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断層 とは?

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断層(だんそう、fault)とは、地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態をいう。

出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』


和英辞典

断層 [だんそう] 別ウィンドウで表示  …  (n) dislocation (P)

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ウィキペディア(Wikipedia)記事


断層(だんそう、fault)とは、地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態をいう。

断層が動く現象を断層運動(faulting)と呼び、地震の主原因であると考えられている。食い違いが生じた面そのものを断層(fault surface)と呼ぶ。断層面と鉛直線がなす角を断層(fault dip)、水平面に置き換えた断層運動の方向を走向(fault strike)と呼ぶ。

侵食堆積環境の変化、火山岩の噴出・堆積などによってできた地層の境界は、一見食い違っているように見える場合があるが、ずれ動いたわけではないため断層ではなく、不整合非整合などと呼ばれる。

目次

成因

地殻を形成する岩盤には、マントル対流によるプレートの生成・移動・衝突・すれ違いや、火山活動によるマグマの移動など様々な要因で圧縮・引っ張り(引張)・ずれ(せん断)などの応力が発生する。力学的に見ると、剪断応力は圧縮応力と引張応力に変換することができ、逆も同様である。つまり、岩盤に圧縮や引っ張りの力が掛かると、同時に岩盤をずらして破壊させようとする力も掛かる。

岩盤に加える応力を、時間の経過とともに次第に大きくしていき、岩盤への圧縮や引張を再現する実験を行うと、岩盤は始めわずかに変形し、次に多数の小さな割れ目を生じ、ある時に大きく割れる。割れ目がきれいなもので岩盤が原型に近い状態の場合は、さらに応力を加えていくと変形して別の割れ目を生じることを繰り返し、互いに共役関係にある多数の割れ目が形成される。地球の地殻においても、実際にこれと同じようなことが発生し、断層が形成されていると考えられている。また、このような過程を経て共役断層(後節で詳しく解説)が形成されていると考えられている。

応力のうち、地下の岩盤を破壊しずらして動かす力、つまり直接断層を作る力として働くのは剪断応力のみである。剪断応力が岩盤の強度を上回った時に、岩盤が割れて断層が生じる。

砂丘や泥など、地盤を構成する粒子同士の結び付きが弱い場合は、応力が砂丘や泥に作用しても一時的な変形に使われて減衰していくだけで、砂丘や泥はすぐにもとの形に戻る。つまり、せん断破壊が起きないために断層は生じない。そのため、ある程度固まった強度のある地盤でなければ、断層が形成されない。逆断層は圧縮応力、正断層は引張応力によって生じ、横ずれ断層は圧縮応力と引張応力のいずれかまたは両方によって生じる。

分類

断層
画像:Danso_sei.png
 
断層
画像:Danso_gyaku.png
 
横ずれ断層(左ずれ)
画像:Danso_yoko_left.png
 
横ずれ断層(右ずれ)
画像:Danso_yoko_right.png
画像:Danso_yoko001.png

断層の分類には断層のでき方=断層を境にしたそれぞれの動きによる分類のほか、その他の特徴による分類もある。

動きによる分類

多くの断層は、正断層か逆断層のいずれか、右横ずれ断層か左横ずれ断層のいずれか、計2つの特徴を有している。

縦ずれ断層

正断層と逆断層の総称。あまり用いられない呼称である。

正断層、逆断層には、それぞれ上盤と下盤がある。乗り上げているほうが上盤、乗り上げられているほうが下盤である。

断層

水平方向に引張応力がかかっている場所に存在する。地下に斜めに入った割れ目を境に、片方が他方の上をすべり落ちるような方向で動いてできたもの。日本では九州中部の火山地帯に見られる。世界的にはアイスランド全土が正断層地帯。

断層

水平方向に圧縮応力がかかっている場所に存在する。左右からの圧縮応力に対し、その力を逃がすために破断面ができて、片方が斜め下へ、もう一方が相手にのしかかるように斜め上へ動いた形で生成した断層奥羽山脈飛騨山脈木曽山脈赤石山脈などの南北に連なる山々は、そのふもとに逆断層がある。関西地区では生駒山西側の断層が明瞭な逆断層

逆断層のうち特に断層面の傾斜が緩く(水平に近い)乗り上げが顕著なものを衝上断層(低角逆断層)と呼ぶことがある。水平面と断層面との角度が45°以下が衝上断層で、それ以上のものを高角逆断層、ほぼ0°のものを水平断層と呼ぶこともある。

横ずれ断層

剪断応力が水平方向に働いた断層で、ずれの方向によって右ずれ断層と左ずれ断層とに区分される。断層の手前から見て、向こう側が相対的に右にずれている場合を右ずれと呼ぶ。

横ずれ断層の成因には2種類ある。 ひとつはアメリカサンアンドレアス断層サンフランシスコ地震の震源断層)のようにすれ違うプレート間に生成するタイプである。 これをトランスフォーム断層と言い、大規模な地震を起こす活発な断層である場合が多い。

もうひとつは横からの圧縮応力を逃がすために岩盤が×型に割れておのおのがずれ動くタイプである。こちらの断層は日本の中部地方から近畿地方に多く見られ、兵庫県南部地震を起こした野島断層もこのタイプ。ひとつの剪断応力によって基本的には×型の/方向のものと\方向のものの両方が形成され、互いに共役関係にあると言う。

その他の特徴による分類

震源断層

震源断層(しんげんだんそう)とは、地震を起こした断層のこと。通常は地下にある。大きな地震では複数の断層が連動して動くことがある。

地震断層

地震断層(じしんだんそう)とは、地震時に地上に出現した連続した割れ目やずれのこと。通常は震源断層の上端に相当する。地表地震断層とも言う。震源断層と混同されることが多い。

