ホストコンピュータ とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋メインフレーム (mainframe) は、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指す用語である。汎用コンピュータ、汎用機、汎用大型コンピュータ、大型汎用コンピュータ、ホストコンピュータ などとも呼ばれる。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
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「メインフレーム」は、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指す用語であり、該当する各コンピュータやそのシリーズ、更にはアーキテクチャ群の総称である。
「汎用コンピュータ」「汎用機」「汎用大型コンピュータ」「大型汎用コンピュータ」「ホストコンピュータ」と呼ばれる事も多い(→ 詳細は呼称を参照)。
メインフレームは1951年のUNIVAC I(初の商用コンピュータ)が最初とされ、企業など大規模組織の基幹業務での使用に耐えるように、次第に以下の特徴を持った。
1964年のIBM System/360は、商用コンピュータとしては従来の常識に反して以下の特徴を持ち、大ヒットとなった。
System/360は初めての汎用コンピュータであり、以後のメインフレームの主流ともなった(初めてのメインフレームと呼ばれる事も多い)ため、「メインフレーム」と「汎用コンピュータ」は、ほぼ同じ意味で使われる事になる。
ただし正確には、10進数演算と浮動小数点数演算の搭載(商用初の汎用機)や、ファームウェアによる互換性の確保(商用初の仮想機械)は、1958年のIBM 709が先である。
メインフレームのアーキテクチャは各メーカーにより異なり、中には操作性がUNIXに近いものも存在し、正確な定義は難しい。しかし各メーカーとユーザーの、長年の技術と経験を蓄積しており、より小型と言えるミニコンピュータ・オフィスコンピュータや、主に汎用部品で構成されるオープンシステム(UNIX、Linux、Windows)や、特定用途のスーパーコンピュータ・組み込みコンピュータなどとは区別される。
オペレーティングシステム (OS)、マルチタスク、仮想記憶、仮想機械、キャッシュメモリ、分岐予測、ハードディスク、フロッピーディスク、データベース、オンラインシステムなどの技術はメインフレームから生まれた。
1980年代には各社メインフレームの全盛期を迎えるが、1990年代にはWindowsやUNIXなどのオープンシステムの台頭によるダウンサイジングの波により「レガシー(過去の負の遺産)」「滅びゆく恐竜」とも呼ばれた。しかし長年の設計・運用を含めた信頼性と、2000年代のインターネットに代表されるサーバ集中の潮流もあり、現在でも基幹業務用に使用され、またオープンシステムとは競争しながらも組み合わせされているのが現状と言える。
なおメインフレームが「レガシー」「クローズド」とされる背景には、日本では国産メーカー各社がメインフレーム(特に専用OS)の新規機能拡張を控えている事実もある。現在のメインフレームは、各種のオープン標準(TCP/IP、RDBMS、WWW、Java、SOA、UNIX、Linuxなど)も取り入れている。
現在もメインフレームを製造・販売しているメーカーは、IBM、富士通、日立製作所、日本電気、Bull、ユニシスである(→ 種類の章を参照)。
メインフレームは上述のようにメーカーおよび歴史的経緯により、複数のアーキテクチャがあり、更に現在はWindowsやLinuxを同時稼動できるものも多く、どこまでを「メインフレーム」または「汎用機」と呼ぶかは立場・目的によって異なるので注意が必要である。
メインフレーム、汎用コンピュータ、大型コンピュータ、ホストなど、多数の呼称があり、同一メーカーでも時期や観点により用語や範囲が変わる事もある。これは複数の種類(アーキテクチャ)のコンピュータを、世代・用途・規模などで分類した総称のためと考えられる。
