ハードディスクドライブ とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋ハードディスクドライブ (Hard disk drive) は、磁性体を塗布した円盤に磁気ヘッドを用いて情報を記録、または読み出す記憶装置の一種である。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
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磁性体を塗布した円盤を高速に回転させ、磁気ヘッドを平行移動させることで、高速にランダムアクセス記録を可能とした記憶装置である。
元々、メインフレーム(大型コンピュータ)の補助記憶装置として利用されていたが、現在では、パーソナルコンピュータを含めたあらゆる汎用のコンピュータや、大容量のランダムアクセス記録を必要とする業務用専用装置にて用いられている。
2000年代に入り家庭電化製品のデジタル化が進み、音声映像等のデータをデジタルデータとして記録する用途が生じてきたことから一般の家電製品での利用も増え始めた。 容量単位の価格が安価で大容量、ランダムアクセスが可能で、下記のRAMディスクには劣るがアクセス速度も比較的速く、さらに書き換え可能という特性を生かし、2003年以降、特にハードディスクビデオレコーダーや携帯音楽再生装置といった用途での搭載が増加している他、カーナビゲーションにも搭載され、地図情報の保存等に利用されている。
2005年現在、上記家電製品やパーソナルコンピュータ等での使用においては、筐体内に内蔵する方式が主流であるが、本体とは別の専用の筐体に収めUSBやIEEE 1394等の汎用バスを用いて接続して利用する方式も広く用いられている。また、ネットワーク上で特定コンピュータ装置に従属しない独立した記憶装置として利用出来るような製品も存在する。
ハードディスクドライブは半導体メモリと比較して読出・書込には時間が掛かる。そのためOSから見てハードディスクドライブと同様のオペレーションで、より高速なアクセスを実現するための工夫もされてきた。
RAMディスクは、コンピュータ上に搭載されたRAMの一部を、デバイスドライバ等によりディスクドライブであるかのように見せかける仕組みで、古く(パソコンではCP/MやMS-DOSの頃)から利用されている。また、汎用ハードディスクドライブ等のディスクドライブと同様に操作出来るメモリディスク装置(電子ディスク装置)が汎用機(メインフレーム)用として1980年代から使用されているが、半導体メモリの価格低下に伴い一般向け装置も登場し、普及して来ている。
また、不揮発性フラッシュメモリとHDDのメリット、デメリットを補うためにメモリーとHDDを一緒にしたハイブリッドHDDが登場した。これにより消費電力の節約とともに、読み書き速度の向上、衝撃にも強くなったと言われるが、高価なため流通量は少ない。
なお、ハードディスクドライブはその構造上、耐久性に問題の多い記憶装置であり消耗品である。経年変化や衝撃などの理由により障害(クラッシュ)が高頻度で発生し正常に動作しなくなることがある。一見正常に動いているように見えて、一部破損によってデータが間違ったり、何の前触れも無く動作不能に陥ることもある。重要なデータが入っている場合は定期的にバックアップを取るなどの対策が必要である。データが消えたときにデータ復旧サービスを利用するユーザーが増え続けている。
近年では省スペース性や低消費電力を重視する傾向が強まり、ゲーム機やサーバ用途を中心に3.5インチサイズから2.5インチサイズへ主流が移りつつある。2007年のHDD国内出荷台数は、2.5インチ以下のHDDが全体の53%となっている。
世界初のハードディスクをシステムに含むコンピュータが登場したのは1956年のことである。IBMよりIBM RAMAC 305が発表された。RAMACの最初のハードディスクシステムIBM 350 disk storage unitの直径は24インチ(約60cm)のディスクを50枚も重ねたもので、ドライブユニットのサイズは大型冷蔵庫2個分程もあるが、約4.8MB(原稿用紙5000枚以上)の記憶容量しかなかった。
2008年現在では、主流である3.5インチタイプドライブの記憶容量は、1台で数百GBから1TBに達している。製造メーカは富士通、東芝の日系HDDメーカーに加えIBMの実質的な後継メーカーである日立グローバルストレージテクノロジーズ (Hitachi Global Storage Technologies) やシーゲイト・テクノロジー (Seagate) ・ウェスタン・デジタル (Western Digital) といった米国系メーカが主流である。
