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司馬 遼太郎 /
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空海をとりまく人物や歴史の背景を丁寧に追って、そこから空海の心情を推察した書。小説とは言い難く、会話らしいものもほとんどありません。空海を当時の他の仏教をはるかに凌ぐ真言密教を確立したと繰り返し述べながら、真言密教の内容に関してはほとんど触れられていません。この本の中で、最澄が空海に、密教は本を読むだけでは学べるものではないと言っていますが、この空海の風景を読んでも密教の真髄はわかりません。理趣経をはじめとする真言宗の経典や空海自身の書を熟読していることが明らかな作者が、肝心の空海自身あるいは密教自体に関しては、核心に触れようとしないように感じられるのは、読者に対して司馬遼太郎が、密教は本を読んだだけではわかりませんよと言っているかのようでもあります。空海の生の声の密教論としては、最澄に対して宛てた手紙の中で、“大日如来の三密はお前自身の三密である無我の大我に理趣(条理)を求めるべきで、他に求めるべきではない”とこの本の後半でほんのわずかに紹介されています。時代背景や人物、関連書物、寺院の紹介はされており、この本から人それぞれ多様な方向に興味が広がる本です。
(荒野の狼 さんのレビュー)
司馬 遼太郎 /
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これから司馬文学に入ろうとする方、この作品からはやめておこう。司馬遼オタクと言われた私が挫折寸前だったからだ。何とか読み通したが、これが司馬さんだと思われても困る。
有名だからどなたか書いておられるかもしれないが、「坂の上の雲」にも「翔ぶが如く」にも「挫折の巻」がある。「余談だが」といって1冊書いちゃうとか。興味のある場合はその余談が楽しいのだが、これはちょっと苦しかった。
ほかの司馬さんの作品は大好きだが、司馬さんは、悪い意味ではなく、偏見と思い込みの人だ。そう思って、ほかの作品から司馬ワールドに入って楽しむといい。
(ホレイシア さんのレビュー)
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