影響を及ぼしている。しかし、彼に匹敵するスケールの政治ビジョンやカリスマ性を兼ね備えた指導者はその後現れていない(敢えて挙げるなら、皮肉にもネオジオン時代のシャアがそれに相当すると言える)。
デギンからは、「ヒットラーの尻尾」と評され、その急進性を危惧されていた。また、妹のキシリアとは政治的に競合する立場にあり、反目し合っていた。尤も、ギレンは自らの才能と政治思想に絶対の自信を持っており、キシリアなど歯牙にもかけていなかった。彼女が裏であれこれ画策するのを半ば放置していたのも、軽視の表れであろう。
一年戦争末期ア・バオア・クーにおいて連邦軍との最終決戦を目論むが、デギンは事態を憂慮し独断でグレート・デギンに座乗して連邦軍との和平交渉に赴く。自らの戦略に従わない老いた父を完全に見限ったギレンは、グレート・デギンの進路こそレビルが率いる連邦軍の主力・第一艦隊の進攻コースと読む。そして和平交渉が始まる前に事を決しようと、予定を大幅に前倒ししてソーラ・レイをゲル・ドルバ照準に最終設定し作戦時間21:05に発射を指令、レビル将軍もろとも父デギンまでも謀殺した。しかし、ゲル・ドルバ線上からグレート・デギンの識別信号が確認されたとの報告を受け、ギレンが父を殺したと知ったキシリアにより、宇宙世紀0079年12月31日、「父殺しの男」としてア・バオア・クー攻略戦の作戦指揮中に射殺された。この際もキシリアに無防備に背中を見せ、銃口を向けられても「冗談はよせ」と一笑に付していたが、その余裕の姿勢が仇となった。以上の、言うなれば「お家騒動」は敗戦の要因の一つとなった。
なお、小説版では最終決戦時に宇宙要塞ア・バオア・クーではなく、サイド3のズム・シティで作戦指揮を執っている。ア・バオア・クーを囮にして、味方をも巻き込みつつマハルのソーラ・レイを放って政敵キシリアをも亡き者にせんとするなどTV版を超える極悪ぶりが目立っていた。最期はシャアやカイらニュータイプを引き連れたキシリアにズム・シティへ乗り込まれ、彼女の「ビーム・ライフル」で射殺される。
「トミノメモ」に於いてはグラナダ陥落後、キシリアの死後も生き続け、正面から連邦軍との戦いに臨んでいる。シャアの正体を知っても抹殺せず、使える限りは戦力と認める鷹揚さを見せている。積極的にニュータイプを前線に送り出しているのもTV版とは異なる。
その死後も、彼の思想を熱烈に信奉する集団によって動乱は続いた。宇宙世紀0083年には、エギーユ・デラーズ率いるジオン軍残党勢力デラーズ・フリートが決起し、コンペイトウ(ソロモン)宙域で挙行された観艦式の核兵器による襲撃に続いて北米へのコロニー落とし(星の屑作戦)を決行した(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。また、0088年の第一次ネオ・ジオン抗争においては、ネオ・ジオン(アクシズ)勢力内のグレミー・トトがギレンのクローンを名乗っている。(『機動戦士ガンダムΖΖ』)
なお、女性関係は希薄であったらしい。妻がいたとされるが不仲であったといい、公の場には姿を現しておらず、記録も全く残っていない。小説版では秘書のセシリア・アイリーンと愛人関係であるとされている。なお、クラウレ・ハモンとも愛人関係にあったとする説もあるが、これは小説版から来た設定である。趣味嗜好については、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「シャア・セイラ編」にて高所鋏を手に庭園の手入れを行っているシーンがある。
膨大な人命を奪った一年戦争を引き起こし、国民を巧みな弁舌で扇動した事でアドルフ・ヒトラーと並ぶ独裁者と称されている。監督である富野はアフレコの際に声優の田中崇(銀河万丈)へ「ヒトラーのように喋ってくれ」と注文をつけたというので、ヒトラーをモデルに描いたのはほぼ確実であろう(もっとも父デギンの言葉である「ヒットラーの尻尾のようなもの」には、「ギレンはヒトラーにはなりきれない」というニュアンスも感じさせる)。「ぴあMOOK 愛と戦いのロボット 完全保存版」に掲載された読者アンケートにおける「一番極悪な悪役・敵役は?」の項目で、ダントツの1位に選ばれている。尤もこの結果には『機動戦士ガンダム』という作品自体の知名度が大きく影響してはいるが、いずれにせよ、ギレンが日本のアニメを代表する悪役スターの一人である事は確かである。またゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでその名をタイトルに冠されている事実からも人気の程が窺える。