メインフレーム(Mainframe、M/F)の名前の由来は諸説あるが、周辺機器や端末などを含めたシステム全体の中核をなすことが多いためと言われる。当初は単に「コンピュータ」と呼ばれていたが、PDP-8などに始まるミニコンピュータや、更にはUNIXサーバやパーソナルコンピュータなどと区別する場合に使用されている。対比語は分散システム(Distributed System)といえる。なおメインフレームを製造・販売しているメーカーをメインフレーマーとも呼ぶ。
汎用コンピュータ(汎用機、general/all purpose computer/machine)は、System/360登場以前の専用コンピュータ(専用機)と対比させた用語である。厳密には、メインフレームであっても商用計算と科学技術計算を兼ねないものは汎用コンピュータとは呼べない。現在では一般のUNIXサーバやパーソナルコンピュータも用途は汎用だが、通常は含めない。このためか「大型汎用」「汎用大型」などの表現も多い。なお、ネット上などで汎用機を揶揄または自嘲して凡用機(凡庸機)(ぼんようき)と呼ぶ場合もある。
大型コンピュータ(Large computer)は、筐体の大きさ、金額、構築されるシステム規模などによる分類で、ミニコンピュータやオフィスコンピュータなどの中型(ミッドレンジ、Midrange)や、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどの小型(Small)と対比させた用語である。スーパーコンピュータや超並列サーバなど、実際にはより大型なコンピュータもあるが、含めない場合が多い。
ホストコンピュータ(ホスト、Host computer)は、本来は端末(ターミナル)との対比語で、現在は分散システムとの対比語と言える。公式な資料で使われる事は少ないが、日本の現場では広く使われており、メインフレーム系の技術や技術者を「ホスト系」、分散システムの技術や技術者を「オープン系」と呼ぶ場合も多い。ただし海外では必ずしも通用しない。
なお1990年代のダウンサイジング全盛時代より、以下の用語も使われている。
使用状況では、日本では長年、マスコミ・通商産業省(現・経済産業省)やJISの文献などでも「汎用コンピュータ(汎用機)」が多かったが、現在は「メインフレーム」が増加傾向にある。
メーカーでは、現在は主に以下を使用している。
1950年に世界最初の商用コンピュータUNIVAC Iが登場した。
いくつものメーカーが1950年代から1970年代にかけて大型コンピュータ(メインフレーム)を製造していた。その「栄光の日々」には、彼らを「IBMと7人の小人たち」と呼んだ。その7人とは、バロース、CDC、GE、ハネウェル、NCR、RCA、UNIVACである。
IBMはコンピュータでは後発だったが、1964年に「System/360」シリーズを発売して大成功を収めた。System/360は当時の常識を覆してアーキテクチャ(CPU命令セット、I/Oチャネル制御言語など)を公開してシリーズ化したが(オープン路線)、その結果としてIBM互換の周辺機器メーカー、更には本体の互換メーカー(RCA、日立製作所など)の台頭も招いた。
System/360の基本アーキテクチャはその後も維持/成長し、現在のSystem zシリーズに受け継がれている。実際、24ビットのSystem/360のコード(実行モジュール)をそのまま動作させることが出来る(バイナリ互換)が、System zは昔のシステムと物理的には全く共通点は無い。これは、アセンブリ言語や機械語を含むアプリケーションとの境界を、アーキテクチャとして定義し、ファームウェア機能も使用して上位互換を続けた結果といえる(仮想化)。
IBMの競合会社は次々とコンピュータ事業の撤退・縮小に追い込まれたため、IBMは司法省と独占禁止法訴訟を続ける事になる。IBMは当初「顧客に製品ではなくソリューション(サービス)を提供する」ためにレンタルのみでの提供を行っていたが、独占禁止法の訴訟を緩和するため、OS(MVSなど)の有料化、更にはリース・買取政策を進めていく。
またSystem/360後継のSystem/370、更には 1981年のSystem/370-XA(eXtended Architecture)では、主要機能を著作権で保護したため、IBMへの独占批判は強まった。
