シアン化水素 とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋-13.4 ℃ (259.75 K, 7.88°F) 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
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| シアン化水素 | |
|---|---|
| IUPAC名 | シアン化水素 メタンニトリル 水素化窒化炭素 |
| 別名 | ヒドロシアン酸 シアン化水素青酸 ホルムニトリル ギ酸ニトリル |
| 識別情報 | |
| CAS | 74-90-8 |
| RTECS | MW6825000 |
| SMILES | C#N |
| 特性 | |
| 分子式 | HCN |
| モル質量 | 27.03 g/mol |
| 外見 | 無色または薄青色の気体 揮発性の液体 |
| 密度 | 0.687 g/cm3, 液体. |
| 融点 |
-13.4 ℃ (259.75 K, 7.88°F) |
| 沸点 |
26 ℃ (299.15 K, 78.8°F) |
| 水への溶解度 | Completely miscible. |
| 酸解離定数 pKa | 9.2 - 9.3 |
| 危険性 | |
| 主な危険性 | 毒性、引火性ともに高い |
| NFPA 704 | |
| Rフレーズ | R12, R26, R27, R28, R32. |
| Sフレーズ | (S1), (S2), S7, S9, S13, S16, S28, S29, S45. |
| 引火点 | −17.78 °C (−64.004 °F) |
| 関連する物質 | |
| 関連物質 | ジシアン シアン化塩素 |
| 特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | |
シアン化水素(シアンかすいそ、hydrogen cyanide)は、青化水素、メタンニトリル、ホルモニトリル、ギ酸ニトリルとも呼ばれる猛毒の流体である。
相で区別する場合、気体のシアン化水素は青酸ガスといい、液体は液化青酸という。水溶液は弱酸性を示し、シアン化水素酸と呼ばれる。気体、液体、水溶液のいずれについても、慣習的に青酸(せいさん)と呼ばれる。この語は紺青に由来する。シアン酸は異なる物質である。
ドイツ語のシアン(独Cyan, 英Cyanogen)はジシアンに詳しい。
目次 |
沸点が常温付近のため、気温が低いと液状、高いときは気体になる。非常に揮発しやすく、沸点より低温でもよく蒸発して容易に中毒の原因となる。水溶液のシアン化水素酸になった場合は、液化青酸よりも気化しにくくなる。
無色で、「アーモンド臭」(苦扁桃油臭、巴旦杏(ハタンキョウ)臭、かたばみ臭、オレンジ臭)を持つ。これは普段口にするナッツ(スイートアーモンド)や杏仁豆腐に使われるアーモンドエッセンスなどの甘い匂いではなく、収穫前の果実または花のものであり、甘酸っぱい匂いである。ただし、嗅盲といって遺伝的にこの臭いを感じない人が20%~40%いる(その場合でも本物のオレンジの匂いを感じられないわけではない)。ただしハタンキョウ臭を感じない体質の人でも、高濃度では独特の形容しにくい刺激臭のようなものを感じる。ベンズアルデヒドやベンゾニトリルの臭いとも類似するといわれる。敏感な人は0.58ppmで臭いを感じる。[1]
可燃性の気体であり、爆発範囲(5.6~40.0%)を持つ。
炭酸より弱い酸で金属イオンと塩を作る。酸解離定数 Ka = 1.3 × 10−9 (18 ℃)。シアン化水素が電離したイオン (CN−) をシアン化物イオンと呼び、金属イオンと錯体を作りやすいので錯体化学上重要なイオンである。
極性溶媒下で電離するなど性質が異なるため、一般にはニトリルには含まれない。
強熱すると高温炎を上げて燃え、窒素と二酸化炭素と水になる。炎色は桃色(『化学辞典普及版』森北出版)・青色(『化学辞典』東京化学同人)・紫色(『実験化学ガイドブック』丸善)と各種の表記があるが、現実には赤紫色と呼べる。このため原子吸光分析で燃料ガスとしてシアン化水素ガスボンベを使用する事がある。
純粋な物は安定だが、純度の低い物を長時間放置すると黄色や黒色に変化し爆発性の重合体を生成する。特に水分が10%程度混じっていると50℃程度で重合しやすくなり、またアルカリが混ざっていると室温でも重合する。重合防止剤がない場合は184℃になると急激に重合する(重合時に発熱し、加速される)。これを防ぐには銅粉や硫酸を入れる。
逆に水の方が多い場合は、加水分解し、ホルムアミドを経てギ酸とアンモニアになる。
シアン化水素は殺虫剤のほか、化学兵器(毒ガス)として使用された様に、動物にとって致死性の毒物である。 その毒性の発揮は、シトクロムをはじめとする生体内のヘム鉄の Fe3+ に配位し、細胞内呼吸を阻害することによる。中毒死した場合は、全身が赤く染まる(青酸塩の場合はそうならない場合もある)。