ハードディスクドライブの基本構造はレコードプレーヤーに類似している。レコード盤に当たる物がディスク、針に当たる物がヘッド、およびヘッドを駆動するアーム等から成り立つ。アームは円盤上を1秒間に最高100回程度の速度で往復でき、これによって円盤のどの位置に記録されたデータへも瞬時にヘッドを移動して読み取り、書き込みが可能である。コンピュータ製品に関わる他のディスク装置は、ヘッドを円盤回転軸の中心へ垂直に走査するのに対し、ハードディスクドライブのみこの方式でない点は興味深い(ディスクパックから密閉型/サーボ面サーボからデータ面サーボに移行する 1970年代後半から1980年代初頭に、リニアアクチュエータ+ステップモータからスイングアーム+ボイスコイルに変化した。)。
アルミニウムやガラス等の硬い円板(ディスク)に磁性体を蒸着等の方法により塗布し、データを記録しているのでハードディスクという。また、この円板部分をプラッタと呼ぶ。更に、プラッタの各面のことをサーフェスと呼ぶ。通常、ハードディスクドライブは1枚以上のプラッタが取り付けられていて、プラッタの両面または片面に読み書きする。容量が同じでも、プラッタ枚数が多い方よりも少ない方が故障確率が下がる為に高性能品とされる。ガラス製プラッタはHOYAの発明品である[1]。またディスクプラッタにガラスを使った世界初の製品は2000年にIBMから発売されたIBM Deskstar DTLA-307020である。
ハードディスクドライブには、磁性体の上にライナーと呼ばれる潤滑剤が塗布されている。ディスク停止時には磁気ヘッドとプラッタは接触しているが(この際の磁気ヘッド位置をシッピングゾーンと呼ぶ)、このライナーの上をヘッドが滑り、回転数が上がるにつれ、プラッタ表面近傍のプラッタと共に回転する空気によってヘッドが地面効果によって極わずか(後述#記録密度参照)に浮き上がる。このライナーが劣化すると、ヘッドが磁性面に引っかかる形で衝突し、ヘッドクラッシュという現象を起こす。一般に、このライナーの寿命がハードディスクドライブそのものの寿命となる。このため、密閉式のハードディスクドライブは準消耗品的な扱いを受ける場合が多い。ただし、メーカー・製品によっては、シッピングゾーンをプラッタの外に設ける場合もある。
古い時代(1980年代)のハードディスクドライブは、停止命令を送ると(NECのPC-9800シリーズでは「STOP」キーを押す)、ヘッドをプラッタから引き上げ、退避位置に移動させるようになっていた。しかし、部品点数削減と停止命令を送らないOS(MS-DOS等)の普及等から、ヘッドはプラッタの上に放置される様になった。この仕様変更以降、互いに鏡面加工された物体が接触した状態で放置されると、そこで接着されてしまう「はりつき」と呼ばれる現象が発生するようになった。これは、ハードディスクドライブが起動しなくなる深刻な障害で、回復させるために様々な方法が考案された(バケツの水を回す様にハードディスクドライブ筐体を電源を入れながら回転させる、クッションに包んでハードディスクドライブを床に落として衝撃を与える、筐体を分解してディスクを手で強制的に回転させる等)。後にプラッターの一部に凹凸を付けた領域を設け、電源が切られた場合、強制的にそこへ移動させる様になり、「はりつき」の悲劇は解消された。現在のOSは、ハードディスクドライブに停止命令や電源オフ命令を送る様になり、特に耐衝撃性能が要求される携帯機器向けのハードディスクドライブでは、ヘッドを退避領域に戻す機構(ドロップ・センサー機能)が復活している。
内部は、埃の侵入を防ぐため密閉されており、フロッピーディスク装置とは違い記録メディアとドライブ、コントローラ、インターフェイスが一体となっている。基本的に金属製の筐体は開けられないようになっており、開けてしまうと埃が内部に付着して壊れてしまう。
ただし、完全に密閉されている訳ではなく、使用時の温度変化に伴うドライブ内の空気圧の変化に対応するため、1箇所だけ小さな空気取り入れ口が存在する。磁気ヘッド自体が空気分子により磁性面より幾分浮き上がっているので、温度変化は磁気ヘッドと磁性面の間隔を左右する要素である。空気取り入れ口はこの圧力を一定に保つ役割を持つ。
だが完全に密閉されていないということは逆に、空気が薄いと地面効果が小さくなってヘッドとプラッタがぶつかりやすくなり、真空中では地面効果が発生しないためにヘッドが浮かないため、そのような場所で動かすHDDは完全に密閉するか、地面効果以外の何らかの手段でヘッドを浮かせる必要がある。
ハードディスクドライブの機能を実現している電気部品のうち、駆動系に関わるのはモーターである。ハードディスクドライブに関わる電動機は2つあり、1つは円盤部分を回転させるモーター(スピンドルモーター)、もう1つはヘッドをシークさせるアームを駆動するモーター(ボイスコイルモーター)である。円盤部分を回転させるモーターはダイレクトドライブ方式であり、4,200・5,400・7,200・10,000・15,000rpmが主立った回転数である。