「7人の小人」からGEとRCAが脱落すると、"The BUNCH"(束)と呼ばれるようになった(Burroughs、UNIVAC、NCR、CDC、Honeywell)。また、System/360を開発したアムダールは、IBMを退職して富士通の援助も受け、IBM互換機(System/370 プラグコンパチブル)を開発するようになる(IBMのオペレーティングシステムを動かすため、ハードウェア互換と呼ばれる)。
米国以外で特筆すべき製造業者としては、ドイツのシーメンスとテレフンケン、イギリスのICL(現: Fujitsu Services Holdings PLC)、ソビエト連邦などのIBM互換機がある。
競争の激化に伴って1980年代初頭から市場の再編成が始まった。RCAはUNIVACに売却され、GEは撤退、ハネウェルはフランスのBullに売却された。1986年、UNIVACはバロースと合併してUnisys Corporationとなった。1991年、AT&TはNCRを実質的に所有することとなった。
1981年にはレーガン政権のもと、米国司法省がIBM独禁法裁判を断念し起訴を取り下げた。
日本は、通商産業省(当時)を中心に外資の規制と多額の補助金により国産メインフレームの誘導をおこなっていたため、最後までIBMがメインフレームを独占できなかった国である。このため、日本以外ではメインフレームはIBM(および UNISYS、Bull)しか存在しないといっても過言ではない。
日本では1973年に米国からの圧力などでコンピュータの輸入自由化が決定された。通商産業省は、当時の国内コンピュータメーカーの体力ではIBMをはじめとする海外メーカーに日本市場を席巻され打撃を受けるとして、当時6社あったコンピュータ業界の再編に乗り出した。
富士通と日立製作所、東芝と日本電気、三菱電機と沖電気工業の3グループにまとめ、技術研究組合を作らせて5年間にわたって補助金を支給し、各社に「IBM対抗機」の開発に当たらせた。富士通と日立製作所はIBMのSystem/370系の互換機を担当し、2000年までMVS系OSの動作を保証していた。東芝と日本電気は、GEおよびハネウェルと提携し、GCOS系のOSを採用した。
1981年にIBMが発表した3081-K (System/370-XA) の技術情報をめぐり、1982年にIBM産業スパイ事件が発生し、日立製作所と三菱電機の社員が逮捕され、更に富士通も交渉の当事者となる。後に当訴訟は和解となった。
その後、日立製作所はIBMとの提携路線に転じてIBM互換路線を継続、三菱電機は一時IBMよりOEM供給を受けたが後に撤退、富士通はIBM互換路線を徐々に弱め、また沖電気工業と東芝は撤退した。
1990年代になると、WindowsやUNIXなどのオープンシステムの価格性能比が向上し、クライアントサーバモデル (C/S) というシステム構成や、グラフィカルユーザインタフェース (GUI) に代表されるユーザインタフェース、NetBIOSやTCP/IPなどの通信プロトコルの普及と相まって、ダウンサイジングが世界的に発生する。
メインフレームは「レガシー(過去の負の遺産)」「滅び行く恐竜」と称され、IBMなどの殿様商売的な経営手法(顧客実情を無視した箱売り、市場に会わない契約書など)もあり、各社メインフレームの収益は急速に悪化した。
この時期に各社は以下の対応を行った(→ オープン対応も参照)。
2007年現在、メインフレームは多数の大規模な企業・組織で使われ続けているが、理由としては以下が考えられる。
ただし、「メインフレームの復権」を潮流と見るか一時的現象と見るかは、立場により多数の見解があるが、以下のメインフレーム関連の指標の解釈も絡んでいると考えられる。
このためIBMでは最近は出荷MIPS数比での発表が多い。
メインフレームは長い歴史と複数のアーキテクチャを持ち、また専用のハードウェアと専用のソフトウェアが一体として設計・拡張されているため単純な特徴の説明は難しいが、主にIBM系(IBM、富士通、日立製作所)を中心に説明する。
独自仕様のCISC CPUを複数(最大64個など)搭載するものが多い。
従来は上位機種は高速・高価・高発熱のバイポーラを使用した水冷方式が主流だったが、1990年代にIBM、富士通、日立製作所、日本電気はCMOSを使用した空冷方式に移行して低価格・小型化に成功し、処理性能はクラスタリングで補う方向に転換した。
