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世界初のジェットエンジン搭載の航空機は1910年のルーマニアで開発されたコアンダ=1910である。だがコアンダ=1910のエンジンは、レシプロエンジンの駆動力で空気を送り込む言わば中間的なもので、純粋なジェット推進であったわけではなく、また飛行機自体もまともに飛行したとは言いがたかった。
世界で初めてジェットエンジン(ターボジェット)の推進力だけで飛行したのは、ドイツのハインケル社によって開発されたHe 178である。初飛行は、1939年8月24日に数m上昇したときだというものと、8月27日に本格周回飛行をしたときだというものの、二つの見解がある。だがこの機体は結局速度などの性能が当時のレシプロ機よりも劣っていた事や、政治的圧力により軍用機としては採用されなかった。
初めて運用開始された実用ジェット戦闘機はイギリスのグロスター ミーティアだが、実戦配備、および戦闘を行ったのはメッサーシュミット社の双発戦闘機、Me262方が先である。両機体共に1944年に配備された。ミーティアが最初に作戦行動を行ったのは1944年7月27日で、最終的に14発のV1飛行爆弾を撃墜した。Me262は第二次世界大戦末期、ロケット弾幕を用いて連合国軍の爆撃機撃墜で戦果を上げたものの、すでに劣勢にあったドイツには機体もロケット弾も十分な配備数を揃える時間的余裕すら無く、戦況を覆すには至らなかった。
Me262の技術は日本にも運ばれており、陸海両軍で開発が行われた。大日本帝國海軍では皇国二号兵器(後の橘花)という名前で、沿岸の敵艦船を攻撃する特殊攻撃機(しばしば「体当たり用」と確信犯的に誤記されるが、全くの別物である。)として試験機が開発された。3案のエンジン配置法(機体上部配置、機体埋め込み、釣り下げ)の内、当時の技術力・国内の現状からMe262と同じ釣り下げ方式が採用され、1945年8月7日に11分間の低空飛行で初飛行に成功する。しかし、同年8月11日に二回目のテスト飛行が行われた際、テストパイロットが滑走中にトラブルを察知。離陸中止を試みたものの、零戦を流用した脚部の制動力が機体重量に比べて弱く、オーバーランで脚部を破損。残念ながら、完成前に終戦に至った。大日本帝國陸軍ではMe262を大型化した火龍を戦闘爆撃機として開発中であったが、こちらも完成前に終戦を迎えている。
他にも、試作のみで終わったハインケルHe280(ドイツ)、戦闘機として第二次世界大戦末期に配備され実戦にも参加したハインケルHe162(ドイツ)、配備されたが実戦には参加しなかったP-80 シューティングスター(アメリカ)、当初は偵察機として開発され、後に爆撃機へと改変されたアラドAr234(ドイツ)がある。
詳しくはジェットエンジンを参照。
初期のジェット機のエンジンはバイパスの無いターボジェットエンジンがほとんどであった。2004年現在、純粋なジェットエンジン(ピュアジェット)はほぼ姿を消したが、戦闘機などの小型超音速機においては低バイパス比のターボファンエンジンを搭載している。
民間旅客機に代表される亜音速大型機は、高亜音速での効率の高さから高バイパス比のターボファンエンジンを用いるのが主流である。例外としては、2003年に運用が停止された超音速旅客機コンコルドが挙げられる。コンコルドはアフターバーナーを備えたターボジェットエンジンを4発搭載していた。
飛行機のエンジンは、エンジンに着目した場合に、1基、2基、3基...と数え、飛行機に着目した場合には、1発(または単発)、2発(または双発)、3発、4発...と数えることが多い。
エンジンの搭載数は、小型機(戦闘機など)では単発か双発である場合が多く、ビジネス機や長距離を飛ぶ大型旅客機では双発、3発、4発搭載のいずれかがほとんどである。民間機で単発ジェットエンジンのものはエンジン信頼性の問題もあり、ほとんどない。