アームの駆動モーターは通常のモーターの形ではなくリニアモーターであり、2枚の強力な磁石(主にネオジム磁石を使う)の間にコイルを置き、このコイルの動きがそのままアームの動きとなる。このようなアームのシーク方式は1993年頃から一般化したが、それ以前のハードディスクドライブには、ステッピングモーターの回転をアームの動きへと変換するリンク構造が用いられていた。この方式はハードディスクドライブ全体の小型化やシークタイムの微小化に不向きであり、現在そのような方式が用いられることはない。
スピンドルモーターやアーム駆動モーターは、サーボ制御によってコントロールされている。スピンドルモーターにホール素子を取り付け、回転数を制御している。この方式は、現在も変わっていない。アーム駆動モーターの位置決めは、古くはステッピングモーターが初期位置を確定すれば絶対座標で制御できることから、サーボ制御は行われていなかった。しかしボイスコイルモーターになった時、アームの正しい位置を知る必要が生じた。初期の頃は、プラッターの1面をサーボ制御情報取得専用に用い、この面から読み取られた座標情報をもとにアームの位置決めを行っていた。現在はアドレス情報を記録データと混在させることにより、アームの熱変形の影響を抑え、さらにプラッターのサーボ制御専用面を廃した。
ハードディスクドライブは起動時にサーボ情報を収集するキャリブレーションと、定期的にサーボ情報を補正するリキャリブレーションを行う。いずれもサーボ情報をメモリに保持し、ヘッドの動作速度を向上させるための動作である。時にこのリキャブレーションが問題となることがあった。Windowsなどで使われたコンシューマー用ハードディスクはサーボ情報収集中、ドライブへのアクセスを待機させても支障は無かった。しかし、FreeBSDなど一部のOSではこの待たされている間にタイムアウトが発生してドライブが切り離され、場合によってはOSがクラッシュするという事態が生じた。このため両者はそれぞれ改良を行い、サーボ情報収集中にアクセスがあった場合にはリキャリブレーション動作を中断してアクセスを受け入れ、またOSはリキャリブレーション動作の可能性を含めたタイムアウト時間を設定した。近年のハードディスクドライブは一度にサーボ情報を読むのではなく、定期的に通常のディスクI/Oに1トラック/1秒程度の間隔で割り込ませ、サーボ情報の補正を行っている製品が多い。アクセスの少ない深夜などで、ハードディスクドライブが「コツコツコツコツ」という音を立てることがあるのはこのためである。
ハードディスクドライブには2つの軸受が必要である。1つは円盤下部においてモーター内部の軸を支える軸受、もう1つはヘッドをシークするアームの台座となる部分である。 軸受の種類としてはモーターの回転軸の軸受部にボールを使用した玉軸受(ボールベアリング)と流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing;FDB)がある。流体動圧軸受はモーターの軸と軸受の間が潤滑油で満たされている。非回転時は軸と軸受が接しているが、回転時に動圧が発生し軸と軸受が非接触状態となる。そのため回転抵抗が非常に低く静音でモーターの寿命も延長できるため、最近は流体軸受の方が主流である。 潤滑油が漏れるのではないか?といった懸念が一部にあるようだが、オイルシール部は撥油膜(潤滑油をはじく)で被われており、大きな衝撃を加えない限りは潤滑油は飛散しない。
流体軸受は潤滑油の粘性により、擦動面に設けられた溝を流れる際に生じる圧力よって軸を軸受から浮上させる。従って、温度が下がって潤滑油の粘性が高く、かつ擦動面が接触している始動時、大きな起動トルクが必要となる。このため、流体軸受を採用したドライブの最大消費電力はボールベアリングを採用したドライブよりも高めになる。 モーターを構成する永久磁石は経年劣化により磁力が弱まり、場合によっては必要な起動トルクを発揮できなくなってしまうことがある。こうなってしまうと、ハードディスクドライブは電源を維持している限りは動作するが、一度電源を落とすと二度と起動しなくなってしまう。この現象は流体軸受を採用しているドライブに顕著だが、ボールベアリング式のドライブでも、ベアリングのレール面が劣化してやはり起動トルクが大きくなってしまった場合に見られる。 サーバなど長期運用する装置のメンテナンスを行う場合には、このような事態に備えて事前にバックアップを取ることが推奨される。
プラッタ上の記録密度は、1平方インチ辺り最大で垂直記録で378.8Gbit(2008年9月25日現在)、面内記録で120Gbitの物が製品化されている(2006年2月現在)。このような超高密度になったハードディスクドライブでは、ディスク回転時のプラッタとヘッドの距離は10nm~30nmであり、タバコの煙の粒子より狭いため、ハードディスクドライブ内部は半導体製造工場並みの無塵度が求められる。