因みに、TV版のリアルタイム放送時にはザビ家一党の中で唯一人だけ安彦良和作画の回に登場していない上に、出番は序盤と終盤のみということで単なる悪役キャラの域を出ず、当時のシャア人気に比べれば突出した人気は無かった。今日のカリスマ的悪役としての人気を確立しえたのは、ひとえに劇場版3部作(第1作と第3作)の影響である。
なお、彼がガルマ国葬やア・バオア・クー防衛戦時の演説で、国民・将兵・信奉者を鼓舞する為に叫んだ言葉「ジーク・ジオン(Sieg Zeon)」は、かつてヒトラー率いるナチスのスローガンであった「ジークハイル(Sieg Heil:ドイツ語で「勝利万歳」の意)」に因んだ物である。特にガルマ国葬での演説は劇中でも屈指の名シーンの一つで、彼の人気の一因となっている。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』第1話のラストにおいても(新規作画・銀河万丈による新録で)挿入され、話題を集めた。さらに、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』でも、上記のア・バオア・クー防衛戦時の演説で声のみ出演した(同じく新録)。
ジオン公国軍突撃機動軍司令で階級は少将。デギンの長女[2]。年齢は29~34歳(小説版では24歳)。 ギレンとは政治的に、ドズルとは軍事的に対立していた。乗艦はグワジン級戦艦グワジンあるいはグワリブ。末弟のガルマに対しては自分への忠誠心を持つようにある程度優しく接して利用していたようでもある。常に顔の下半分を覆うマスクをしている(公式には放射能焼けを防ぐため)が、その理由は戦場の血の臭いを嫌悪しているからだとも、女を捨てたからだとも言われている。兄ギレン同様、家族を始めとする他者を政治的な力関係でしか判断しない冷徹な人物と見られるが、少なくともガルマの葬儀に中々出ようとしないデギンに労わりの言葉をかけ、ギレンが父デギンを暗殺したことを知った際に見せた怒りは演技ではないと思われる。その点では、ギレンよりは多少人間性の強い側面を持っていると言える[3]。なお、腰だめ撃ち用のレーザーガンは彼女とシャア以外には装備を確認された人物はいない。将官で普段からヘルメットを着用しているのも例を見ないいでたちである。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、手袋が白から黒に変るなど若干の変更が成されている。ジオン黎明期から政争に明け暮れた冷酷な野心家としての面が目立っている。些細な諍いから次兄サスロを暗殺する[4]、キャスバルを暗殺するために、多数の乗客の乗る宇宙船をテロか事故に見せかけて爆破する[5]など枚挙に暇がない(この時点ではギレンはほとんど目立った行動を取っていない)。「シャア・セイラ編」では髪が短く両側に跳ね上がっているなど容姿が若干異なっており、マスクを着用しておらず、ギレンにもへりくだる態度を見せていたが、「ルウム編」ではアニメ版のスタイルになっており、ギレンに対して平然と言い返すなど恐れをみせなくなった。一方ではアニメ版よりもデギンを敬愛している姿が強調されており、ルウム戦役後にデギンから「いざという時はギレンを止めてくれ」と嘆願されている。
若くして政治に目覚めており、長兄ギレンに対抗するため軍事力や政治ルートなどを独力で確立する必要があったが、これは正攻法では困難であった。そのためか、モビルスーツやニュータイプなど新しいものに目をつける傾向が見られる。大佐時代の宇宙世紀0078年10月には、モビルスーツ戦の利点を説いて宇宙艦隊を重視していた三男ドズルと対立し、両者とも自説が容れられなければ軍籍を離脱するとまで発言している。結局ギレンの調停により、ジオン公国軍はドズルの指揮する宇宙攻撃軍とキシリアの指揮する教導機動大隊をベースとした突撃機動軍に分裂することとなった。なお、一年戦争中にも戦略海洋諜報部隊の本拠となるキャリフォルニアベースの取り扱いについてドズルと対立。ドロス級大型輸送空母ドロワ(ただし未完成)を譲ることでドズルの譲歩を得ている。
長兄ギレンと政治的に反目する過程で、自己の政治勢力を拡大することに腐心していった。月の裏側、グラナダ基地を根拠地とし、末弟ガルマ・ザビ麾下の北米方面軍によって北米大陸を押さえる一方、そのガルマの死を怒るドズルによって左遷されたシャアを登用してマッドアングラー隊(大西洋潜水艦隊)を預けたり、腹心マ・クベ大佐を地球に派遣して中央アジア(オデッサ)を中心に鉱物資源を採掘させるなどした。サイド6の中立化政策も彼女の発案とされている。ニュータイプに対しても一定の理解があり、フラナガン機関を創設したが、ニュータイプの概念を理解したというよりも、政治力を強化するための一手段としか考えていなかったようである(少なくともシャアはそのように考えていたようだ)。