IBM系では、System/360は24ビット、System/370-XA 以後は32ビット(論理31ビット。1ビットは互換性のために使用)だが、z/Architecture 以後は64ビットである。
メインフレーム用CPUの64ビット化の必要性は議論がある。消極論は、メインフレームには新規業務の需要は無いと考え、既存顧客用に性能向上は続けるが新規機能は最低限とし、新規業務は(別筐体または同一筐体内の別CPUで同時稼動させる)オープンシステムと連携するというもの(富士通、日本電気など)。積極論は、メインフレーム独自OSでも新規業務や他プラットフォームからのソフトウェア移植、更にはLinuxなど他OSの移植も進めるというもの(IBMなど)である。
GE・ハネウェル系である日本電気のACOS-6系はワードマシンであり、独自CPUである。しかし日本電気のACOS-4やBullのGCOS 8は、バイトマシンであり、仮想化技術を使用してItanium 2に移行した。またACOS-2はXeonに移行した。
ユニシスは独自のCMOS ASICおよびXeonを搭載できる。
各社に共通して、メインフレームではCPU性能は全体性能に比例するとは限らない。汎用CPUをほぼそのまま使用するx86サーバや各社UNIXサーバと異なり、チャネルなどの専用プロセッサを多数搭載し、ファームウェアが性能に大きな比重を占める(使用頻度の高い命令群のファームウェア化、使用頻度の低下したファームウェア機能の削除など)ためである。
IBM System zでは、チャネル以外の専用プロセッサには、Linux専用プロセッサー(IFL: Integrated Facility for Linux)、Java専用プロセッサー (zAAP:System z Application Assist Processor)、DB 専用プロセッサー (zIIP: System z Integrated Information Processor) などがある。
チャネルと呼ばれるI/O専用プロセッサを多数(モデルにより最大1024個など)搭載できる。チャネルはI/Oに伴うCPUの負荷を軽減する。オープン系で一般的なインテリジェントな外部バスと異なり、接続経路が高負荷(ビジー)な場合には別経路を選択して使用する、I/Oの飛び越し(優先度の高いI/O要求が来た場合、既に実行中の他のI/Oに優先して結果を返す)などができる。
一般に「メインフレームのCPUは高速と思えないのに、高負荷時にも安定稼動して一定の応答時間も得られる」、「オープン系のCPUは高速なのに、負荷がある時点に達すると急速にスループットが低下する」などはI/Oの基本設計の違いによる場合が多い。
周辺機器との物理接続は、昔は同軸が主流だったが、現在はファイバー(FICON、ファイバーチャネル、FIBARCなど)が主流である。
メインフレームでは複数のOSが同一の磁気ディスク装置を共有(シェアー)する事は一般的であり、整合性を保つためのキャッシュやロックなどの排他制御は、OSおよびDBMSレベルで実現している(IBM IRLM、後の並列シスプレックスなど)。
更にミドルウェアのクラスタリング機能(IBM XRFなど)を組み合わせた場合は、障害発生時にディスクやプロセスの引継ぎをする事なく、待機系(アクティブスタンバイ)が瞬時に処理を引き継ぎ、ユーザーには瞬間的な業務停止も見せない、更には障害機で処理中であったトランザクションも、TPモニタのログから可能な限り復元し引き継ぐ事ができる。
これらの機能は1980年代には一般的で、多数の金融機関などで採用されている。
メインフレームでは各社の複数の独自OSに加え、一部はオープン系のOSも同時稼働できる。
IBM系(IBM、富士通、日立製作所)の主流OSは、歴史的にはバッチ処理主体で始まり、複数アドレス空間、I/O割込ベースのマルチタスク、ジョブ制御言語によるプログラマーとオペレータの分離などを持つ。更にオンライン・リアルタイム処理のためのタイムシェアリング、トランザクション処理を構築した。各社OSとも大規模用と中小規模用の流れがあり、コマンドやジョブ制御言語の構文などが異なる。「メインフレームのOS」と言うとこれらを指す場合が多い。