ヘッドとプラッタは、記録密度を支配するハードディスクドライブの主役である。かつてヘッドは、磁気テープ用ヘッドと同様の構造をした、ごく小さな点にギャップを持つ磁気回路に巻き付けられたコイルであった。そして、コイルそのものをエッチングによって微小領域に構成した薄膜ヘッド、そして磁気抵抗効果を利用したMRヘッド、さらに、現在(2006年8月時点)巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッドから、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMRヘッドへと移行しつつある。さらなる技術開発により、クーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果が日立製作所より発表された。これは1平方インチ当たりの記録密度を現在の5倍、1Tbitに引き上げるものとされる。
プラッタは様々な表面処理技術によって進化している(その多くは半導体プロセス技術の進歩の恩恵を受けている)。その応用例の一つとして、IBMが発明したPixie Dust技術(反強磁性結合メディア、AFCメディア)がある。これはディスク表面の磁性体の上にルテニウム原子を3個コーティングして、さらに磁性体でコーティングしてサンドイッチにした物である。この技術は2001年、1平方インチあたりの記録密度を100Gbitに高める可能性を示し、同技術の改良版によって2002年100Gbitに達する製品を実際に発売した。その他に、2002年に富士通がディスク表面に微細な凸凹(テクスチャ)を施し磁性体の表面積を大きくし、記録密度を高める技術を発表した。東北大学の岩崎俊一博士(現東北工業大学学長)が1977年に発明した垂直磁化記録方式は、理論上では水平磁化記録方式よりも安定して高密度化できるが、いくつかの技術的困難があった。2005年に東芝が実用化し、今日の超高密度記録を実現している。さらに東芝では、この垂直磁化記録方式のプラッタに溝を加えることにより磁気の相互干渉を抑えてさらなる記録密度向上を狙ったディスクリートトラックレコーディング(DTR)技術が2007年に開発された。現在実用化に向けて研究されている。
ヘッドとプラッタのテクノロジは二人三脚であり、各メーカーが新技術開発へ向けて研鑽している。ムーアの法則には及ばないが、それでも指数関数的に記憶容量は大容量化し、アクセス速度はより高速になっている。
ハードディスクドライブの内蔵インターフェースとしては、現在大きく分けてATAとSATAとSCSIの3種類が用いられている。
外付けインタフェースとしては、古くから使われているSCSIの他にUSBやIEEE 1394で接続するのが一般的となってきているが、ハードディスクドライブ本体のインターフェースはATAやSCSIであり、ハードディスクドライブケースに内蔵された変換基板により相互変換されている。外付けインターフェースの一種として、ネットワークからTCP/IP接続出来る様にしたNASも徐々に普及してきているが、これもハードディスクドライブ本体にはATAまたはSCSIのものが使われる。
現在、コンシューマー市場の主流は、内蔵用ハードディスクドライブで、ATAインターフェースを採用した製品である。SCSIインターフェースは機能面は豊富であったがそれに伴い非常に高価であったのに対し、ATAは低コストで製造できたため急速に普及し、PC/AT互換機に標準搭載されることでデファクトスタンダードとしての地位が決定的となり、後には、PC/AT互換機で一般的に使われるチップセットにはATAコントローラーが含まれるようになった。そして、これらの効果により生産量が増えたATAハードディスクドライブが量産効果によって更に安価になっていった。これに対して、SCSIハードディスクは、ハードディスク単体の値段の差もさることながら、多くの場合SCSIインターフェースボードを購入する分高コストになったため、一般用としてはあまり利用されず、現在では各種サーバ用途での利用が主である。
しかし、ATAはもとより機能面での制約が厳しく、コマンド拡張技術のATAPIやアドレス拡張技術のLBAなどの拡張技術により何度も機能拡張を余儀なくされ、その度に互換性の問題や「容量の壁」と呼ばれる論理容量の限界が発生していた。また、ATAデバイスは多くのデータを並列して流せるが同期が必要不可欠なパラレル転送方式であり、速度向上を続けることでパラレル転送方式での転送速度向上が技術的に困難になっていた。
これらの問題を整理し、更なる拡張を行うため、2000年にシリアルATAが誕生している。