シャアとは、彼がダイクンの息子キャスバルであった時に「幼い頃に遊んでやった」間柄でもあり、後にその正体を見破るが、彼の目的がザビ家打倒からジオニズム実現へと移行しているとの言質を取った上で、逆に自分の懐刀として使うことを伝えている[6]。幼いキャスバルの聡明さを愛していたせいか、その正体を知りながらもシャアに対する信頼は篤く、政治的計算の他にも期待するところが大きかったようである。
宇宙世紀0079年12月31日、長兄ギレンが父デギンを謀殺したことを知り、これを機に宇宙要塞ア・バオア・クーの戦いの最中に司令部でギレンを射殺。兄に代わって総司令となるが、皮肉にも戦況はこの暗殺による指揮系統の一時的な混乱を機に逆転、ジオン軍の敗色が濃厚となる。
戦局が絶望的となった時点で、司令部のトワニング大佐(若しくは准将、少将説もあり)に事後処理を任せ、ザンジバル級機動巡洋艦(艦名はズワメルとする説がある)で脱出を図るが、発進寸前にシャアがブリッジに向けて放ったバズーカの直撃によって死亡(艦も出港と同時にサラミスの砲撃で撃沈しており、どの道脱出は不可能だったが)。最期の瞬間、自分に砲口を向けるシャアを確認した時の表情は驚愕に充ちたものだった[7]。
一年戦争終結当時、キシリアの死をもってザビ家の血筋は絶えたと思われたため、ザビ家とジオン公国は完全に崩壊したと見られた。
小説版では、ランバ・ラルとハモンから受けた警告に従ってア・バオア・クーの宙域を直ちに離脱したことにより、ギレンが連邦軍とキシリアを同時に屠ろうとしたソーラ・レイの直撃を辛くも逃れている。その後怒りに燃えてシャアやカイたちペガサスクルーと共にズム・シティへ乗り込み、追い詰めたギレンをシャア専用リック・ドムの掌上から「ビーム・ライフル」で射殺。しかし、直後にシャアが文字通りリック・ドムの「掌を返し」たため、地上に墜落死するという最期を遂げている。なお、小説版では彼女自身にもニュータイプの素養があったとされている。
トミノメモに於いては、ギレンを排除する暇もなくグラナダで連邦軍と交戦、自らも宇宙用アッザムでシャアとともに前線に出るものの敗北、シャアに刺殺されて生涯を閉じる。TV版と同じくシャアの正体を見抜いていたため、覚悟して彼に討たれた。
『THE ORIGIN』では、わずか10歳にしてダイクンの後継者として毅然とした態度を見せたキャスバルに畏れを抱き、一方で後に成長した彼のジオン入国を察知して暗殺命令を出した際には、「無名で朽ち果るつもりなら生かしておいた物を」と自身に言い訳するかの様な独白を発しており、畏れながらもキャスバルに惹かれる所があった事を伺わせている。
ゲーム『ギレンの野望』では、選択肢により彼女を指導者とした「正統ジオン」をプレイすることが可能。ニュータイプに積極的に興味を示していた劇中の設定が反映され、ニュータイプのパイロットたちを最初から使用できる。
沖一の漫画『ガンダムパイロット列伝 蒼穹の勇者達』でのジョニー・ライデンを主役にした漫画では、ライデンが少女時代のキシリアに助けてもらったことがあり、彼がジオン軍パイロットに志願するきっかけになった憧れの女性だったように描かれている。こうしたストーリーの性格上、キシリアの容貌は従来のTVシリーズや安彦良和の漫画『THE ORIGIN』のようなきつい年増風の顔ではなく、マスクをした美女のように描かれていた。
24歳という設定は小説版のみだが、その外見からガンダム関係の漫画ではしばしば年増呼ばわりされている。
デギンの次男(三男説あり)。年齢等詳細は不明(宇宙世紀0068年没説あり)。彼の設定はアニメの準備稿には存在したものの、劇中にはその名は存在せず、世間一般には小説版で初めて名前が登場した。また一説には安彦良和のキャラクター原案のラフスケッチが一部ファンに流出し、そこから生まれたキャラクターともいわれる。後のギレンとドズルの原型となるらしいスケッチ画が残る。
一年戦争時には既に死亡していたため、アニメの『機動戦士ガンダム』作中には登場せず、小説版でも政治家としての能力が高かった旨が語られるのみで、その人物像は長い間不明であった。
在命中のサスロ・ザビは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「シャア・セイラ編」で初登場。そこで描かれる外見は、ギレンの目つきの悪さとドズルの屈強な体格を併せ持つ感じである。彼はムンゾ国民運動部長としてマスコミを牛耳り、世論操作などを行っていたとされる。仕事ぶりは非常に良かったが、ダイクンの遺児を取り逃がした妹キシリアを殴り、それを咎めたドズルにもしつこく文句をいうなど、性格面においてもギレンの傲慢さとドズルの粗暴さを併せ持つという負の側面が強い。
