深夜番組(しんやばんぐみ)とは、夜23時から翌朝5時までの時間帯に放送されるテレビ番組・ラジオ番組の事である。
但し、1980年代以降、視聴者や聴取者側が夜更かしをする様になった傾向を受け、このうちの23~24時までの時間帯は「ネオプライム」として区別する場合がある。実際、コマーシャルの放送料金設定は放送局にもよるが、23時台は18時台と同じ「特B」(プライムタイムより安く、全日の朝・昼の時間帯より高い料金)に設定されており、広告媒体としても23時台はかなり重要な位置を占めていると認識されている様だ。
多くの人が聴取・視聴しない事が前提になっているため、その内容は大衆向けに制作していない場合が多い。反面、熱い支持を得られる番組も多数登場している。
ラジオ
ラジオに於いては深夜放送とも呼ばれ、受験生や長距離トラック運転手などに好んで聴かれていた。新しいパーソナリティ発掘の面もあり、現在ラジオで活躍している人は昔深夜番組を担当していた場合も多い。最近はアニメなどの声優が担当する聴取者を特定した番組も多くなっているが、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送系)や『JUNK』(TBSラジオ系)の様にお笑い芸人や歌手などを起用する場合もある。『オールナイトニッポン』(25~27時)、『日野ミッドナイトグラフィティ 走れ!歌謡曲』、『あなたへモーニングコール』を除く番組がローカルセールス枠となっている。深夜の娯楽ラジオは下ネタや暴露話など下世話な話題が多くテレビでは品行方正で売るタレントの意外な一面を見る事ができる反面、女性タレントに際どい下ネタを言わせるコーナーを作るなど、セクハラにつながりかねない内容も一部では物議をかもしている。また、昭和40年代の深夜放送全盛期には司会のアナウンサーやタレントが半ば放送を私物化する事態もまま見受けられ問題化した事もある。
深夜放送も参照
テレビ
テレビの場合、ニュース番組の最終版や就寝時間が近い事もあり、安眠感を誘う様な娯楽番組(具体的には大人向けの落ち着いた音楽番組など)及び放送枠の埋め合わせ的に劇映画や海外のドラマなどを再放送し、また、特別な場合、つまり海外での主要なスポーツ試合・国政選挙・台風などの自然災害や年越しなどの場合、それらの中継・特別番組を放送するのが、草創期以来今日に至るまでの基本形だった。
また、一部の民放局の放送枠に於いて、お色気などの深夜以外の時間帯では刺激の強すぎるとされる娯楽が扱われる事もあり、そのイメージで深夜枠を捉える人も多い。但し、バブル期以降、それ以外のジャンルが多く放送され、今日に至っている。
バブル期以降は、テレビに於いては視聴者の反応を見るためのテスト的な番組や通信販売番組なども多くなった。テスト的な娯楽番組の場合、深夜にも拘らず視聴率が高い番組はより早い時間に放送時間を移動させ、より高い視聴率を獲得しようとする場合が多い。但し、深夜番組でなくなるため、大衆的なスタイルに番組内容を変更する場合が多く、深夜番組の頃のファンの支持を失う場合も少なくない。また、民放の場合、最終ニュース放送終了後の枠はローカルセールスの番組が多い。
小史
- 1965年に『11PM』(日本テレビ・読売テレビ)の放送が開始。これが深夜番組のパイオニアとなり、1990年の番組終了までの25年に渡って大きな影響を与えた。
- 第二次オイルショックの頃には、省エネルギーのために民放各局は郵政省(現:総務省)によって深夜24時以後の放送を休止し、NHK総合とNHK教育は日中も一部放送を休止した時期があった。
- 1983年に『オールナイトフジ』(フジテレビ)の放送が始まった事で生放送型深夜番組のブームが起こった。しかし、これらの中には性風俗を取り上げる番組があり、1985年には衆議院でも問題になったため、同年4月には放送を打ち切られた番組や放送内容の変更を余儀なくされる番組が続出した。
- 1985年に改正・施行された風営法以前は、キャバレーやラブホテルといった風俗店が深夜番組のスポンサーに付いており、現在ではキー局で一切放送される事がないこれらのCMが当時は多く見受けられた(これは1970年代の話で、1980年代以降は皆無に近い。)。