伏在断層

伏在断層(ふくざいだんそう)とは、断層運動によるずれが地下深部でのみ生じたり、またはずれた後に急激に土砂で埋められたりして、地表では確認されない断層のこと。

雁行断層

雁行断層(がんこうだんそう)とは、大規模な地質構造の変動に伴い出現する断層群のこと。並行断層ともいう。複数の断層が帯状に45度程度の角度をなして出現するさまを、雁の飛行に例えて命名されている。

構造線

構造線(こうぞうせん)とは、両側で地質が大きく異なる断層のこと。他の断層よりも長い傾向にある。中央構造線糸魚川静岡構造線棚倉構造線柏崎千葉構造線などがある。

共役断層と断層

共役断層(きょうえきだんそう)とは、同じ応力によって生じた隣接する断層、いわゆる共役関係にある断層のこと。1つの大きな断層の周囲に小さな断層が多数ある場合、同規模の断層が多数ある場合に大別される。共役断層同士では、断層面の角度や方向がまったく違いものも多いが、断層ができる前から順を追って応力の変化と断層の形成を辿ると、その理由が説明できる。

共役断層のうち、複数の大きな断層が帯状に連なるものを断層(だんそうたい)と呼ぶ。

断層

新生代第四紀後期以降に地震を起こし、今後も活動を継続すると考えられる断層を、特に断層(かつだんそう、active fault)と呼ぶ。活断層では地震が過去に繰り返し発生しており、また今後も地震が発生すると考えられているため、活断層の活動度の評価は、そこを震源として発生する地震の予知に役立つと考えられている。

断層の調査は、空中写真の判読、地形分類図の作成、現地での測量地形観察、トレンチ調査、弾性波探査、ボーリング調査、広域テフラの同定(鍵層)や放射年代測定(特に放射性炭素年代測定)などの方法によって行われる。主に活動度の評価を目的とする。

活断層は、長期間連続的に動き続けるのではなく、ある一定の周期で瞬間的に動き、他の期間はあまり目立った活動をしないものが多い。活動周期と1回に動く大きさは、おのおの断層固有の特徴がある。活動周期は、海洋プレート沈み込み地帯やトランスフォーム断層では100年前後、内陸の断層では数百年~数十万年。

ただし、ごく稀に、常時ずるずると滑りつづけ(「安定すべり」という)、大きな地震を起こさない活断層もある。サンアンドレアス断層の一部などがそうである。

日本の活断層

プレートテクトニクスによれば、日本列島は、関東・東北地方の沖の日本海溝太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込む際に東西方向の強い圧縮力を受けている。東北から近畿にかけての断層の多くは、この応力を受けて生成された逆断層や横ずれ断層である。逆断層は南北方向のものが多く、山々を隆起させる。火山以外の山地の多くは逆断層によって形成されたものである。横ずれ断層は東北-西南方向と西北-東南方向の2方向に向くものが多い。ほとんどの断層は横にずれると同時に上下にも動いている(斜めずれ)。また南海トラフではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいるが、東端の伊豆半島付近を除けば太平洋プレートの沈み込みほどには顕著な断層系を発達させていないと見られている。また日本の中では例外的に、九州中部の別府から島原にかけての地域では南北方向に引っ張られる応力が働いていることが知られており、正断層が多く見られる。これは沖縄トラフの延長とする説もある。

日本の活断層は、第四紀の後半(過去数十万年程度以内)に活動した断層を評価し、再び活動するか否かを判断して決定する(ほとんどの断層は再活動を否定する根拠は見いだせないので、最近の活動歴が判明すれば事実上活断層となる)。その平均変位速度の大きさでAA級からC級まで分類する。できるだけ古い活動の時期と現在までの移動量を測定し、1回あたりの地震による変位量をもって割戻せば、平均的な地震の発生間隔を推定することが出来る。

断層データベースには、日本の主な活断層の平均変位速度などのパラメータや、それらの算出根拠となった調査データがまとめられている。

代表的な活断層の例

根尾谷断層
写真中央を斜めに走る段差が根尾谷断層

〔〕内は平均変位速度で、1000年間の平均変位量、()内はその断層が起こした地震の例。

断層の内部構造

岐阜県瑞浪市の断層。小規模な断層であるが、断層破砕帯がはっきりと確認できる。

断層は活断層か否かにかかわらず破砕帯(はさいたい)などの内部構造を持つことが多い。

断層破砕帯

トンネル工事で大量出水事故の原因となる地質構造。断層は岩盤が割れてずれ動くものであるから、断層面周辺の岩盤は大きな力で破砕され、岩石の破片の間に隙間の多い状態となっている。これが断層破砕帯で、砕かれた岩石破片の隙間に大量の水を含み、また地下水の通り道となっている。掘削中のトンネルがこの場所に当たると大量の水が噴出して工事を著しく妨げる。破砕帯の幅は断層によって異なり、数十mに達する場合もある。

日本では蓬莱峡などで地表に自然露出した断層破砕帯を見る事ができる。

断層粘土

断層破砕帯の破砕が進むと、岩石の破片が粉砕され粘土のような細粒物質で充填された状態となる。こうなると却って水を通しにくくなり、地下水の流れがここでせき止められて地下ダムのような役割を果たすことがある。トンネル工事中にこのような断層粘土帯を掘り抜いた途端に大量の出水に遭遇することがあり、大変危険である(例:丹那トンネル)。

マイロナイト

断層の深部では温度が高いため、破砕されずに塑性変形を起こしてマイロナイトと呼ばれる特徴的な変形構造を持つ岩石となる。昔の断層深部にあったマイロナイトが隆起・侵食によって現在では地表で観察できる場所もある。

脚注

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  1. ^ 荒川断層の長期評価について(地震調査研究推進本部 地震調査委員会)

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

外部リンク


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