ジオン・ダイクンの葬儀の際、テロにより乗車を爆破され暗殺されたとされている。同行していたドズルは兄弟を守れなかったという後悔の念から、末弟のガルマを溺愛するようになった。また、彼の特徴である顔の傷はその時に出来たものであるという説がある。『THE ORIGIN』劇中では、この暗殺は彼に怨恨を抱いたキシリアの仕業と思わせる描写がなされているが、真相は定かではない。マスコミ操作により、世間ではザビ家と対立するジンバ・ラルの謀略と思われていた。なお、サスロの死に対して、ドズル以外のザビ家の面々は悲しむ素振りすら見せなかったことから、その高慢な性格ゆえ家族からも疎まれていたようである(というより、ドズル以外のデギンの子供達は、身内の誰が死んでもろくに悲しむ素振りを見せていない)。ドズルは死後も彼を偲んでおり、「パーティーなどの派手な行事に参加するのは嫌になった」と語っている。妻子については不明だが、ドズルの子ミネバが戦後のザビ家唯一の血筋であった事から子供はいなかったと見られる。
ジオン公国軍宇宙攻撃軍司令で階級は中将。身長210cmの巨漢。デギンの三男。放映開始時の年齢は28歳。次男説があり、その説によれば、親ダイクン派(旧ジオン派)によると思われる爆弾テロの際、同じ車に乗っていた弟サスロを守れなかったことから、自らを三男と名乗るようになった(一方、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では元から「サスロ兄」と呼んでいる)とされ、この時の傷痕を顔に残したのもその戒めだといわれている。なお、軍服の肩のトゲは威嚇用であるとも、従来のロボットアニメの”典型的な力押しタイプの悪役デザイン”の名残であるとも言われている[8]。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では一年戦争以前はジオン士官学校校長をしており、彼の妻ゼナはこの時の生徒であったと描かれている。
ドズルは妾の子であるとするのが通説である。そのせいか父デギンからはあまり愛されておらず、むしろ不当なまでに酷い扱いを受けている[9]。乗艦はグワジン級戦艦グワラン(小説版ではガンドワ)、ルウム戦役時はムサイ級軽巡洋艦ファルメル[10]。搭乗したMSはドズル・ザビ専用ザクIIで、両肩に刺がつき、カーキベースの金縁模様、ヒートホークはランバ・ラル専用ザクIと同じ大型タイプという、いかにも高級カスタム機らしい風情である。 ただしこれらは設定上の話で、彼の専用艦船やMSはアニメ本編には登場していない(グワランはソロモン防衛戦で出撃したが彼が乗っていたわけではない)。TV版第11話と劇場版Iでは、ガルマの葬儀に出席するためにズム・シティに帰還する際は一般型のムサイに乗艦している。
ルウム戦役後は、サイド5の空域に建設された宇宙要塞ソロモンに駐留する。ザビ家には父デギンをはじめ、ギレンやキシリアといった政治力に長けた人物が多いが、ドズルは政治に関与せず、純粋な武人として振舞っていた。指揮官としての統率力・指揮能力も十分にあり、部下の信望も篤い。また愛妻家としても知られており、家族に深い愛情を注いでいた[11]。妻のゼナとの間に娘ミネバがいる。
当初はモビルスーツを軽視していたものの、一週間戦争の戦果によりそれを認めるようになった[12]。以後は司令官としてだけに留まらず、ザクIIF型(S型説もある)を改修した専用機を操り前線に出向くこともあった。もちろんこれはポーズに過ぎない[13]が、前線兵士の士気高揚に大きな効果を上げたという。
母ナルスの面影を強く残す弟ガルマを溺愛しており、彼の能力を高く評価して、ドズル自身をも使いこなすような将軍になれと言う程その成長を楽しみにしていた。[14]そのため、ガルマの戦死後には彼を守りきれなかったとしてシャアを左遷し[15]、またガルマの仇討ち部隊としてランバ・ラル隊を地球に派遣している。また、左遷の後キシリアに登用されたシャアを牽制するために、サイド6に寄港したホワイトベースに対してコンスコン少将指揮下の機動部隊を派遣している。