すなわちヒトなどの脊椎動物がこの物質を摂取すると、シアンがヘモグロビンを封鎖する。さらには細菌以上の動物ミトコンドリアのシトクロム酸化酵素複合体(COX)とも結合・封鎖し、電子伝達系を阻害することでATP生産量を低下させる。 この点で植物ミトコンドリアはシアン耐性経路(Alternative Oxidase:AOX酵素)を備えるため耐性を持つ。
気体の毒性には異なったデータがあり、270ppmで即死というものから、5000ppmの1分間の吸入で半数死亡というものまである。これは肝臓によるチオシアン酸化解毒能力と、細胞の壊死に対する抵抗力における個体差ゆえと考察される。蓄積性は低いので、一度意識が戻れば急速に回復する。
火災によりアクリル製品等が熱分解し、シアン化水素が発生して中毒することがある。一酸化炭素とともに火災時の中毒原因となっている。 デパート等の火災に際し、落ち着いて避難中の人が突然倒れた事例がある。(長崎屋火災)
そのほか毒物としての青酸については、青酸カリの項を参照されたい。
かつてはホロコーストの際にガス室で使用された。この時にはツィクロンBという殺虫剤が流用された。可燃性であることから、ガス室の隣に燃焼炉があるので危険で使えないという否定論者もいるが、上記のとおり爆発する濃度は5.6%(56000ppm)以上であり、中毒死には270ppm~5000ppm(0.5%)で十分であることを知れば、成り立たない。なお日本でも同時期にサイロームという同種の製品が存在し、ミカン農家などで使われた。人に対する毒性が強いため、殺虫用途での使用はかつてより減っているが、現在でも、輸入食品の薫蒸に使用されている。
日本軍が対戦車兵器として液化青酸270g入りのビン「一式手投丸缶」(ちゃ剤、ちび弾とも呼ばれた)を製造した([1])。戦車にぶつけて割ると、装甲の隙間から中に入り込み、乗員を中毒させるのが目的であった。日本で時々、遺棄されたこの兵器が地中から発見されている。
この毒性に着目したオウム真理教がテロ未遂事件を起こしている。(新宿駅青酸ガス事件)
未熟なウメ(青梅など)に含まれる毒成分は、シアン化水素である。
ウメやアンズ、ビワなどバラ科植物の果実には、青酸配糖体であるアミグダリンやプルナシンが含まれている。未熟な種子に含まれるエムルシン、または動物の腸内細菌の持つβ-グルコシダーゼといった酵素により加水分解され(胃酸や胃の消化酵素によるものではない)、糖とアルデヒド、そしてシアン化水素を生成する。
シアン化水素自体の毒性は非常に高いが、アミグダリンなどによる中毒症状を示すにはこうした果実や種子の大量摂取を必要とする。また、アミグダリンは果肉よりも種子により多く含まれているため、種子を噛み砕いていない限りは中毒の心配はほぼないとされる(アンズの種子20~40個による重症例がある一方、幼児が青梅の果肉を囓った程度では心配ないとされる)。
杏仁豆腐に使用されるアンズの種子は、熟してエムルシン濃度が低下したものを粉に挽き、水に晒してアミグダリンを除去するなどの工程を経ている。また、大部分の市販品は別材料(アーモンド粉と寒天等)を使用している。
工業的にはソハイオ法によるアクリロニトリル製造の際の副産物として得られるほか、メタン、アンモニア、空気の混合ガスを高温下白金触媒に通すことによって作られる(アンドルソフ法)。 薫蒸等の目的ではシアン化ナトリウムに酸を加える方法が一般的である。
廃棄処理業者に委託して、シアン化物イオンの分解処理を依頼するのが最も安全である。通常は、シアン化物イオンを次亜塩素酸ナトリウムなどアルカリ条件下で利用可能な酸化剤で酸化することで分解する。
なお昔の辞典では、「シアン化水素酸」または「青酸」を、シアン化水素の二量体の固形物質をさす語とも記載している例もあるが、現在はこの物質は三量体の1,3,5-トリアジンであることが判明している。
青酸という毒物は古代エジプト時代から認識されていた。1782年にカール・ヴィルヘルム・シェーレがシアン化水素を発見した。シアン化水素酸の別名をシェーレ酸という。
空気中のシアン化水素の検出には、ピクリン酸ソーダや塩化水銀(II)などを詰めたガス検知管が使われる。
シュレーディンガーの猫の装置で、猫を殺すのはシアン化水素である。
コンクリートや漆喰の部屋で薫蒸に用いると、鉄分と反応して壁が青くなる場合もある。
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|---|---|
| 酸化物 | 二酸化炭素 - 一酸化炭素 - 亜酸化炭素 - 一酸化二炭素 - 三酸化炭素 |
| 酸化物から得られる化合物 | 金属カルボニル - 炭酸 - 炭酸水素イオン - 炭酸イオン |
| イオン化合物 | シアン化物 - シアン化物イオン - チオシアン酸イオン - カーバイド |
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