正字体 とは?ページ内リンク ↓ウィキペディア(Wikipedia)記事 ↓Yahoo!知恵袋ウィキペディア(Wikipedia)記事字体(じたい)とは、図形を一定の文字体系の一字と視覚的に認識する概念、すなわち文字の骨格となる「抽象的な」概念のことである。
概要文字は言語と直接結び付いて意味を表すものであり、その結び付いた意味によって字種に分類される。そして異なる字種は、原則としてそれぞれ異なる字体を有する。例として、図1は「かたな」という意味を持つ字であり、図2は「やいば」という意味を持つ字である。このとき図2は、図1と比較して一画多い、異なる字体を有している。 しかし、異なる字種が同一の字体を有する場合も稀にある。これらは同形異字と呼ばれ、視覚的にはまったく区別することができない。 さらに、ひとつの字種に複数の字体が併存していることがある。それら複数の字体は、それぞれ異なる字源から成立している場合もあるし、同じ字源から発生しながらその表現が歴史的・地理的に変化していった結果が固定されている場合もある。例として、図2と図3を比較すると、中央の筆画の交差に差異が見られるが、これらは共に「ジン」という音と「やいば」という意味を持つ字である。このように、字義、字音が等しい同一の字種でありながら、互いに異なる字体を有する文字を異体字と呼ぶ。異体字のなかで、規範として選ばれている字体を正字体と呼ぶ。異体字と正字体については、それぞれ後の項で詳しく述べる。 字体と似た概念に字形(じけい)があるが、これは個別具体の文字の形の総称であり、文字の視覚的な差異はすべて字形の違いとして捉えられる。これまで例として挙げてきた図1・図2・図3についても、字形の違いとして包括することができる。本来、字体は抽象的な概念であるから、何らかの書体によって表現されている字形は、あくまで参考のためのものに過ぎないと考えられる。しかし字形は、常に書体の変遷に応じて大きく変化しているため、あらゆる書体・字形の差を抽象しうる字体というものを想定するのは難しい。 文字コードにおいてその文字集合が包摂規準に従う場合などを除くと、これら字種・字体・字形の弁別は、文字体系を共有するもの同士が、何らかの合意に達することで行われる。すなわち、先に挙げた図2と図3の例についても、これらを字形の違いに留まるものと捉えるか、それとも異なる字体として認めるかということは、一意に決まるわけではない。図2と図3は字形が相違するだけで、異体字ではないと考えることもできる。 なお、文字コードの策定に当たっては、表記体系上必要な句読点や括弧類、スペースなど、意味や音を持たない図形記号の抽象化を含めた、グリフ(glyph)という概念も用いられる。 正字体正字体とは、ある文字において、最も規範的とされる字体を言う。特に、いくつもの字体を有する漢字で問題になり、その選択のしかたによっていくつかの正字の体系が言われる。正字として重要なのはその典拠とそれを正字とする判断であり、四書では、小篆や隷書で示したものが正統の証でもあった。清代の『康熙字典』(1716年)以後は、その字体が規範として尊重された。 康熙字典以前説文解字の親字として示されている小篆は、正字の規範として尊重されてきた。干禄字書は説文解字や経書に示された小篆に基づき、科挙受験者のために楷書の正字体を示した字書である。このような字様書として五経文字、九経字様が引き続き作られた。 康熙字典体康熙帝によって編纂が命じられた康熙字典の字形に基づく字体を指す。全般的には字典に用いられてきた字体である字典体を踏襲しているが、『正字通』でやや過度にわたる規範意識を持って示された字形も、多く採用している。そもそも字典体は、干禄字書系統の字形に代表されるように、一般的に広く流布し、最も常用されていた字体ではなく、小篆の字体に近づけたものが少なくなかった。そのため、康熙字典には伝統的な楷書の字形と異なる字形が多く見られる。 康熙字典は広く流布されたため、そこに示された明朝体の字形を、伝統的な楷書の字体に基づいた明朝体の字形と区別して、康熙字典体と呼ぶ。ただし康熙字典では、皇帝の名を避諱して闕画を行った「 当用漢字・常用漢字当用漢字は、1920年代から具体化しつつあった漢字略字化案(臨時国語調査会「常用漢字」(1923年)など)をもとに、日本の国語審議会が1946年に制定した1850字のことである。この時、同時に他の字の使用が制限された。