IBM系では以上の主流OSの他、仮想化用、特殊用途用、UNIXやLinuxなどのオープン系OSもある。
日本電気のACOSとBullのGCOSは、歴史的にMulticsの流れを汲み、最初からオンライン(タイムシェアリング)とバッチ処理を行い、UNIXのような階層化ファイルシステムを持つ。
なおオープン系OSの稼働方法には以下があり、サーバ統合のレベルや、サポートされるアプリケーションに相違がある。
IBM系(IBM、富士通、日立製作所)では、以下の組み合わせでOSを同時稼動させる事ができる。
IBMの場合は、いずれの場合でも専用OS(z/OS、z/VSE、z/TPF)およびLinux for System z が同時稼動できる。(Linux だけを多数稼動させても良い)。
ユニシス(ClearPath Plus Server シリーズ)では、最大8パーティションに分割できる(IBM系の物理分割に相当すると思われる)。
1990年代に各社ともイーサネット、TCP/IP、各種の連携機能などは対応しているが、オープン系のOS(UNIX、Linux、Windows)そのものを稼動させる方法は、各社で相違がある。大別して外資系(IBM、Bull、ユニシス)は積極的で、国産各社は消極的と言える。
IBMはOS/390以後は専用OSでもUNIX互換環境(USS)を標準とし、更にLinuxはネイティブ(専用OSを全く使用しない)でも稼動できる。
富士通は上位シリーズのGS21ではオープン系のOSは稼動しないが、下位シリーズのPRIMEFORCEは同一筐体にIA/UNIXサーバ(Solaris、Windows Server等)を搭載できる。
日立製作所は一時Linux for MP Seriesを出したが現在出荷はされておらず、現状ほとんどの環境で上位シリーズ(VOS3系)では下位シリーズ(VOS1、VOSK系)ともに、オープン系のOSは稼動しない。
日本電気は各シリーズ(ACOS-6、ACOS-4、ACOS-2系)ともオープン系のOSは稼動しないが、仮想化技術を使用してACOS-4はItanium2に、ACOS-2はXeonに移行した。
Bullは NovaScale 9000 (Itanium2)で、独自OS(GCOS 8)の他、Linux、Windows Serverも稼動できる。
ユニシスは ClearPath Plus Server(独自CPUおよびXeon)で、独自OS(OS2200またはMCP)と、Linux、Windows Serverも稼動できる。
なお、同一筐体であってもオープン系OSをネイティブで稼動する場合は、メインフレームの利点はハードウェア面の信頼性や仮想化などになり、ソフトウェア面(専用OS)の利点・特徴は無くなる。
メインフレーム(ハードウェアおよび専用OS)のセキュリティは、最初から企業などの大規模組織での使用を考慮した、基本設計によるものが大きい。
オープン系では通常、ネットワーク経由で進入後、脆弱性を攻撃しスーパーユーザーに昇格さえできれば、そのコンピュータは完全に支配下に置ける。メインフレームの場合は、仮に同様の攻撃に成功しても、1アドレス空間しか支配できず、他のアドレス空間や他のデータセットへの読み書きもできず、システム全体の管理ユーザーにもなれない。
なお、過去には以下も要因であったが、メインフレーム固有とは言えない。
また「メインフレームのセキュリティが高いのは、数が少なく標的とした攻撃やウィルスが少ないため」という説明が広くされているが、メインフレームには世界中の銀行・政府・軍事情報が格納されていることを考えると妥当ではない。
ただし、上記は全て専用OSの場合であり、UNIXやLinuxをネイティブで稼働した場合は、OSレベルのセキュリティは、そのOSのレベルとなる。
上述とも重複するが、一般的な特徴と傾向は、以下が挙げられる。
現在の主な用途としては、以下が挙げられる。
メインフレーム(正確にはメインフレーム用の専用OS)とオープン系(Windows、UNIX、Linuxなど)、あるいはメインフレーム同士(別ベンダー)の間のデータ交換は、考慮点が多い。