2008年現在は、パラレルATAからシリアルATAへの移行はほぼ終了し、パソコンショップの店頭に並ぶハードディスクドライブは、既にシリアルATAが大半を占めている。また、パラレルATAは規格上の制限から外付けには使えなかったが、シリアルATAを外付けドライブとして用いるための拡張規格として、eSATAが規格化され製品化されている。現在ではパラレルATAのサポートを打ち切りシリアルATAのみをサポートしたチップセットが登場するなど、シリアルATAへの移行は急速に進んでいる。しかし、ハードディスクに比べ光学ドライブ(CD、DVDドライブ)のシリアルATAへの移行が緩やかであるため、互換性の維持のためにパラレルATAを外部チップによりサポートするなど、しばらくは並行使用が続くと思われる。
現在、SCSIハードディスクドライブが使用されるのは、エンタープライズ用途(サーバや各種ストレージシステム)以外には自作PCユーザ層や自宅サーバなど、わずかにとどまり、個人向けの市場では非常に少なくなったインタフェースではあるが、その時々の最新規格では常にATA系の規格を凌駕する高性能規格である。特に高信頼性を必要とする企業向けサーバや、ストレージシステムに用いられるハードディスクドライブの主力インターフェースとして広く採用されてきた。SCSIハードディスクドライブは高回転化(現行品は10,000rpmと15,000rpm)が進み、ランダムアクセス性能に秀でているが、高回転化ゆえにプラッタ径が小さくなり容量増大は緩やかである。なお、インターフェースの信頼性が高く、SCSIハードディスクドライブも高性能ではあるが、高信頼性の面ではgoogleやUSENIX等で否定的な見解も示されている。
一時期U1280まで計画されたパラレルSCSIは、U320を最後に打ち切られ、最新規格はATAとほぼ同時期にシリアル化されたSerial Attached SCSI(SAS)である。この規格では、SASのH/A(ホスト・バス・アダプタ:SCSIのコントロールカードは伝統的にこう呼ばれる)にSerial SCSIとSerial ATAの両方を接続可能としている。また、光ファイバーケーブルを使ったファイバーチャネル (FC) もSCSIに属する規格であり、最近では様々なストレージエリアネットワーク(SAN)に利用されている。マルチメディア系のインターフェースとして一般に普及したIEEE 1394も、SCSI規格がベースとなっていることから、広義のSCSI規格に属する。
ヘッドにケーブル、もしくはフィルム基板の形で直結されているピックアップアンプからインターフェースまでの間に、コントローラ基板を搭載している(メインフレームの時代には別体であった時代もあった)。一般的にこの基板は、それ自体が独立したマイコンで、モーターやヘッドのサーボ制御・位置決め・トラック位置に応じた書き込み電圧の制御・読み書きする際の変調・インターフェースとのデータの入出力・キャッシュメモリの制御等を行う。1990年頃から更にタグ付キューイングと遅延書き込みを担当し、OSの負荷を軽減した。1990年半ばからIDEハードディスクドライブでは、DMA転送モードに対応し始めた。しかしUltra DMAの登場まで活用されなかった。
高機能なコントローラ(主にSCSIで)は、ハードディスクドライブ間の通信をサポートしている。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる(ホストCPUのメモリにはアクセスしない。言い換えればその操作中CPUは別の仕事ができる)。また、他のハードディスクドライブのサーボ情報と連携を取り、複数のハードディスクドライブのスピンドルモーターの回転を同調することができる(スピンロック)。これはRAIDにおいてアクセス速度を向上させるのに役立ったが、近年のデータ読み書き速度の向上と、大容量のキャッシュメモリを備えること、バスマスター転送による非同期I/Oの普及により、この機能は廃れている。この機能の廃止に伴いハードディスクドライブ同士の共振による振動がアクセス速度や信頼性に影響を与えることになったが、ハードディスクドライブメーカーは振動を検知して共振を打ち消すようにモーターを制御する技術をスピンロックに代わり提供するようになった。
かつて、SASIインターフェースを備えたSASIハードディスクドライブが主流であった頃、コントローラは2種類のインターフェースを持っていた。一つはホストCPUとつながるためのSASIインターフェース、もう一つはスレーブコントローラ(ST-506仕様)を接続するための拡張インターフェースである。しかしベアドライブを除くスレーブとなる製品が市場にほとんど出回らなかったことから、SASIハードディスクドライブはホストCPUに一台しか繋がらなかった。SASIハードディスクドライブは時代の変遷と共にその座をSCSIハードディスクドライブに譲った。時代的誤認が散見され、SASIの後継がIDEと認識されている場合があるが、SASIはSCSIの直接の先祖であり、電気的特性も近く、ソフトウエアで工夫することでSASIインターフェースをSCSIインターフェースとして動作させられるほど、この2者の関係は深い。