続いて1949年に当用漢字字体表が告示された。ここでは楷書や草書などで通行していた字体などをもとに、多くの新字体が採用されている。後に人名用漢字が指定されるなど、字数の制限は緩やかなものになった。 当用漢字の後継として1981年に制定されたのが常用漢字である。分かりやすい文章を書くための漢字使用の目安とされ、現在でも新聞や教育機関、官庁などでは、常用漢字以外の漢字の使用を極力避ける。 旧字体当用漢字で採用された新しい字体、すなわち新字体に対して、それ以前に慣用されていた字体を指す。おおまかには康熙字典体と一致するが、そもそも当用漢字の制定以前は、教科書でも複数の字体が併用されているなど、字体について厳密な統一がなされていなかった。ゆえに個々の文字について、旧字体と見なされる字体は必ずしも一定ではない。 簡体字1950年代に中国で新たに制定された中国語の正字体系が簡体字である。簡化字とも呼ぶ。中国およびシンガポールで使用されている。多くは、画数を減らしたり、別の部品を用いるなどの方法で、字体が変更された。また、簡体字の系統でも、施行後に廃止された第二次漢字簡化方案の字などは、現在俗字として扱われる。 繁体字台湾、香港、マカオなどで使用されている、特別な簡略化を受けていない字体が繁体字である。正体字、老字とも呼ぶ。地域によって異体字の扱いが異なったり、字体に細かい異同が見られる。 韓文漢字韓国で使用されている、特別な簡略化を受けていない字体を韓文漢字とも呼ぶ。 新字形1960年代の中国で、康熙字典体に代わる標準印刷字体として制定されたものが新字形である。より筆記体に近い字体が採用され、減画や異体字の整理がなされている。簡体字と混同されることがあるが、簡体字だけでなく繁体字も含めた字体体系である。なお、中国の漢字学においては、字形と字体を一般に区別しない。 異体字同一の文字観念を有する複数の字体であり、実際の使用される文章においては、異体字は相互に置換が可能である。正字体に対して異なる字体を異体字というのと同様に、正字体も別の字体にとっては異体字であり、その関係は相互的である。漢字はその字形のゆれが大きく、また、書体の変遷により、異なる字体を持つことが多い。複数の字体が同一の文字について許容されることもあるが、結果として、別の意味が割り当てられ、その用法が区別されるようになるともはや別字となる(「吊」と「弔」、「著」と「着」、「句」と「勾」、「笑」と「咲」など)。「協」と「叶」は本来、同字の別体であったが、意味が分化し、日本では「かなう」、中国の簡体字では「葉」の意になるなど、国ごとの分化さえ見られる。日本では、壬申戸籍(1872年)の作成の際にあった誤字や書き癖が、戸籍にある字形を尊重した結果、当用漢字・常用漢字に対しての異体字として認知されるにいたる場合も多い。 古字(古文)は、秦の始皇帝による小篆普及以前の大篆(籀文)など、古い字体に基づく字を指す。「一」に対する「弌」、「協」に対する「叶」など。 俗字・通字とは、正字として認められた字体以外で通用されている文字を指す。正字規範の高まりと共に認知されるにいたった。俗字には別の部品を当てるもの、同じ音をもつ部品を当てるもの、画数を減らすもの、別の部品を付け足すもの、異なる発想で会意字を作るものなどがある。「卒」に対する「卆」、「崎」に対する「﨑」(あるいは「嵜」「㟢」)、「吉」に対する「𠮷 異体字の事例異体字は次のようなものに分けられる。
異体字の認定一般に字義・字音が同じであり、同じ文脈で交換して使用可能なものを異体字と認定できる。すべての字義において交換可能なものもあるが、一部の字義にのみ通用される異体字もある。 ただし、特に中国では字義・字音の歴史的な変化により、認定に難しい問題がある。第1には、古代の字音が同じでないもの。例えば、寔(ショク、shi2)と實(実)(ジツ、shi2)は「まこと」という意味、置(チ)と寘(シ、zhi4)は「おく」という意味であり、同音同義語であるが、日本漢字音を見て分かるとおり、古代音においては異なっていた。第2に古代において本義を異にするもの。「修」と「脩」、「彫」と「雕」などは同音同義語であるが、古代において本義が異なる字であった。これらは現代語の観点から言えば、異体字と認定できるが、古語の観点から言えば、異体字と認めることができないものである。 逆に、古代において異体字であったものが、後には意味の棲み分けをして異体字関係でなくなったものがある。