地球連邦軍のチェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)が開始される前にギレンへ援軍を要請するが、ソロモンに送られてきたのは試作モビルアーマー「ビグ・ザム」1機のみであった。通信での会議の席でビグ・ザム1機で2~3個師団にも相当するはずと豪語するギレンに対し、ドズルは思わず「戦いは数だよ」と不満をぶつけている[16]。宇宙世紀0079年12月24日、ついにティアンム提督指揮下の連邦軍によるソロモン攻略戦が始まると、地球連邦軍の量産MSジムやボールによる熾烈な攻撃や、新兵器ソーラ・システムにより甚大な被害を受け、劣勢に追い込まれる。もはやソロモンを支えきれないと判断したドズルは、妻子を脱出させた後にソロモンの放棄を命令し、自らはビグ・ザムに搭乗して出撃。残存兵力が撤退する時間を稼ぐため、連邦艦隊の中心部へ特攻をかけた。この時、士官用にカスタマイズされたノーマルスーツの多いジオン軍内にあって、敢えて一般兵用のノーマルスーツで出撃したドズルについて、安彦良和[17]は「ドズルらしい」とのちに述べている。
ドズルの操るビグ・ザムは強力な磁界(のちのIフィールド)を張り巡らせて長距離ビーム砲を無効化し、大型メガ粒子砲でティアンム提督の旗艦『タイタン』を撃沈、さらに拡散ビーム砲の斉射によって連邦軍のサラミス級巡洋艦やモビルスーツを多数撃破した[18]。しかし、Iフィールドジェネレーターによるバリアシステムの弱点を見抜いたスレッガー・ロウは、自らが操縦するGファイター(劇場版ではコア・ブースター)とアムロ・レイの操縦するガンダムを合体させ、攻撃が有効となるギリギリの距離まで接近しての攻撃をかける。この捨て身の攻撃でスレッガーは戦死したが、ビグ・ザムはガンダムのビームサーベルで撃破され、ドズルは戦死した。その直前、ドズルは単身ノーマルスーツ姿で無反動ライフルをガンダムに向けて発砲しているが、アムロはドズルの背後に立ち昇る悪鬼のような人間の情念を目の当たりにして戦慄している[19]。ちなみに、劇場版のこのシーンでドズルを演じていた玄田は、TV版ではスレッガーを演じていた。
小説版でもTV版と同様にビグ・ザムで出撃し、ガンダムとの戦闘後に戦死しているが、いくつかTV版と大きな相違がある。まず戦場がソロモンではなくコレヒドール宙域(ソロモンとア・バオア・クーの中間点)であること、次いでスレッガーは戦死せず一年戦争を生き延びていること、死に際に彼の脳裏に浮かんだ妻の名がゼナではなく「ナルス」となっていること等である。
ドズルは策略家であったギレンやキシリアとは異なり、ザビ家の中ではもっぱら現場第一主義であった。戦略的視野に欠けた司令官として批判されることもあるが、基本的に有能な指揮官であり、前線の兵士の事もきちんと考えていたため、部下にも敬愛されている。また、基本的に軍事レベルでの立場に終始していたが、戦略と戦術の区別がついていた数少ない人間でもある(上述の「戦いは数だよ」発言や、『THE ORIGIN』における士官学校校長としての訓示等にその一端がうかがえる)。
だが、それゆえドズルはそれぞれの派閥を作る親兄妹から孤立してしまい、ソロモンの危機に際しても、援軍を出したのはギレン一人で(それも未完成の試作モビルアーマー一機)、キシリアの援軍は到着せず、デギンに至っては黙殺していた。
彼の元にはシャア・アズナブル、シン・マツナガ、アナベル・ガトー、ランバ・ラルなど多くのエースパイロットが集まった。ザビ家という陰謀の館の中ではガルマと共に例外的に人間味があり、それ故にやがて孤立して戦いの中に散った悲劇の人とも言える。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では人間味のある部分が強調されており、ルウム戦役で殿を務めた僚艦の撃沈に涙したり、ルウム戦役の終結時には全軍に「すべての戦死者への敬礼」を命じる描写がある。またゲーム『ギレンの野望』ではルウム戦役で捕虜になった敵将レビルに敬礼するシーンもあり、武人としての礼節を重んじる一面もあったようである。
ジオン公国軍地球方面軍司令。階級は大佐(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では少将)。デギンの四男。(三男説も一部である)放映開始時の設定年齢は20歳。主な乗艦はガウ攻撃空母。
