心電図 とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋心電図(しんでんず)、ECG: Electrocardiogram(英), EKG(エーカーゲー):Elektokardiogramm(独)は、心臓の電気的な活動の様子をグラフの形に記録することで、心疾患の診断と治療に役立てるものである。電気生理学的検査の代表的なものであり、日常診療で広く利用されている。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
渡辺 重行 /
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目次 |
心電図の記録法は、電極を生体のどこに取り付けるかによって分類することができる。
12誘導の考え方とその所見について概説する。
心臓を伝わる電気信号を、体の前面と水平な面(前額面)にプロットするために、四肢に電極を取り付ける。右手、左手、両足の付け根はそれぞれそれぞれ心臓をほぼ正三角形に取り囲んでいると考え、この三角形はアイントーベン(開発者アイントホーフェンの英語読み)の三角形と呼ばれる。通常、下肢は左足が直接心電図をとるための電極として使用され、右足はアースとされる。両上肢のあいだで起きた電位差(I誘導)、右上肢と下肢のあいだの電位差(II誘導)、左上肢と下肢のあいだの電位差(III誘導)をそれぞれ三角形の上にプロットすると、電位の2次元的な向きが浮かび上がることになる。通常この向きは体の左下方向であるのが正常で、左上方向に偏っているのは左軸偏位、右方向に偏っているのは右軸偏位という所見である。
また、肢誘導すべてを接地として、個々の電極から導出された波形それぞれも記録される。 右上肢からのもの(VR誘導)は心臓の右側壁~後面、左上肢からのもの(VL誘導)は左側壁、下肢からのもの(VF誘導)は後面の心筋の電気的興奮を反映すると言われる。 それぞれ、接地を「肢誘導すべて」ではなく「導出電極以外の電極すべて」とすることで増幅ができ、こうして増幅されたaVR、aVL、aVFが一般的に用いれる。
前胸部から左胸壁にかけて6個の電極を貼り付けることで、心臓を水平に切った断面での電気信号の方向を観察するほか、心臓前面での心筋の興奮状態を捉える。 接地は、肢誘導すべてである。
貼り付ける位置は、V1誘導(赤)が第4肋間胸骨右縁、V2誘導(黄)が第4肋間胸骨左縁、V3誘導(緑)がV2とV4の中間地点、V4誘導(茶)が第5肋間鎖骨中線上、V5誘導(黒)が第5肋間前腋窩線上、V6誘導(紫)が第5肋間中腋窩線上である。(赤黄緑茶黒紫という順の覚え方で「アケミちゃん国試」という語呂合わせは有名)
なお、右胸心の場合や、右心室の心筋梗塞(右心梗塞)の診断を行う場合には、右側の同位置に貼り付け、それぞれV3R~V6Rなどと表現する。
最も大きな波(後述するQRS波)の向きは、V1では下向きのS波、V6では上向きのR波が大きくなっており、V1~V6のあいだで段階的に高さが変化して移行していく。ちょうどR波とS波の大きさが等しくなるのがV3からV4のあたりであり、移行帯という。移行帯の変化は心臓の向きが変わっていることを意味する。V1側に偏っていれば左回転(反時計方向回転)、V6側に偏っていれば右回転(時計方向回転)という。
心臓の働きは全身のエネルギー消費や生活リズム等とともに変化する。このため、様々な条件の下で心電図を記録することが臨床上有効である。
また、産科領域では、母体の腹壁に電極をつけ得られた波形からデジタル解析によって胎児の心波形を描出する胎児心電図が開発され、先天性心疾患の診断や、胎児治療に役立てられている。
病院に収容中の患者に対して1つ或いはそれ以上の心電図を持続的に監視する。対象は心疾患に限らず、呼吸器疾患、絶対安静の患者、その他急変の可能性が無視できないすべての患者に用いられる。全身状態の不安定な患者が入院しているときや手術中などは、脈拍など最低限のバイタルサインを監視するためにも簡易な心電計を装着する。電極は通常胸部に貼付する。心筋梗塞や高カリウム血症の波形をいち早く捉えることができるケースもあるが、通常は心拍頻度の不正などを監視する程度であってモニタの示す波形そのものが診断に用いられることは少ない。
通常はII誘導(心臓内の大まかな興奮の流れに沿ったベクトル)のみの監視で良いが、冠動脈疾患の場合はすべての肢誘導と前胸壁誘導1個を装着し、責任病変が判明していればそれによって心電図変化が最も出やすい誘導を監視する。