- 一方、それらに対して「報道のTBS」「ドラマのTBS」のキャッチフレーズに象徴されるTBSや、「母と子のフジテレビ」に象徴されるフジテレビはこの様なCMを一切放送しなかった。
- 両局は、1998年までは深夜といえども消費者金融のCMを放送しなかった事でも知られる(地方局ではTBS・フジ両系列であってもこれらのCMが放送される場合がある)。
- 上述の様に、民放の深夜放送には「お色気」が期待された時代が長かった(1960年代後半~1980年代半ば)。しかし、これ以外のジャンルの番組も無論多く放送され、1980年代初頭に土曜深夜にTBSで放送されたベストセラー紹介番組『ザ・ベストセラー』や、1970年より放送が始まり、今日も続く日本テレビ日曜深夜の『NNNドキュメント』などがその代表である。『オールナイトフジ』の名を冠する番組は1960年代末~1970年代前半にも存在しており、同じく土曜深夜に放送されていたが、当時はお色気色は排されていた。
- これらのジャンルの番組に代わり、1980年代末より他の時間帯とは異質の(視聴率度外視・低予算・主に若手スタッフ制作など)娯楽番組や情報番組が放送される様になった。しかし、これらの番組は原則的に関東ローカル(キー局制作の場合)であり、人気番組でも地方局では放送しないか遅れ放送(昼間やプライムタイムのローカル時間帯に放送する事も多い)の事も多かった。
- 平日23時台は各局共報道枠(全国向け放送)となった。『NEWS23』(TBS)や『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)など看板番組になったものも多い。その他、F1などモータースポーツ(主に録画)や欧米の各種競技の中継などスポーツ番組が増え、深夜番組のイメージは一変した(お色気番組の衰退は、アダルトビデオやインターネットの普及、女性層を軽視できなくなった事及び社会の24時間化などが主因とされる。)。
- この流れに一石を投じたのが1993年から放送が開始された『ネオバラエティ』(テレビ朝日)である。同局は平日22時台に『ニュースステーション』(現:『報道ステーション』)を編成しているため、その代替の意味もあって平日23時台にバラエティ番組を編成した。これが新しい視聴者層の掘り起こしに成功し、NHKやフジテレビなども参入して競合番組も現れた。『ネオプライム』のという時間帯の商業価値の向上に大きく寄与している。
- 1987年からは首都圏の民放各局が24時間放送体制を開始する。これに伴い、一部の放送局では空いた時間の埋め合わせも兼ねて在阪放送局制作の人気深夜番組をネットすることとなり、「鶴瓶上岡パペポTV」(読売テレビ制作、日本テレビでは1988年10月からネット開始)を始めとする、一部の関西発の深夜番組が全国区で人気を獲得するケースも出てきた。但し、1991年の一時期に湾岸戦争の影響による省エネルギー対策のため、深夜3~4時前後には放送を終了していた(現在も日曜深夜などに2~3時前後に放送を終了している)。
- 関西地方では、TBSの『ワンダフル』やテレビ朝日の『トゥナイト2』は一切ネットされなかった。女性タレントを主体にした番組や性風俗などを取り上げるお色気番組は関西では受け入れられない傾向があったためである。但し、独立UHF局のサンテレビではお色気色が強い『夜美女』や『のりノリ天国』が放送されていた。
最近の傾向
- 『ワンダフル』の後継番組『pooh!』が打ち切られた後もTBSは深夜バラエティの制作を手掛けて来たが、両番組の頃と比べるとTBS制作の深夜番組を同時ネットする系列地方局が減りつつあり、むしろMBSやCBCが制作する番組をネットする地方局が増えている。
- NHKは総合・教育共に基本的には深夜放送と無縁だった時代が長かった(23時15分前後又は24時前後に放送終了、放送開始は6時。)。例外は、台風などの接近が予想される場合や、外国でオリンピックなどのスポーツ中継がある場合、『ゆく年くる年』に代表される年越し番組が放送される場合(12月31日深夜~1月1日未明)などである。その他、1978年に未明にサッカーワールドカップ(アルゼンチン大会)を放送した事例もある。
