有機リン とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋有機リン化合物(ゆうきリンかごうぶつ)は炭素−リン結合を含む有機化合物の総称である。有機リン化学ではそれらの性質や反応性を研究する。リンは窒素と同じく第15族元素であり、それらを含む化合物は共通の性質を持つことが多い[1][2]。 出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』 関連商品
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ホスフィン類の親化合物はホスフィン PH3 である。ホスフィン類は−3価の原子価を取り (δ3λ3)、単純なアミン類のリン類縁体である。有機化学でしばしば用いられる化合物としてトリフェニルホスフィンが知られる。アミンと同様、ホスフィンは三角錐型の構造をとるが、結合角はより大きい。トリメチルホスフィンの C−P−C 結合角は 98.6° であるが、メチル基を tert-ブチル基で置き換えると 109.7° まで増加する。
反転障壁はアミンよりもずっと大きい。そのため、異なる3つの置換基を持つホスフィンは光学活性を持つ。一方アミンは容易に立体反転を起こすため、ラセミ体としてしか存在しない。
塩基性はアミンと比べて低く、例えばホスホニウムイオン PH4+ の pKa は −14 であるのに対してアンモニウムイオン NH4+ のそれは 9.21、トリメチルホスホニウムの pKa 8.65 に対しトリメチルアンモニウムは 9.76 であり、トリフェニルホスホニウム (pKa 11.2) はトリフェニルアンモニウム (pKa 19) よりも塩基性度が低い(プロトンを放出しやすい)。
アミンと同じく孤立電子対を持つが、それらの間には若干の差異がある。ピリジンに見られるように、アミンの孤立電子対は非局在化によって C=C 結合を含む共役系を形成するが、同様の構造を持つホスフィンではそのようなことが起こらない。このためピロールのリン類縁体であるホスホールは芳香族性を持たないことが知られている。
反応性は求核性を有するという点においてアミンに類似し、一般式 R4P+ X− で表されるホスホニウム塩を形成する。この性質はアルコールをハロゲン化アルキルに変換するアッペル反応などで利用される。
アミンと異なるのは酸化されやすさであり、ホスフィンは容易に酸化されてホスフィンオキシドになる。
以下にホスフィンの合成法を示す。
ホスフィンを用いた反応は、以下のものなどが知られている。
ホスフィンオキシド (δ3λ3) の一般式は R3P=O で表され、形式的酸化数は −1 である。ホスフィンオキシドは水素結合を形成するため、多くのものが水溶性である。P=O 結合は大きく分極しており、例えばトリフェニルホスフィンオキシドの双極子モーメントは 4.51 D である。
リンと酸素の間の二重結合は議論の的になっている。5価のリンはオクテット則に反しており、古い文献ではアミンオキシドと同じく、R3P→O のように配位結合として記述されていた。現在では、酸素の電子対からリンの(窒素原子には無い)空のd軌道への逆供与によって完全な二重結合を形成しているという考え方が最も一般的である。問題となるのは、P=O 結合は C=C 結合と違って付加反応を受けないという点、計算化学によってリンのd軌道は関与しないことが示されているという点である。別の理論ではイオン性の結合 P+−O− を支持しており、結合の強さ、短さはこれにより説明できる。
ホスホン酸エステル(ホスホナート)は一般式 RP(=O)(OR)2 で示される構造を持つ。ホーナー・ワズワース・エモンズ反応やセイファース・ギルバート増炭反応 (Seyferth-Gilbert homologation) において、カルボニル化合物と反応させる安定化カルボアニオンとして用いられる。多くの工業用途を持ち、ビスホスホナートは医薬品として用いられる。
亜リン酸エステル(ホスファイト)は一般式 P(OR)3 で示され、リンの酸化数は +3 である。パーコー反応 (Perkow reaction) やアルブーゾフ反応に利用される。リン酸エステル(ホスフェート)は一般式 P(=O)(OR)3 で示され、リンの酸化数は +5 である。難燃剤や可塑剤として工業的に重要である。P−C 結合を持たないので、これらは厳密には有機リン化合物には含まれない。
ホスホランは −5 の酸化数を持ち (δ5λ5)、親化合物 PH5 はホスホランまたは λ5-ホスファン (phosphane) と呼ばれる。リンイリドは不飽和結合を持つホスホランであり、ウィッティヒ反応などで使われる。
リン−炭素二重結合を持つ化合物 (R2C=PR) はホスファアルケン (phosphaalekene)、三重結合を持つもの (RC≡P) はホスファアルキン (phosphaalkyne) と呼ばれる。ホスホリン(ホスファベンゼン)はベンゼン中の炭素1個がリンで置き換えられた構造を持つ化合物である。ホスファアルケンの反応性は多くの場合イミンとは異なり、アルケンと類似する。これはホスファアルケンの最高被占軌道 (HOMO) がリン上の孤立電子対ではなく二重結合にあるためである(イミンでは窒素原子の孤立電子対が HOMO である)。ゆえに、ホスファアルケンはアルケンと同様、ウィッティヒ反応、コープ転位、ディールス・アルダー反応などを起こす。
ベッカー (Becker) らはブルック転位と類似したケト-エノール互変異性を利用し、1974年に最初にホスファアルケンを合成した。
同年、ハロルド・クロトーは (CH3)2PH の熱分解により CH2=PCH3 が生成することを分光学的に示した。
ホスファアルケンの一般的な合成法は適切な前駆体の 1,2-脱離反応を用いるものであり、反応は熱またはジアザビシクロウンデセン (DBU)、DABCO、トリエチルアミンなどの塩基で補助される。
ベッカーが用いた方法は、リン原子を含有するポリフェニレンビニレンの合成にも用いられている[1]。
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