典型的な正常波形を右に示す。心拍一回ごとに心電図に現れる波形は、大きくP、Q、R、S、T波の5つの波で構成され、中でも目立つQ、R、S波は一括してQRS波と呼ばれる。図にはないが、これ以外にもU波という波が存在する。横軸は、1mmの1目盛が 0.04秒であり、1秒は25目盛りにあたる。縦軸は電圧で、1mVのキャリブレーションの波が記録されているが、一般的には1目盛0.1mVが使用される。
心電図の所見は心臓の電気生理学に対応させながら読み解くことで心臓の機能について多くの知見をもたらすが、波形上明らかな異常所見としてよく知られているものを挙げる。
心電図の所見のとり方から診断のプロセスは記載すると膨大になるので、財団法人心臓血管研究所の山下武志による分類をここで記す。どんな心電図をみたにしろそれによって行うことは「放置する」、「自分の力で片付ける」、「緊急に他人の力を借りる」の3つに分けることができる。緊急性の評価には心電図よりもバイタルサインの方がはっきりとする。モニター心電図をみてVTのような波形があって循環動態が悪く意識障害などを起こしていれば緊急に処置をする必要があるが、声をかけて「何ですか?」と言われるようだったらそれはあくまで心電図上だけの問題であり、循環動態は全く悪くなっていない。
医療行為において、医療者が行うことは次の3つのパターンしかない。第一に放置する、第二に自分の力で片付ける、緊急に他人の力をかりるということである。心電図を見るときも同じである。特に重要なのは他人の力を借りるかという判断である。これはバイタルサインなど他の情報が大いに参考になる。この判断は大抵、心電図以前の不整脈の知識で解決ができる。不整脈かどうかの判断は主に心電図によって行われる。あくまで不整脈のスクリーニングをしたいだけならば12誘導のうちⅡ誘導とV1誘導のみで十分である。特にⅡ誘導はP波が読みやすく重宝する。このやり方は不整脈以外を見落とすので注意が必要である。ST変化の見落としを避けるためにあらかじめST変化だけ12誘導で除外しておくことが大切である。モニター心電図などにはSTの情報はないと認識しておくことが大切である。経験的に心拍数が正常でQRS幅が狭ければ大抵の場合は血行動態は安定している。頻脈でQRS幅が広ければ患者の状態を確認する必要がある。不整脈の場合は放っておいたら悪くなるのではという不安が常に付きまとう。しかし、まず必要なのは今治療が必要なのかという問題であり、将来のことは後回しの考えるのが通常である。悪くなる場合は基礎心疾患があることが多く、心電図だけをみても何もできないことが多いからである。
心拍数の正常値は50~100/minであり、50/minを下回ると徐脈といわれる。脈拍は日内変動があり夜は遅くなる傾向がある。即ち、夜の脈拍に関しては多少正常値を下回っても気にしなくてよい。気にするべきところは不整脈となるのかという点であり、これは急に遅くなった、2秒以上脈が止まったらといったエピソードや心電図所見から考えていけばよい。徐脈性不整脈の診断は非常に簡単である。P波が正常に存在していれば房室ブロックであり、P波が存在しなければ洞機能不全症候群である。このふたつの違いは非常に重要である。房室ブロックは心室の障害であり突然死のリスクにあるからである。これをみたら心疾患のスクリーニングをし、原因がわからなければ命を守るためペースメーカーの適応となる。洞機能不全症候群の場合は、症状がなければ放置であり、症状があった場合も治療をしたとしても予後に変化がないのでQOL向上目的の治療となる。
心拍数の正常値は50~100/minであり、100/minを上回ると頻脈といわれる。頻脈でも洞性頻脈というものがあり、運動で徐々に頻脈がおこるのは極めて正常な反応であるので不整脈をみるという観点からは突然早くなるというエピソードや心電図所見が重要である。不整脈としての頻脈の場合はQRS幅が非常に重要である。QRS幅が0.12秒、即ち3mm未満なら上室性(大抵は心房性)の不整脈であり、0.12秒、即ち3mm以上であれば心室性の不整脈である。心室性の不整脈の場合は緊急事態であり、即急な対応が求められる。QRS幅によって不整脈の部位を特定できるというのは、正常な特殊心筋を刺激が伝導した場合は0.12s以内に伝導が終了するであろうという経験則である。重要な例外として変行伝導という言葉がある。これはQRS幅が広いのに上室性の不整脈である。しかし、QRS幅が狭いのに心室性の不整脈という現象はほとんど知られていないのでまずはQRS幅が広ければ緊急事態と考えておけばミスは少ない。