同人誌即売会(どうじんし そくばいかい)とは、同人誌を配布・販売する集会(イベント)である。
日本で行われる同人誌即売会は、漫画・アニメ関連の同人誌を頒布するものが圧倒的に多く、以下の記述もそのような即売会についてのものである。 また、その中でも様々な分野における同人誌即売会が存在し、書籍に限らずソフトウェア、音楽CD、グッズのような立体物なども配布・販売される。
同人誌即売会の種類
同人誌即売会は、オールジャンル系イベントとオンリージャンル系イベントの2種類に大別できる。
オールジャンル系イベント
サークルの活動内容やジャンルについて制限しないもの。 コミックマーケットやコミックシティ、クリエイション、コミックライブ、ガタケットなどが有名。数千~数万規模のサークルを集める大規模のものから、特に地方都市で開催されることの多い100スペース以下の小規模なイベントまで、多岐にわたる。
規定としての制限はないものの、イベントごとにサークルの集まりやすいジャンルというものが存在し、複数のマイナージャンルは”よろず”として一括りにされたり、実質的にジャンル制限されていることも多い。この意味で狭義のオールジャンル系イベントとは、コミックマーケットをはじめとするごく一部しかないとも言える。
現在開催されているオールジャンル系イベントのうち、主要なイベント団体では、効率的かつ安全、安定的な運営を目的とする等の理由から、主催団体の法人化(企業、非営利団体など)を行っているイベントが多くを占める。
オンリージャンル系イベント
サークルの活動内容または活動ジャンルを限定したもの。 一般的に限定対象の後に『オンリー』をつけて呼ぶ(例:創作オンリー)。特定創作物の二次創作に限定する場合には、元となる創作物の名称の後に『オンリー』をつけて呼ぶ(例:ガンダムオンリー)。さらに細かい限定を行う場合もある。
最大の創作系オンリーであるコミティアのように2000~3000スペース規模で行われるイベントもあるが、多くのイベントは、数十~数百スペースの比較的規模の小さいイベントであり、主催者も個人やサークル・任意団体など、法人格を持たない団体が開催している場合が多い。
イベントの規模としては小さいが、特定のジャンルや作品に対して思い入れの強いファンが集まること、オールジャンルイベントでは他のジャンルの作品に埋もれてしまうようなジャンルの同人誌やサークルをアピールする目的もあり、首都圏や関西圏などの都市部を中心に開催されている。
昨今はオンリーイベントを開くほどサークルの絶対数がないジャンルも増えているが、この場合にはオールジャンル系イベントに参加する特定ジャンルサークルが結束して企画を行い擬似的なオンリーイベント状態にしてしまう「プチオンリー」または「ヤドカリオンリー」と呼ばれる形態も存在する。
主なイベント
オールジャンル系イベント
- コミックマーケット
- コミックマーケット準備会が主催する日本最大の(世界最大でもある)同人誌即売会。2007年現在では、8月と12月の年二回東京国際展示場で開催されている。あらゆる同人誌活動の「総本山」的な存在として年間スケジュールの節目となっており、同人誌即売会関連のデファクトスタンダードを作る存在である。詳細はコミックマーケットを参照の事。
- コミッククリエイション/サンシャインクリエイション
- コミケプランニングサービス(コミックマーケット準備会の関連企業)及びクリエイション事務局が主催する同人誌即売会。どちらもオールジャンル即売会。もともとコミッククリエイションのみを主催していたが、ブロッコリー主催による「コミックキャッスル」の終了を受け、コミックキャッスルの会場・日程を引き継ぐ形でサンシャインクリエイションを始めた。詳細はクリエイションを参照。
- コミックシティ
- 赤ブーブー通信社が主催。主に女性参加者が多く、女性向けジャンルに強い。東京・大阪・福岡にて、年20本程度開催される(首都圏以外の地方では最大のイベントとなる事が多い)。東京ビッグサイトで3月に開催される「HARU COMIC CITY」と5月の「SUPER COMIC CITY」、インテックス大阪で開催される1月「COMIC CITY大阪」と8月「SUPER COMIC CITY関西」は規模が大きく、1日あたりの参加スペース数がコミックマーケットを超える場合(但し、多くても2日間開催のため、3日間開催であるコミックマーケットとは総参加数で大きな隔たりがある)もある。このインテックス大阪で開催される1月と8月のイベントは、それぞれコミックマーケットの直後に開催され、コミックマーケット参加サークルも多数参加するため、コミックマーケット開催時期(お盆や年末)に東京に行けない地元参加者への補完イベントのようにもなっている。