ジオン公国の士官学校を首席(実際は次席であり、主席のシャアがガルマに花を持たせ譲ったとも言われているが定かではない)で卒業しており、またジオン公国の御曹司にして美男子という事でジオン国民の人気も高く、父デギンや兄ドズルからもその将来を嘱望されていた。基本的に優しくナイーブな青年で、育ちが良いせいか疑うことを知らず他人を信用し過ぎるため、ガルマを溺愛していた父デギンは彼が軍人の道を選んだ事をかなり心配していたようである(『THE ORIGIN』では猛々しい性格の他の兄姉と違って気性が優しいガルマに対して「お前は学者にでもすれば良かった」と心配する記述もある)。また、右手で前髪をいじる癖があるなど繊細で神経質な面も見られた。そういった意味で、ギレンの国葬演説を聞いていたシャアによる「坊や」だという評はガルマの人柄を簡潔にして端的に言い表していると言えよう。シャアのガンダムシリーズを通してのただ一人の友人で、士官学校以来の付き合いである。シャアはザビ家への復讐のためにガルマに近づいたのだが、「お坊ちゃん」「坊や」と精神的な甘さを指摘する一方、「いい友人」発言など、彼の人格自体には、それなりに好感は持っていたような発言や描写も見られる。
一年戦争ではジオン公国軍の地球方面軍司令官として北米に拠る。実質的に地球方面軍は姉キシリア率いる突撃機動軍の麾下であり、彼はあくまで名目上の司令官でしかなかった。またその権限も実質的にジオン地上軍第2軍(北米方面軍)司令官程度の物に限定されている(但し、北米は豊富な工業力と食料地帯を有する上に南米の連邦軍本部ジャブローを牽制する要地でもあった)。占領軍の司令官としては割合有能で、軍規の維持に成功していたのみならず、現地の住民とも上手く付き合って協力を引き出している。彼の優しい人柄と社交性が発露されたといえばそれまでであるが、当時はコロニー落としで地球の住人のほぼ全てが強い憎悪を抱いていた点から考えると大成果と言える。 司令官でありながら、戦闘機(ブラウンに塗装された専用ドップ)に搭乗し(降下作戦にはザクIIFSに搭乗したという説がある)、前線に出撃する事も多かった(しかしこの事は他のジオン将校や国民から自らの地位・肩書きが親の七光りによるものと見なされることを嫌って自ら功を挙げるため、彼なりの懸命な努力を示さんとする行為でもあった)。また、占領地として赴いたニューヤーク(『THE ORIGIN』ではロサンゼルス)の前市長エッシェンバッハの愛娘、イセリナとは結婚を誓い合うほどの恋仲であった。
シャアに「ジオン十字勲章」ものの獲物だと唆され、勇んでガウ攻撃空母を主力とする部隊を率いてホワイトベースを攻撃に向かうが、ガンダムをはじめとするホワイトベース隊の必死の抵抗の前に連戦連敗。ホワイトベースが北米大陸を抜け、太平洋に出ようとする第10話に於いて「親友」シャアの奸計により、囮となってあらぬ方向へ逃走するガンダムをガウで追跡するよう誘導され、待ち伏せしていたホワイトベース及びガンキャノン、ガンタンクに無防備な背後をさらした瞬間、総攻撃を受けてしまう。その際、シャアから裏切りを告げられ、愕然としながら「親友」の正体(無論、シャア=キャスバルと言うことには気づいていないと思われるが)と本性に気づく。嘲笑するシャアの声が響く中、ガウ攻撃空母の舵を自ら取り180度回頭させてホワイトベースを道連れにすべく体当たり攻撃をかけるも間一髪でかわされ、爆発四散するガウの中で戦死する。脳裏にイセリナを思い浮かべつつ叫んだ彼の最期の台詞「ジオン公国に栄光あれ」はガンダムの作中でも印象的なものの一つである。なおシャアがガルマを間接的に謀殺したという事実は表には出ていないが、シャアはガルマを守りきれなかった責任をドズルに問われ、左遷(予備役編入)されている。
ガルマの葬儀は国威発揚・戦意高揚のための国葬として、ギレンによって大々的に利用され、目論見通り絶大なる効果を発揮した。しかし、父親であるデギンは、身内のみでの密葬を望み、最後まで国葬に難色を示していた。ザビ家内で誰からも好かれていたガルマの死は、葬儀にも現れたように皮肉にもザビ家内の各個の対立を表面化させより深くする結果となってしまう。
TV版第11話ではガルマと恋仲であったイセリナが、ガルマの部下であったダロタと共に敵討ちに向かう姿が描かれている。その後、仇討ち部隊としてドズル麾下のランバ・ラル隊が地球に降下し、ホワイトベース追撃の任務に当たることになる。
小説版では、シャアの謀略によってではなくガウ攻撃空母で木馬(ペガサス)へ馬鹿正直な正面攻撃を敢行したために、シャアが止めるのも間に合わずメガ粒子砲の直撃を食らって呆気なく戦死という描写がなされている。
放送当時その容姿から女性ファンに対して、シャアと並ぶ人気があり、第10話の放送後カミソリ入りの手紙がサンライズに送りつけられたというエピソードまである。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「ガルマ編」のみならず、「過去編」に於いてもシャアに強烈なライバル心を抱き、事ある毎に張り合おうとし、やがてライバルから友人として信頼していく姿や、彼が国民的人気を得るようになった出来事などが生き生きと描かれている。またガルマは決して無能ではないが、シャアという圧倒的な才能の前にはかすみがちであり、加えて苦労知らずだったために、むざむざと復讐に燃えるシャアの犠牲になってしまったのだという描写がなされている。