特殊なコントローラとして、ESDIインターフェースとSCSI,SASI,IDEインターフェースを仲介する外付けコントローラが存在した。このコントローラは旧時代のESDIハードディスクドライブ・インターフェースと、近代的なハードディスクドライブ・インターフェースの橋渡し役として機能した(初期のSASI,SCSI,IDEハードディスクドライブはこのコントローラを内蔵していた)。SCSI/SASI/IDE→ESDIに変換するタイプのコントローラの中身は、現代のハードディスクドライブのコントローラそのものに近い。ESDIはそのベースとなったST-506を改良したインターフェースIDEが作られ、その座をIDEハードディスクドライブに譲った。
初期の大型ハードディスクドライブはモノコック構造を採用する物もあったが、すぐさまダイキャストによる、フレーム/筐体一体構造が採用されている。NC工作機によって芯出し、面出し加工が行われており、フレームはハードディスクを構成する部品すべてをたった1個の鋳造加工品のみで保持している。フレームは開口部をいくつか持っており、代表的な開口部は上部パネルを取り付ける、機械構造部品すべてを取り付ける蓋部分、スピンドルモーターを装着し電源コネクタを露出させるスピンドル部、ヘッドアンプからの信号を背面のコントロール基盤に伝える為のコネクタ穴の三つである。製品によっては開口部が少なかったり(ヘッドアンプを蓋部分からフィルム基板で迂回したりして、蓋以外の開口部がないものもある)、逆に沢山の穴があいている物もある(かつてウエスタンデジタルの製品はシールで蓋をしたプラッタ面へのアクセス窓があった)。フレーム内部は非常に複雑な形状をしており、流体力学的に空気の流れをコントロールするよう様々な凹凸がもうけられている。またダストトラップと呼ばれる部品に空気を誘導する構造があり、密閉後内部で発塵したゴミをトラップで永久に固定する様になっている。
歴史的経緯からフレームのネジ止め穴は複数用意されており、そのすべてにネジを差し込む必要はない。一般に3.5"ドライブのネジ穴は12個、それより小さいドライブは8個から4個である。フレームの固定は応力が発生しないよう、ネジを仮止めした後対角線をなぞる順番で徐々に締めるとよい。
ハードディスクドライブは1台で大容量を利用出来るため、利用方法に合わせて内部を区画(パーティション)に分割出来る。個々の区画を別々のOSで利用することも出来る。
かつて、ハードディスクドライブはフォーマットして使用するデバイスであった。このフォーマットは、物理フォーマットと論理フォーマットにわけられ、前者はサーボ情報からセクタ情報まで全てを再構築するものであり、後者は前述のパーティションを作成する際に不良セクタ情報を集めて、それらを予備領域で代替し、ファイルシステムを構築するものである。
現在のハードディスクドライブは物理フォーマットを行う為の条件が厳しく、温度・湿度・振動・電源・またその他いくつかの条件を厳密に管理しないと設計された容量でフォーマットする事は難しい(外乱を受けると、その瞬間に扱っていたセクタは使用不能になる)。この為、ハードディスクドライブは物理フォーマットコマンドを廃止したり無視する傾向にある。
かつてハードディスクドライブは欠陥セクタリストがアクセス可能であり、このリストによって欠陥セクタを取り除いた領域がユーザー領域となっていた。このリストの長短がハードディスクドライブのクオリティであり、また使用中にこのリストがどれだけ増えるかが、管理者の頭痛の種であった。このリストの為に用意された領域が溢れた時は、不良セクタが代替不能になり、アクセスするとエラーが発生する。論理フォーマットによってスーパービットマップ等で蓋をしないとアプリケーションの動作不良といった不具合の原因になる。
現在のハードディスクは欠陥セクタリストが見かけ上0である「ディフェクトフリー」ハードディスクドライブである。もちろん物理的にそのようなハードディスクドライブを製造する事は不可能である。実際には、ユーザーがアクセス不可能な領域に冗長領域を持ち、物理フォーマットの時点で問題のあるシリンダやセクタをスキップしてある。セクタにサーボ情報が埋め込まれているので、不良シリンダやセクタはシーク時点で自動的にスキップする。またデータ記録にはリード・ソロモン符号等を使う事でエラー訂正し、ビットレベルの点欠陥は事実上無視できる。記録密度向上によってS/N比は低下する一方なのでエラー訂正技術は現代のハードディスクドライブにとって不可欠な技術となっている。