- NHK総合テレビが深夜枠を重視する様になるその先駆けとなった番組は、1985年放送の平日23時台の帯番組『スタジオL』である。その後、衛星放送の開始などもあり、民放には遅れたが1990年代半ばから深夜枠の大幅拡大、さらには終夜放送に至った。但し、そのほとんどは再放送で、民放と比べると新作番組の数は少ない。主に中年層を意識した番組が放送されている(『23時のNHK』を参照)。NHKの場合は、公共放送としての性格上、深夜時間帯に突発的な災害や大事件などが発生した場合への迅速な対応も兼ねて終夜放送を行っている(ラジオの深夜番組である『ラジオ深夜便』もこれと同様の体制を取っている)。
- 本放送が深夜であっても、再放送は昼の時間帯などで放送される場合もある。
- キー局が深夜帯での放送であっても、地域によっては夕方や朝の放送となる場合もある(2003年には『らいむいろ戦奇譚』を夕方に放送したサンテレビに対して放送倫理・番組向上機構が回答要請を行った事例がある)。
- ペイチャンネルの「フジテレビ739」では、1980年代に放送されたフジテレビの深夜番組を放送する事がある。
地球環境問題
2008年に京都議定書の効力が発生し、日本にとって二酸化炭素排出量の削減は待ったなしとなった。このため、政府・与党内で「対策の一環としてテレビの深夜放送を自粛すべきだ」という意見が浮上している。
こうした意見を行う議員の念頭には、1970年代のオイルショック時に深夜放送を自粛した事があるものと見られている。しかし、当時とは事情が異なっている。特に、NHKは災害対策基本法などの有事諸法制度により緊急時に行政からの情報を放送で伝える義務を負っており、終夜放送に本腰を入れる事になったのもこれが前提となっている。実際、一旦送信機の電源を落としてしまうと再起動させるのに時間がかかる。さらに、2007年10月1日から緊急地震速報制度が始まったため、ますます休めなくなっている。NHKが休止する場合は、こうした非常事態への対処をどうするのかという問題が重くのしかかる事となる。また、災対法では義務を負っていない民放も近年整備された有事諸法ではNHK同様の義務があるため、法令義務をどう担保するかという課題が浮上する事となる。
NHKの福地茂雄会長は、2008年4月の『地球エコ2008』で、上記の影響を受けない教育放送系統のさらなる放送時間短縮を検討していく事を明らかにしていたが、同年7月の定例会見で、秋改編に於ける実行を検討している事を発表した。そのテストケースとして、同月6日は第1次オイルショック以来34年ぶりとなる23時での放送終了となったが、翌日の「NHKニュースおはよう日本」の放送開始前までに「2008ウインブルドンテニス男子決勝」が決着せず、放送休止を急遽28時25分(翌朝の早朝4時25分)で取りやめて4時30分~教育テレビで試合終了(5時35分放送終了)まで放送する皮肉な結果となった。これは「おはよう日本」のその日のメインニュースが「洞爺湖サミット」関連ニュースを中心に放送していたための緊急処置と見られる。
なお、同年9月のNHK首脳定例会見に於いて、次期経営計画案を先取りする形で、具体的な方針が明らかにされた。教育テレビの深夜の編成を抜本的に見直し、アナログ放送については通常放送終了後停波、砂嵐を復活させるというものである。なお、当初検討されていた「高校講座ライブラリー」の廃止についてはデジタル技術の積極的活用を謳った次期経営計画との絡みやNHK学園高校の態勢作りとの関係もあり、先送りされた模様である。
現在放送中の地上波深夜番組
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NHK制作
日本テレビ制作
TBS制作
フジテレビ制作
テレビ朝日制作
テレビ東京制作
その他の局の制作
ここでは、複数の放送局でネットされている番組のみを列記し、各地域限定のローカル番組については除外する。 ※一部、制作局での放映が終了しているものを含む。
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- その他
- 他
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関連項目
外部リンク

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