バンダイのゲーム『ギレンの野望 ジオンの系譜』ではifシナリオの一つとして、彼が戦死せず兄ドズルやランバ・ラルらを部下に従えイセリナに見守られながら「新生ジオン」の総司令官として立つ「ガルマの栄光~新生ジオン編~」が登場する。ここでの彼はジオン公国の罪を自覚し、その贖罪のために軍を率いるという設定で髪を束ねており、以前の甘さを払拭しようとイメージチェンジを図っている節がある。また、ゲーム『ギレンの野望 特別編 蒼き星の覇者』では、一年戦争でのジオン軍勝利の後に地球圏の掌握をめぐり姉キシリアが率いる「正統ジオン」と敵対するif展開が用意されている。
宇宙世紀0079年9月2日、ドズルとゼナとの間に、おそらくソロモン内で一人娘として誕生[20]。一年戦争以後、ザビ家の中で唯一生き残った人物。『機動戦士ガンダム』におけるソロモン陥落時には未だ乳児であったが、母ゼナと共に脱出に成功。バロムによって月のグラナダへ送り届けられた後、母に連れられアクシズへと逃れる。
『機動戦士Ζガンダム』及び『機動戦士ガンダムΖΖ』では、彼女はザビ家の正統後継者として祭り上げられ、歪んだ教育を受けるようになっていく。シャア(当初、皇室警護官としてミネバの養育にあたっていた)は彼女が普通の少女として育つ事を望んでいたが、摂政となったハマーンと対立し、アクシズから逃れるように地球圏へ潜入する。
宇宙世紀0087年、彼女はアクシズ(ネオ・ジオン)の名目上の君主として地球圏へ帰還し、グリプス戦役に第三勢力として介入、連邦軍を弱体化させた後第一次ネオ・ジオン抗争(ハマーン戦争)に突入する。ハマーンの戦死によって抗争が終結したのち、本物のミネバは既にシャアによって連れ去られ、それ以降は替え玉が立てられていた事が発覚した。このことは、プレイステーションゲーム『機動戦士Ζガンダム』において、わずか数秒ではあるが映像化されている。しばらくはスウィートウォーターでシャアに匿われていたとされるが、第二次ネオ・ジオン抗争以降、彼女の消息は不明となる。なお劇場版『機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛』では、グリプス戦役終戦と共に勉学のため、サイド3経由で地球に降下している。ニュータイプとしての素質があることを思わせる描写があったが、パイロットや実験体として利用されることはなかった。また、小説版では自身が艦隊旗艦に座乗する事で兵の士気が高まる事を指摘するなど、幼いながらに父親ドズルの血筋を覗かせるその将器にハマーンが畏怖を覚える描写もあった。
その後、小説『機動戦士ガンダムUC』にて16歳となったミネバが登場する。宇宙世紀0096年4月7日、ビスト財団とネオ・ジオン残党軍「袖付き」との間で交わされる「ラプラスの箱」の取引を阻止するべく、「パラオ」を出航した航宙貨物船ガランシェールに密航。単身「インダストリアル7」に潜入するが、同日発生した連邦軍とネオ・ジオンの武力衝突に巻き込まれ、民間人の一人としてネェル・アーガマに収容される。オードリー・バーンという偽名を名乗って脱出の機会を伺っていたものの、程なくして正体が露見、ネオ・ジオンに対する人質として連邦軍に拘束されることになる。4月12日、輸送艦アラスカで月へ移送される途中、連邦軍ロンド・ベル隊に所属するリディ・マーセナスの手引きにより脱走。彼の父親で連邦政府の中央議会議員ローナン・マーセナスに助力を請うべく、リディの搭乗する可変MSデルタプラスに同乗し、ネェル・アーガマのパラオ攻略に紛れて地球に降下する。
しばらくマーセナス邸に逗留することになったものの、慣れない生活環境の中でアースノイドが抱くスペースノイドへの偏見を目の当たりにし、次第に自身の在り方を見失ってゆく。折りしも箱の真実を知らされて苦悩するリディから事実上のプロポーズを受け、失望の念を覚えたミネバは屋敷を抜け出す。その途上、立ち寄ったダイナーの老主人と交わした会話を切っ掛けに、ミネバは弱腰になっていた自分を悔い改め、課せられた運命と対峙する覚悟を決める。その後間もなくローナンの手の者に捕えられ、ビスト財団に引き渡される。財団当主代行マーサ・ビスト・カーバインから財団との結託を要求されるも、マーサの欺瞞を看破したミネバはこれを拒否、交渉は決裂する。人質として巨大輸送機ガルダで移送される中、バナージ・リンクスとスベロア・ジンネマンらガランシェール隊の活躍の甲斐あって脱出に成功。ガランシェールに無事回収され、再び宇宙に上がる。