大型旅客機が3発、4発など多数のエンジンを持つ理由は、飛行中の万一のエンジン故障を想定しているためである。双発機にはエンジンが1基止まった場合60分以内に緊急着陸可能な空港がある航路のみを運行できるという規則が存在する。このため双発機では太平洋や大西洋などの広い海を横断する航路が設定できないなど、運行上の制約ができてしまう。すなわち3発以上のエンジン搭載は冗長性による信頼性確保を目的としている。しかし近年ではエンジン単体の信頼性が向上したため、ETOPSルールにより双発機でも外洋を航行できるようになっている。
さらに多くのエンジンを搭載する飛行機として、アントノフ An-225 とボーイング B-47の6発や、ボーイング B-52の8発があるが、こうした場合はパイロン1つごとに小型エンジン2基をセットにしていることが多い。
ジェット機において、ジェットエンジンの配置方法は主に以下の3種類に分類される。
旅客機等の大型機では、偶数エンジン数の場合、主翼下パイロン懸架方式が主流となっている。MD-11 のような3発機の場合、主翼下パイロン懸架2発と胴体後部(垂直尾翼下)1発配置となる。
この方式には以下のような特徴がある:
主翼下パイロン懸架方式以外に多いのは胴体後部側方配置形態である。プロペラのないジェットエンジンのコンパクトさに着目した手法で、1955年のフランス製双発旅客機シュド・カラベルが最初の例である。大型機ではイギリスのVC-10やロシア製の機体で見られるが、それ以外はコミューター機や小型ビジネスジェット機のサイズでしばしば採用される。
この方式には以下のような特徴がある:
→小型機には都合がいい形態である
また、主翼付け根にジェットエンジンを埋め込ませた方式を取る機体もわずかながら存在する(デハヴィランド コメットをベースにしたニムロッドなど)。
ステルス爆撃機として有名な全翼機、B-2も機体内部に半分埋め込むような形になっている。
特殊なジェットエンジン配置方式としては、主翼上面にパイロン状のストラットで支持した方式がある。これを採用しているのは、ドイツ製の VFW 614 や、2004年に飛行試験を実施したホンダジェットなどがある。この方式の特徴として以下のようなものが挙げられる:
大型のジェット機ではスラストリバーサ(thrust reverser、または逆推力装置、逆噴射装置)を装備している場合が多い。スラストリバーサはエンジンの噴気の向きを前面斜め方向に変えることにより、逆向きの推力を生み出す働きがある。主に着陸時の制動距離を短縮するために使用される。日本ではまず見られることはないが、トーイングカーのプッシュバックによらない自力での後退(パワーバックと呼ぶ)に用いられる場合がある。
ターボジェットエンジンや低バイパス比ターボファンエンジンでは、エンジンの排気を直接遮る形式、高バイパス比ターボファンエンジンにおいては、ファンを通った空気だけを遮る形式のスラストリバーサが用いられる。
なおプロペラ機におけるスラストリバーサはプロペラのピッチを逆転することにより実現されている。
ジェット機においては、エアインテイク(空気取り入れ口)が重要な設計要素になる場合がある。特にエンジンを胴体に埋め込むコンフィギュレーションを採用した場合、エアインテイクの数、機体に対する配置、形状、ダクトの形状が要求される飛行機の性能を左右する。
主翼下パイロン懸架方式・胴体後部側方配置方式の機体ではふつうエンジン数とエアインテイク数は一致するが、胴体内埋め込み方式では一致しない場合もある。MiG-19やイングリッシュ・エレクトリック ライトニングのように機首にエアインテイクを設けている機体は双発だがエアインテイクが1であり、F-104 や サーブ 39 グリペンなど胴体両側面にエアインテイクを設けている機体は単発だがエアインテイクが2つになる。昨今の小型高性能戦闘機は、高迎角飛行でも空気の流入が比較的得やすい胴体下に設置される場合が多くなっており、この場合はエアインテイクとエンジンの数も一致する(F-16・F-CK-1など)。(2008年現在)
※インテークの項目も参照
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