2008年現在のコンピュータで利用されているものは、ほとんどが3.5インチや2.5インチサイズのプラッタである。小さなものでは、コンパクトフラッシュサイズのマイクロドライブ、iVDR (Information Versatile Disk for Removable usage) 等もある。小さいサイズのHDDは、2006年以降、急速に大容量・低価格化するフラッシュメモリと競合しており、小さい順に市場が縮小しつつある。
現状ではほとんど意識する必要もないが、少し前までは厚さによる差異も存在した。
なお、東芝製1.8インチHDDは特殊形状で、厚さが8mm(型番末尾GAH)と5mm(同GAL)のものがある。
ハードディスクドライブはコンピュータの筐体に内蔵されるのみでなく、外部補助記憶装置としても利用されている。外付けハードディスクドライブはハードディスクドライブ本体を更に金属や樹脂の筐体に入れ、変換回路により端子を変換し、ケーブルによってコンピュータに接続出来る様にした物である。中には内蔵ハードディスクドライブを外付けハードディスクドライブとして利用出来るようにするハードディスクケースという専用のケースもある。これは低価格だが取り付けの手間がかかる内蔵ハードディスクドライブの利点と、手軽に使用出来るが高価な外付けハードディスクドライブの両方の利点を生かし、ハードディスクドライブを低価格で入手し、手軽に扱えるようになるものである。
接続にはSCSI、USB、IEEE 1394、ファイバーチャネル、eSATA、イーサネット等が用いられるが、ATA/ATAPI規格はケーブル長が46cm以内と制限されるため一般的には用いられない。これはATA/ATAPI規格はコンピュータ内部での補助記憶装置の接続に特化して開発されており、コンピュータ筐体外部まで配線を曳き回すことへのノイズ対策が講じられていないことによるものである。
MacintoshはFireWireまたはSCSIで、他のMacintoshと接続することで、外付けハードディスクドライブとして利用できる(接続先から起動も可能)。その他にも、コンピュータと直接接続することによって、外付けハードディスクドライブと同様に使用できるハードディスクドライブを搭載したデジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)やモバイルコンピュータ等もある。
ハードディスクドライブの論理的な記録構造を応用したものにRAIDという仕組みが存在する。これはハードディスクドライブの記憶領域を直列、または並列、もしくはその両方、といった形式に論理的な接続(ハードディスクドライブのインターフェイスとの接続は物理的である)を行い、体感上の速度を上げたり、同じデータが2つのハードディスクドライブに記録されるようにし、バックアップを常時取れるように改良する仕組みである。通常、こういった仕掛けは外付けタイプのハードディスクドライブで行われ、そのような装置を一般にRAIDアレイと呼ぶ。RAIDアレイは一般的なハードディスクドライブとは呼べず、大きさもさることながら価格も高価であることから、企業等のような団体や組織で使用される事例がほとんどである。
ディスクを取り外し可能なハードディスクのこと。あるいはハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納して可搬性を向上したもの。 かつてリムーバブルハードディスクは前者のみが存在した。
リムーバブルメディアにはフロッピー系(フロッピーディスク、Bernoulliディスク、Zip等)、テープ系(DDS、LTO等)、光磁気ディスク系(MO、MD等)、ハードディスク系等、様々な技術を用いた数多くの製品が今までに発売されて来たが、その内のハードディスク系のものの総称として、一般的にリムーバブルハードディスクと呼ぶ。ハードディスクドライブのディスク部のみをカートリッジに入れ、ヘッドや駆動部からなるドライブ本体から構成されており、フロッピーディスクやMOのように使うことが出来る。
他のリムーバブルメディアと比較してハードディスク系は、大容量(フロッピー系、光磁気ディスクよりも)、読み書き速度が高速(フロッピー系、テープドライブ系、光磁気ディスクよりも)、低価格(米国においては光磁気ディスクよりも)という点で優れており、さらにハードディスクドライブの技術がそのまま転用出来るため、新技術の導入も早かった。
1990年代前半までは、米国では広く使われていたリムーバブルメディア(日本ではMOが普及していたため、あまり使われなかったようである)であったが、構造上、埃や衝撃に弱いという欠点があり、また、以前は大容量の物を作るのが難しかったフロッピー系メディアでも、Zipやスーパーディスクのような大容量で低価格な製品が登場したことにより、メディアの価格面で対抗出来ず、現在では存在が薄れている。