心室性か上室性かの判断ができたら、上室性ならPP間隔で心房拍数を心室性ならRR間隔で心室拍数を調べ、それによって不整脈の名前をつける。それとは別に触診法で有効な脈拍数を別に数えておくのが重要である。これは患者の状態を把握するもので不整脈の診断にはそれほど重要ではない。頻脈性不整脈の場合はどれがP波かなど波形をひとつずつ定義するのは難しい場合が多々ある。その場合はイメージで行うのだが経験がないと難しい。基本的には電気的な拍数が100~250/minなら頻拍で250~350/minならば粗動であり、350/minをこえれば細動という。但し、心室粗動という言葉は臨床上は存在しない。たまに速い脈が出る程度なら期外収縮という。
脚ブロックが発生すると上室性期外収縮でもQRS幅が広くなる。脚ブロックは器質性のものでもよいしただの不応期によるものでもよい。こういった場合、心室性頻拍との鑑別が重要となる。経験則として次の手順で診断すると便利である。右脚ブロック(V1でM型)の場合はV6誘導をみる。心室性頻拍であればrS型(S波が大きい)であり、変行伝導であればRs型(R波が大きい)となる。左脚ブロック(V6でM型)ならばV1やV2誘導のS波をみる。心室性頻拍ならばS波にノッチが見られるのに対して、変行伝導ではノッチはみられない。
心電図は不整脈の診断以外の診断も行うことができる。特にモニター心電図ではなく12誘導の場合はST変化やQRSの異常を読み取ることが重要である。特に見逃してはならないのが虚血性心疾患である。12個の誘導を見る場合に個々の誘導に正常といわれる像があると考えてはならない。特に胸部誘導は所見の連続性に注意をすれば大抵の重要な所見は拾うことができる。
QRS波の異常としては、上記の正常所見を満たさないものである。具体的にいうと形の異常と大きさの異常に分けることができる。形の異常としては肢誘導、第Ⅰ、Ⅱ誘導において下向きのQRSや胸部誘導においてR波の連続性が保たれていないものまたは、3mm以上という幅の広いQRS波などが考えられる。特に重要な所見は虚血性心疾患を示唆する異常Q波であるが、この定義は誘導によって異なり非常に難しい。異常Q波の定義を用いずに異常Q波を診断するには
という正常の定義から離れたものは異常Q波がある可能性が高いと考える。心臓と誘導の位置関係は個々人でずれがある。そのため理解しがたい心電図は数多くある。そのためPoor R Progressionという言葉もある。これは胸部誘導におけるR波の増高不良であり、連続性が保たれていないように見えるが異常Q波とまではいえないという所見であり、こういった場合は症状や病歴が決め手となる。心電図はそこまで万能ではないのである。
日本では異型狭心症(冠攣縮型狭心症)なども多く一概には言えないがSTが上昇していれば心筋梗塞、STが低下していれば狭心症を疑うのが原則である。(非貫壁性や心内膜下病変などによる非定型的変化もありうる。) 異常Q波と同様にどの部位でその所見があるのかである程度は梗塞、虚血部位を特定することができる。明らかな所見は見落とすことはまずないが、他の所見と同様、微妙な所見というものが存在する。基本的にはST上昇ならば緊急的に対処し、ST低下であったら患者の状態を確認するのが重要である。ST低下の場合は狭心症ではなくただの心肥大で出現することもある。気をつけなければならないのは無痛性狭心症というものもあることである。リスクファクターの聴取などは行うべきである。統計学的に狭心症で心電図に異常があるのは70%といわれておりその診断は難しい。
陰性T波は心筋梗塞、狭心症を疑う所見であるが、心肥大でも起こりえる。高いT波は高カリウム血症や心筋梗塞で見られる所見である。しかしT波で疾患を想定する機会は非常に少ない。
高カリウム血症のテント状T波や高カルシウム血症のQT短縮という所見は非常に有名である。心電図は血液検査に比べて結果が速くわかるので経過をみるのに非常に便利である。
子供は大人のミニチュアではないとは小児科における格言のひとつであるが、小児の心電図は成人のそれとは全く異なる。まず、子供は脈拍数が早いので100/分をこえても正常である。また新生児は右軸偏位が著明である。逆に新生児の心電図で左軸変位が認められたら先天性心疾患を疑う。もしチアノーゼを認めれば三尖弁閉鎖症、認めなければ心内膜症欠損症を強く疑う所見である。
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