- こみっくトレジャー
- 赤ブーブー通信社がインテックス大阪にて年2回、青ブーブー通信社の主催名にて開催する男性向けジャンル主体のイベント。1月「COMIC CITY大阪」と8月「SUPER COMIC CITY関西」の次の週に開催される事が多い。企業スペースが設置され、「COMIC CITY大阪」では禁止されているコスプレが容認されている。また、メイドのコスプレをしたスタッフからのドリンクサービスなど、独自の特色をだしている。
- コミックライブ
- スタジオYOU(ユウメディア)が主催する。東京だけではなく地方都市でも開催される(“おでかけライブ”、“○○(都市名)コミケ”という名称となる場合もある)。参加年齢層は比較的低い。岐阜コミケ等、地方都市で「コミケ」と呼ばれるイベントを開催しているため、コミックマーケットと関連があると錯覚する場合もあるが、コミックマーケット準備会2代目代表・米澤嘉博の協力のもとで「○○コミケ」の名称が使用可能となった。
- また女性向け大型オンリーイベントも盛んに行っている。最初は都内だけだったが最近では大阪、博多、札幌、名古屋などでも開催されている。
- コミックキャッスル
- ブロッコリーが主催していた同人誌即売会。1994年6月スタート、1999年6月に終了したが、2005年10月に、「コミックキャッスル2005」がコミックキャッスル準備会の主催により復活開催された。2006年4月には「コミックキャッスル2006春」が開催。旧コミックキャッスルを引き継いで始まった「サンシャインクリエイション」と関連があると錯覚する場合もあるが、クリエイション事務局の協力のもとで「コミックキャッスル」の名称が使用可能となった。2006年6月に公式サイトが消滅し、今後も続くかどうかは現在のところ不明である。
- ガタケット
- ガタケット事務局主催による、新潟で開催される総合的規模の同人誌即売会。3大都市圏以外の都市での開催の中では古参で、だいたい隔月ごとの年6回開催されており、コミティアの新潟開催も行っている。大都市から見て規模はそれ程大きいとは云い難いが、開催回数が多いので安易に比較することはできない。詳細はガタケットを参照。
- ComiCon
- ComiCon主催による、大阪・京都で開催される同人誌即売会。
- コミックコミュニケーション
- ComiComi開催委員会主催による、大阪で開催される同人誌即売会。
オンリージャンル系イベント
- コミティア
- コミティア実行委員会が主催するオリジナル作品限定の同人誌即売会。東京だけでなく、関西・名古屋・新潟の同人誌即売会主催者と協力して地方開催も行われている。商業出版社がプロ志望者を対象に作品持込を会場で受け付ける出張編集部が設けられることが多い。
- そうさく畑
- 赤ブーブー通信社がそうさく畑実行委員会の主催名にて、主に神戸で開催するオリジナル作品限定の同人誌即売会。まれに東京でも開催されることがある。
- メンズコミック(メンコミ)
- メンコミ準備会主催よる、男性向ジャンルに特化された同人即売会。名古屋で定期的に開催される。
- みみけっと
- ケットコム主催による、猫耳等特殊な耳を付けたキャラクター関連ジャンル限定の同人誌即売会。属性によるジャンル限定イベントの先がけともなったイベント。主催のケットコムはこれ以外にも「びすけっと」(ビスケたん等擬人化キャラクター限定同人誌即売会)などの様々なジャンル限定イベントを開催する傍ら、同人誌即売会・コスプレイベント検索サイト大手の「ケットコム」を運営し、同人誌即売会の参加者にとって重要な役割を担っている。このため、ジャンル限定イベントの主催でありながら大規模イベントに遜色ない信頼性を得ることになった。
- RAG-FES
- RAG-FES事務局主催による、「ラグナロクオンライン」専門の同人誌即売会。開催初期から同ゲーム開発元のGravity社、日本での運営元のガンホー社の協力を得るなど、ラグナロクオンラインの総合イベントの1つとなった。
- コスチュームカフェ