例えば、先秦・漢代の文献で「諭」と「喩」はともに「さとす・たとえる」の意味をもち、通用されているが、後には「さとす」は「諭」、「たとえる」には「喩」が使われるようになった。特に意符を異にする異体字間でこのような事例が多い。以前は異体字関係であったものとして、他に、脇・脅、弔・吊、著・着、果・菓、棋・碁などがある。 なお異体字関係にある文字がすべて正字・俗字に分けられるわけではない。時代の流行、個人の趣向などにより同様に広く使われてきたものが多い。また「椀」や「碗」、「槍」や「鎗」、「鉱」や「砿」など同音同義語であるにもかかわらず、材質という細かなニュアンスの違いなどでも次々に異体字が作られる。これらを一概に整理統一することは非常に困難である。 文字集合と異体字JIS X 0208などの文字集合では基本的に情報交換用の文字を示すのが目的であるため、異体字ごとにコードポイントを割り振ったりはしないことが原則である。(ただし固有名詞対応の必要性などから、複数の異体字に個別のコードが与えられているケースが多数見られる)。そのため、コンピュータ上で表示される文字は、フォントを作る場合にその一例として採用した文字にすぎない。符号上は正しい文字だがフォントの関係上意図していた字体と違う場合も多く、異体字を包摂(1つのコードポイントに異体字を統合)せずに別にできる方法が必要という声もある。例えば、いわゆる「髙=はしごだか」と「高=くちだか」では符号区点は1つしかないが、別のコードポイントを与えるべきだとの声もある。 Unicodeでも基本的に事情は同様であるが、その一方で、さまざまな既存の規格を取り込む際に「原規格分離 (source code separation) の原則」によって異体字に別のコードポイントが与えられたものもあり(「髙=はしごだか」と「高=くちだか」もこれに該当)、さらに混沌としている。 Unicodeでは、漢字の異体字の問題については、「異体字タグ」(variant tag) の導入により包括的な解決を企図するとしていた。実際に、Unicode 3.2 では異体字タグは「異体字セレクタ(異体字選択子、字形選択子、英: Variation Selector)」という名称で、16文字分 (U+FE00 - U+FE0F) が、Unicode 4.0では240文字分 (U+E0100 - U+E01EF) が追加された。規格書には「先行する1文字と組み合わせることによって、あらかじめ定義付けされた異なる字体を任意に選択できる」とあり、理屈の上では1文字につき256種類の異体字情報を持つことが出来るようになった。その後、2006年1月13日に漢字で異体字セレクタを使うための漢字字形データベース (Ideographic Variation Database) への登録手続きが定められ、2007年12月14日に最初の異体字コレクションとしてAdobe-Japan1が登録された。ただし2008年3月現在、市販のOSやアプリケーションへの実装は具体化していないため、Unicodeの異体字セレクタを利用して漢字の異体字を表現できるようになるのはまだ当分先のことと思われる。 現状、文字コードに依存せず異体字を切り替えるには以下のような手法が取られている。
上記の手法はいずれもフォントに依存した異体字切り替えであり、異なった環境同士での情報交換にはフォント埋め込みなどの手段が必要とされる。フォント埋め込みが出来る文書フォーマットとしては「PDF」が代表として挙げられる。また、Adobe-Japan文字集合には未対応だが「MS Word」もフォント埋め込みに対応している。他に、Internet ExplorerとWindowsを使用する環境に限られるが「Web Embedding Fonts Tool (WEFT)」[1]を利用すればウェブページにフォントを埋め込むことも出来る。 参考文献
関連項目外部リンクこの記事は、ウィキペディアの記事を複製、改変、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。ことなびに掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。 Yahoo!知恵袋
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