5インチ、3.5インチのディスクで、様々な容量の製品が発売されていて、代表的なものにSyQuestのSQ327, EZ135, EzFlyer, SparQ、SyJetや、アイオメガのJaz、Peerless、CASTLEWOOD社のORB等があった。一時はSyQuestやNomai社を中心に、PDC(Power Disk Cartridge)というメディアの統一規格策定の動きもあったが、普及する前にリムーバブルハードディスク自体の人気が下火になり、消失した。現在ではアイオメガから2.5インチというMDほどの大きさのREVが、アイオーデータや日立マクセルからiVDR(日立マクセルではiVという商品名を付けている)などが発売されている。
現在では前述の通り2種類あり、ディスクのみをカートリッジに格納したものは基本的に駆動部がないなど、耐久性に優れるが大容量化にはドライブの買い替えが必要である。ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したものは駆動部などが組み込まれているため耐衝撃性は前者に比べて低い。一方で読み書き部がカートリッジに収められているので、大容量化する際は大容量のカートリッジを購入するだけで済むため気軽に使い続けられる。
一方で、内蔵ハードディスクドライブを専用のトレイやカートリッジに固定し、そのトレイをリムーバブルハードディスクドライブケース(リムーバブルケースと略される場合が多い。名称が長いため本項でも略語を用いる)と呼ばれる筐体に格納することで疑似的なリムーバブルハードディスクにしてしまう製品がある。これは前述のハードディスクドライブケースと内蔵ハードディスクドライブを用いた疑似外付けハードディスクドライブの利点に加え、取り外しが可能である点を活かして可搬性の向上と、ハードディスクドライブの入れ替えを容易にし、なおかつ省スペース、ケーブル類が少しで済む(単なる外付けドライブの増設ではインターフェースケーブルや電源コードだらけになる)という特徴をもつ。
前述のカートリッジタイプでは、ドライブの生産中止等によりメディアが使えなくなる場合があった。また、互換性のある上位機種が少ないため、メディア容量を増やしたい時は、ドライブとメディア全て他のものに買い換えねばならない場合が多かった。それに対してリムーバブルケースでは、ケースが手に入らなくなっても、他社の製品に中身のディスクドライブを入れ替えれば続けて使える。また逆に手持ちのケースの中身のディスクドライブを変えるだけで、容量の増加が簡単に行えるという長所がある。
1998年~2000年以前では、リムーバブルハードディスクというと、ディスクのみという構造を持ったリムーバブルメディアのもののみを指していた。しかし、それらの製品群は、1998年~2000年ごろには他メディアに押されて販売中止となる製品が続出し、陰の薄いものとなった。それに対し、このころに登場したこのリムーバブルケースは登場と同時に爆発的に普及し、一般に広く知られるようになった。そのため、現在ではこのリムーバブルケースを指すことが多くなった。
2007年現在、1Uサイズからブレードサーバまで、SAS 2.5"ハードディスクドライブ用のリムーバブルハードディスクドライブケースを標準装備したサーバ機器が多数発売されている。SASではホットスワップ動作が規定されているので、稼動中の装置から容易にハードディスクドライブを取り出して交換する事ができる。
一部の製品は、ソフト的にパラレルATA接続でのホットスワップが可能な物があった。ただし動作の安定性・確実性には難があり、さほど一般化することはなかった。
SCSIではSCAコネクタを採用した物で、ハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使うシャーシがある(これは薄型RAIDでよく使われた)。汎用リムーバブルケースに比べて、カートリッジ化するための部品装着の手間が不要になる、ハードディスクドライブがシャーシに接触するので放熱効率が良い、実装密度を高くすることが出来るなどのメリットがある。デメリットとしてSCAコネクタを搭載したハードディスクドライブ自体が製造数の関係で安価ではない、大容量ドライブの入手性に難があるなどがあげられる。
2.5インチハードディスクドライブはパラレルATAでも、40ピンATAのピンピッチを狭くしただけでなく、電源の4ピン分を含めた44ピンATAに、マスター/スレーブ設定ピンなどを含む50ピンATAとしてコネクタ位置が統一されている。コネクタの抜き差しも弱い力で済んだことから、ノートパソコンではハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使う筐体も有った。安いベアドライブを簡単に入替えられ評判が良かったが、ノートパソコンの場合、ドライブを抜き差しする開口部を作ることすら厳しいこと、ドライブの高さが8mm/9mm/12mmと異なる高さの製品があったことから、実例は多くは無い(日立 FLORA、