メインフレーム(正確にはメインフレーム用の専用OS)で稼動しているシステム(業務、プログラム、運用)をオープン系(Windows、UNIX、Linux等)に移行する場合は、特に以下に考慮する必要がある。単純にコンバージョンできるシステムもあるが、多少とも複雑なのものは、システム構築(設計)時の背景にある、「文化の違い」を把握し、ユーザーに十分説明し、場合によっては割り切りや、マイグレーション断念(メインフレーム継続使用の方が望ましい)などの場合もある。
ただし、以下の考慮点はあくまで商用における一般的な傾向であり、個々のシステムでは限らない。
メインフレーム上で使われているプログラミング言語は以下のとおりである(統計年度不明)。
Javaは急速に増加しつつあるが、大規模処理における高速性を一部犠牲にせざるを得ない面がある(但し、Java仮想機械の性能向上には各社ともOSぐるみで力を入れている)。C言語やC++もメインフレームには余り向いているとは言えないが、取り入れざるを得ないというのが実情であろう。
メインフレーム向けCOBOLは最近ではXMLの構文解析などWeb用機能の向上に注力している(オブジェクト指向COBOLの国際規格も定められている)。特に、メインフレームの大規模(バッチ)処理とCOBOLの親和性は高いので、COBOLは今でも中核言語であり、今後も外すことはできないと考えられる。「COBOLのような時代遅れの言語を使っているから処理効率が悪い」といった一部のマスコミや政治家などの論調は現状をわきまえていないものと言ってよい。
数値計算、科学技術及び工学分野などではFortranも健在である。ただ、もともとビジネス分野と比べてメインフレームでの業務規模が小さいので目立たないだけである。Fortranはいわゆるスーパーコンピュータでは一種の“標準語”である。
PL/Iは現在でも用いられているが、新規システムの開発には余り用いられず、レガシーの感が否めない。
メインフレームの性能は従来MIPS (million instructions per second) で計測されてきた。MIPSはメインフレームの性能を簡単に比較する尺度として使われてきた。IBMのメインフレームzSeriesの性能は約26MIPS (z890 Model 110) から20000MIPS以上 (z9-109 Model S54) とされている。
しかし、MIPSは誤解を与える指標である。プロセッサのアーキテクチャの変遷に伴って、MIPSが本来持っていた実行命令数という意味は失われている(命令そのものの粒度が異なるため)。MIPSは技術的には意味はなく、単に昔のマシンとの性能比較の目安となっているにすぎない。このためIBMはメインフレームに数種類の負荷をかけて計測するLSPR (Large System Performance Reference) レシオを公表している。
同様のことがUNIXサーバでも見受けられる。顧客は用途に合ったタイプのベンチマークで性能を比較するようになってきた。例えばSPECintやTPC-Cなどである。もっとも、それらのベンチマークも全く問題がないわけではない。困ったことに、顧客が自分のシステムにどういったタイプの負荷がかかるのかを分析することは非常に難しく、結果として単にLSPRの値などを使ってしまうのである。そういった意味でMIPSの使い道は残り、IBMや他のコンサルタントはMIPSを公表し続けるのである。
現存する各社の主なメインフレームとその系譜は以下の通りである。
| メーカー | 製品名 | OS | 備考 |
|---|---|---|---|
| IBM | S/360 → S/370 → 30x0/4300/9370 → ES/9000 → S/390 → zSeries → System z | OS/360 → MVS → MVS/XA → MVS/ESA → OS/390 → z/OS | MVS系。大規模用。主流。OS/390よりUNIX互換環境標準。z/OSより論理64ビット。 |
| DOS/360 → DOS/VSE → VSE/ESA → z/VSE | VSE系。中規模用。z/VSEでも論理31ビット(仮想記憶域2GB)。 | ||
| CP-67/CMS → VM/370 → VM/XA → VM/ESA → z/VM | VM系。仮想化用。 | ||
| TPF → z/TPF | 航空用 | ||
| (AIX/370) → Linux on System z(z/Linux) | UNIX系 | ||