この他にも成長したミネバが登場する漫画作品(『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』など)はあるが、いずれもガンダムシリーズの正史には含まれていないうえに、設定面での矛盾点が生じている。
デギンの妻でガルマの母。ガルマを産んだ際に死亡したため、『機動戦士ガンダム』には登場しない。小説版でその名前が判明したが、講談社の書籍『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』ではナリス・ザビとされる。ガルマだけでなく、サスロやドズルの母とする説もある。
ドズルの妻でミネバの母。名はゼナ・ラオ・ザビとも。ドズルを強く愛しており、連邦軍による攻略戦が間近という極めて危険な時期に、本国サイド3で娘と共に夫の無事を祈るのではなく、宇宙要塞ソロモン内で娘ミネバや侍女らと共に暮らしていた。ドズルが「ソロモンは難攻不落」と部下へアピールするために見栄を張って駐留させていたという説もあるが、これは些か不自然であり、家族を愛するドズルが最も安全と信じる場所に住まわせていたと考えるのが妥当だろう。しかし、連邦軍の侵攻に伴い、ドズルに促されミネバを連れて脱出。ソロモン救援に向かっていたグラナダのマ・クベ艦隊(アニメ版では「明らかに遅すぎる援軍」とナレーションが入っている)と出逢うも、冷酷なマ・クベに危うく脱出艇を見捨てられかける。同乗していたバロムの諫言もあって何とか救出されたものの、ソロモン要塞は陥落し、ドズルは敵主力へ単機特攻をかけ壮烈な戦死を遂げた。ゼナは救出に喜んだのも束の間、愛する夫の戦死を知り涙に暮れている。その後、バロムによって無事にグラナダへと送り届けられた。
一年戦争後はミネバを連れてアクシズに逃れるが、宇宙世紀0081年、心労により病死した。マハラジャ・カーンの長女(ハマーンの姉)とする説もあるが、現在では別人とされ、マハラジャの長女はドズルの妾とするのが一般的である。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではガルマやシャアの士官学校の同期生ゼナ・ミアとして登場し、ガルマとシャアを首謀者とする士官学校生蜂起事件に際してドズルに銃を突きつけ動きを封じるという重要な役割を担った。この事件の責任を問われ、士官学校校長を解任された傷心のドズルから「俺の子を産んでくれまいか」とプロポーズされるエピソードが紹介されている。
北爪宏幸の漫画作品『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ソロモン陥落後は親子でア・バオア・クーに滞在していたがシャアと共に脱出、アクシズに逃れる。当時14歳の少女だったハマーンは彼女に女性としての理想像を見いだしており、彼女の死に涙する姿が描かれている。本作においては、上記のハマーンの姉は、父マハラジャが忠誠の証に侍女として仕えさせたがその実は妾であった。アクシズ到着直前に死没。
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』による設定では、ギレン・ザビは自身のクローニング実験を積極的に行っていたとする説があり、特に、自らの精子とニュータイプの女性の卵子との人工授精による試験管ベビーを作る実験を行っていたとされる。
『機動戦士ガンダム』の企画初期段階「フリーダム・ファイター」においては、敵は「ジオン帝国」という異星人の全体主義国家という設定であった。これは『宇宙戦艦ヤマト』のガミラス帝国に似た設定である。その後企画は「ガンボーイ」を経て「ガンボイ」へと改められ、ここで本作とほぼ同じような、人工都市衛星のひとつが「ジオン公国」を称するという形になる。「ザビ」という家名が出てくるのもこのあたりで、デギンに相当する「ギムロ・ソド・ザビ」や、ギレンに相当する「ガムロ・ザビ」といった名前が現れる。企画が『機動戦士ガンダム』として確立するあたりではデギンとその子供たちの設定が出そろうが、この段階では「ミハル・ザビ」という17歳の末娘がいるとされている。彼女の設定は、ガルマ葬儀の回のコンテをもって最終的に没となったが、実際の作品中では同じファーストネームを持つミハル・ラトキエという少女がジオンのスパイとして登場している。
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