
金沢出身、東京の大学を出て、沖縄に就職し40年を過ごした著者。
新聞記者という仕事のおかげで、沖縄の、また日本政府の要人を取材したり
入れない場所(米軍基地での重要セレモニー)などに居合わせるチャンスを持ち、
現地の女性と結婚し「沖縄の親戚関係」をも肌で感じつつ40年を過ごした中からの
現在の沖縄への厳しい視線は深い。
著者の職場が全国紙ではなく琉球新報ということで、机上で生まれる思想ではなく
沖縄という地域での思想(右・左という意味)が文章から感じ取れる部分があるが
これは読者が「沖縄の気持ち」としてどう汲み取れば、さらに沖縄という
場所がわかるのでかえって良い。
難を言えば、「琉球新報の記事でキャンペーンをし」「沖縄中が揺れた一大議論に
発展」というエピソードが複数回出てくる。田舎であり、また高齢者も多い土地ゆえ
それは真実なのかもしれないが、新聞を信じていない場所に住む私などからみると
新聞記者特有の驕りにみえ、やや鼻についた。
しかしそれ以外は一読の価値あり。
現代と戦争中の沖縄に関してはそれなりの書物やドキュメンタリーもあるものの
占領下については今まで興味も持っていなかったし知るチャンスがなかったことに
気づかせてくれた。これからしばらく占領下の沖縄についての書物を探してみようと
思った。
(maui さんのレビュー)