- コスチュームカフェ実行委員会主催による、制服系作品ジャンル限定同人誌即売会。開催初期はウェイトレスや学校制服などを扱うことが多かったが、その後こうしたジャンルにあてはまるゲームやアニメーションが増えた事から、現在では制服系ジャンル総合イベントとなっている。派生イベントとしてメイド系ジャンル限定の「帝國メイド倶楽部」がある。
- ぷにケット
- ぷにケット準備会主催による、ぷに萌え系キャラ(全体的にぷにぷにとした感じで描かれているキャラクター)及びその作品限定の同人誌即売会。尚、準備会側としては「おジャ魔女どれみ中心」としている事から同作品やその後番組(明日のナージャ、ふたりはプリキュア)、あるいは女児向けアニメ作品(ふしぎ星の☆ふたご姫、おねがいマイメロディ)や低年齢・ロリキャラが多い。詳細はぷにケットを参照。
- 博麗神社例大祭
- 博麗神社社務所主催による、東方Project関連作品のジャンル限定同人誌即売会。同人サークル上海アリス幻樂団の作品群(東方Project、東方シリーズ)の二次創作、いわゆる「同人の同人」を中心としたイベントの1つである。
- 2007年までに4回が開催され、来場者は年を追うごとに増えている(参加サークル:約600サークル、来場者数:1万人超)。1コンテンツで漫画二次創作・音楽二次創作・コスプレを内包する。
- 詳細は東方Project#博麗神社例大祭を参照。
- スキマフェスティバル
- ケットコム主催。隙間ジャンルと呼ばれる限定的・マイナーなジャンルの同人誌即売会を同一の会場で同日にまとめて開催するというもので、常連となる即売会も多少ある。
- アブノーマルカーニバル
- ABC準備会主催による即売会。触手ものやSM系、妊婦もの(ボテ腹)や出産、腹ボコ系や手足切断などの猟奇ものなどといった、他ジャンルと比べてシチュエーションがマニアックかつアブノーマルな物をメインとして扱っている。
同人誌即売会で使われる会場
基本的には公営および民営の展示会場が使われる事が一般的である。代表的な会場として以下のものが挙げられる。日本の見本市会場一覧も参照のこと。
- 首都圏
- 中部圏
- 関西圏
また、地方での大規模開催ではドーム球場(実例として札幌ドーム、福岡Yahoo! JAPANドームなど)や大型多目的ホール(大宮ソニックシティなど)等で開催するイベントもある。その一方で2007年に成年向け同人誌を扱うイベントに対して会場の貸し出しを拒否する事例も出てきている。
同人誌#同人誌と青少年を取り巻く問題も参照されたい。
参加者の種類
- サークル参加者
- 同人サークル(個人の場合もあり)として参加し、同人誌などを配布する参加者。主催者に事前申請する必要がある。
- 委託参加者
- サークル参加者のうち、サークルがスペース抽選に落選したり遠すぎて直接参加できない場合に、主催者又は他サークルに頒布を委託する参加者。このうち、他サークルへの委託は主に知り合い同士の厚意で成り立っており、それ自体には参加費は課されない。サークル当事者同士で分割負担、物々交換、物品の授受、役務等にて解決する場合が多い。
- 企業参加者
- グッズの販売や自社製品(同人活動するのに必要なもの)の宣伝のために出展する企業の参加者。主催者に事前申請する必要がある。
- スタッフ参加者
- 主催者側の係員として会場の設営撤収、場内整理などを行う。基本的にはボランティア。
- 一般参加者
- 上記以外の参加者。入場券として、各参加サークルのスペース配置や注意事項を書いたパンフレットの購入が必要な場合がある。
- コスプレ参加者
- コスチューム・プレイを行う参加者。登録制の場合がある(一部では登録料が必要)。基本的に上記いずれかの参加者に属しているが、イベントによっては個別の参加者として扱うこともある。
詳しくはコミックマーケットを参照のこと。
海外における同人誌即売会
関連項目
外部リンク
- 即売会公式サイト
- 関連団体・サイト
- 全国同人誌即売会連絡会 - 即売会主催団体の連絡団体。
- 日本同人誌印刷業組合 - 主に同人即売会に参加するサークル及び主催団体向けに印刷を請け負う会社の組合。関連の深い隣接業務に関する団体。また、かつては印刷業者自体が即売会を主催することもあった。
- ケットコム - 同人即売会情報サイト。自らも即売会を主催することがある。

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