暗黙知 とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋暗黙知(あんもくち、Tacit Knowing)は、ハンガリーの哲学者・社会学者マイケル・ポランニー(Michael Polanyi)によって1966年に提示された概念で、認知のプロセス、或は、言葉に表せる知覚に対して、(全体的・部分的に)言葉に表せない・説明できない知覚を指す。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 暗黙知 出典: 『はてなダイアリー』 関連商品
久手堅 憲之 /
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暗黙知とは、知識というものがあるとすると、その背後には必ず暗黙の次元の「知る」という作動がある、ということを示した概念である。この意味では「暗黙に知ること」と訳したほうがよい。暗黙知を「"経験や勘に基づく知識"のことで、言葉などで表現が難しいもの」と解することが多いが、これは「潜在的知識」という別の概念のことであり、これを暗黙知に結びつけるのは誤りである。
たとえば自転車に乗る場合、人は一度乗り方を覚えると年月を経ても乗り方を忘れない。自転車を乗りこなすには数々の難しい技術があるのにも関わらずである。そして、その乗りかたを人に言葉で説明するのは困難である(たとえば、自転車を右に旋回させる場合、ハンドルを左に切る必要がある。また、右旋回から直進状態に戻すためにハンドルを右に切る(逆操舵)必要がある。勿論、歩く程度の速度の場合は曲がりたい方向にハンドルを切る必要がある。このことを殆どの人は意識していない。また、サーキットを自分のバイクで走るようなマニアに向けた専門誌などであっても意識的にハンドルを操作することにはリスクがあるとされる場合が多い。)。
つまり、人の身体には明示的には意識化されないものの、暗黙のうちに複雑な制御を実行する過程が常に作動しており、自転車の制御を可能にしている。その過程をポラニーは「暗黙知」と名付けたのである。
ポラニーは、1966年の著作において、「暗黙知という行為においては、あるものへと注目する(attend to)ため、ほかのあるものから注目する(attend from),(翻訳:P24)」と表現し、「あるもの」は、それぞれ遠隔的項目、近接的項目として呼んだ。そして、「我々が語ることができない知識をもつというときには、それは近接的項目についての知識を意味している(同:P24)」としている。
準拠枠(frame of reference)等、関連する研究はあるが、暗黙知の認知的次元を経営学・社会学的に理論化する試みは、未だ発展途上の段階にある。
ポラニーの理論と名称が類似した理論に、ナレッジ・マネジメントの分野で使用される野中郁次郎の『暗黙知』がある。
野中は『暗黙知』という概念を「経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの」と誤解ないしは曲解した上で、それを「形式知」と対立させて知識経営論を構築した。野中は『暗黙知』を技術的次元とは別に認知的次元を含めた2つの次元に分類した。この野中の暗黙知論は、ポラニーの暗黙知の名前だけを拝借した、野中独自の理論というべきである。
従来の日本企業には、職員が有するコツやカンなどの「暗黙知」が組織内で代々受け継がれていく企業風土(企業文化)を有していた。そうした暗黙知の共有・継承が日本企業の「強み」でもあった。しかし、企業合併や事業統合、事業譲渡、人員削減など経営環境は激しく変化している。加えて、マンパワーも、派遣労働の常態化、短時間労働者の増加と早期戦力化の必要性などの雇用慣行の変化により、同一の企業文化の中で育った、ほぼ均等な能力を持つ職員が継承していくといった前提は崩れつつある。このため、現場任せで自然継承を待つだけでなく、「形式知」化していくことが必要とされる。その方法として、文章、図表、マニュアルなどがある。
こうした「形式知」化はナレッジマネジメントの目的の一つとしている。ただ、形式知化しようとすると、漠然とした表現かつ膨大な文書量となりがちである。また、当人が意識していない部分も含むことから、一般に形式知化は困難とされていた。しかしながら、情報システムはそうした形式知化と共有化に貢献しうるのではないかとされている。
要は「個人の有する非言語情報は共有しにくいからナレッジ共有システムを使って組織力を上げましょう」という論法である。
この議論は、上述の様にポランニーの暗黙知論とは本質的に異なることに重ねて注意すべきであるが、近年、形式的分析的管理手法が企業を席巻するなか、暗黙の次元の重要性を経営者に意識させた点で、意義は無視し得ない。
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