
1993年に同時代ライブラリーから出たものの採録。 著者は太平洋諸島、東南アジア、アフリカと広範な地域をフィールドとする文化人類学者。食の観点から比較文化的考察を行っており、本書でも鋭い指摘が目白押しになっている。たとえば箸を使う文化と、そうでない文化の違いは何か。箸を使うならば食材は細かくなっていなければならない。手元で切って食べるステーキは箸では食べられないのである。こんな感じで、一冊がつくられている。「なるほど」を連発してしまう。 ただ、どこか生々しさを感じさせられるのも確か。食の根元的な部分が暴き出されており、生理的に落ち着かない気分にさせられる。
(志村真幸 さんのレビュー)