| 富士通 | FACOM Mシリーズ(IBM S/370互換、日立製作所と共同開発) → GS → GS21/PRIMEFORCE | OSIV/F4 → OSIV/MSP(MSP-EX) | 大規模用。ベースはIBM MVS系と互換。MSPより論理31ビット。 |
| OSIV/X8 → OSIV/FSP → OSIV/XSP | 中規模用。FACOM 230のOSII/VSと互換。 | ||
| AVM | 仮想化用 | ||
| UTS/M → UXP/M | UNIX系 | ||
| 日立製作所 | HITAC Mシリーズ(IBM S/370互換、富士通と共同開発) → AP8000/AP7000 | VOS2 → VOS3 | 大型用。ベースはIBM MVS系と互換。VOS3/LSより論理64ビット。 |
| VOS1 | 中小型用 | ||
| VOSK | 中小型用(AP7000上ではCPUにPowerを採用、エミュレーション動作となっている) | ||
| VMS → VMS/AS | 仮想化用 | ||
| HI-UX/M | UNIX系 | ||
| 日本電気 | ACOS 600/700/800/900 → 1000/2000 → PX7900 | ACOS-6 | 大規模用。GE → 東芝 → 日本電気。Multicsの流れを汲むワードマシン(9ビット = 1バイト、36ビット = 1ワード)。現在のCPUはCMOS独自仕様。 |
| ACOS 300/400/500 → 1500 → i-PX9000 | ACOS-4 | 中規模用。ハネウェル → 日本電気。バイトマシン(8ビット = 1バイト、4バイト = 1ワード)。現在のCPUはItanium2。 | |
| ACOS 200 → i-PX7300 | ACOS-2 | 小規模用。ハネウェル → 日本電気。ACOS-4のサブセット。現在のCPUはXeon。 | |
| Bull | (GE-635) → (6000-64) → NovaScale 9000シリーズ | GECOS → GCOS 8 | GE → ハネウェル → Bull。NECのACOSの派生元。現在のCPUはItanium2。同一筐体内でLinux、Windows Serverを同時稼働できる。 |
| ユニシス | ClearPath Plus Server (2000/IX系) | EXEC8 → OS1100 → OS2200 | 大規模用。スペリー → ユニバック → ユニシス。現在のCPUはCMOS独自仕様。ワードマシン(36ビット = 1ワード)。同一筐体内のXeon上でWindows Serverを同時稼働できる。 |
| ClearPath Plus Server (A/NX/LX系) | MCP | 中規模用。バローズ → ユニシス。現在のCPUはXeon。同一筐体内のXeon上でWindows Serverを同時稼働できる。 |
過去に存在した主なメインフレームには以下がある(観点によってはメインフレームと呼ばれないものも一部含む)。
| メーカー | 製品名 | OS | 備考 |
|---|---|---|---|
| IBM | 701、702、704、709、7030、7090 | S/360以前のメインフレーム | |
| 富士通 | FACOM 230シリーズ | Mシリーズ(日立製作所と共同開発)以前のメインフレーム | |
| 日立製作所 | HITAC 3000/4000/5000 → 8000 | Mシリーズ(富士通と共同開発)以前のメインフレーム。RCAと技術提携。8000はRCA系のIBM S/360互換機。 | |
| 日本電気 | NEAC 2200 | ハネウェルと技術提携 | |
| 東芝 | TOSBAC 2000/4000/5000 | GEと技術提携 | |
| 三菱電機 | MELCOM 1530 → 3100 → 7000 → COSMO → EX800 | UTS、他 | TRWと技術提携。COSMOは沖電気との共同開発。 |
| 沖電気 | COSMO | UTS、他 | 三菱電機との共同開発 |
| 電電公社 | DIPS | 101 → 106 | 電電公社仕様にて富士通・日立製作所・NECが製造。1992年に開発終了。 |