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豊饒の海 とは?

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豊饒の海』(ほうじょうのうみ)は、三島由紀夫小説。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の四部作からなる長編。「浜松中納言物語」に題材をとる。1965年から、雑誌「新潮」に連載。

出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』


豊饒の海はてなダイアリーを別ウィンドウで表示  :  三島由紀夫の遺作。四部作構成。輪廻転生を縦糸にそれぞれの作品が展開する。タイの暁の情景は有名。 第一部『春の雪』 第二部『奔馬』 第三部『暁の寺』 第四部『天人五衰』 ▼ 新潮文庫(1990年) ISBN:410105021X ISBN:4103210192 ISBN:4103210206 ISBN:4103210214 ▼ 三島由紀夫全集(2001-02年、新潮社) ISBN:410642553X ISBN:4106425548

出典: 『はてなダイアリー』


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本  春の雪 (新潮文庫―豊饒の海)別ウィンドウで表示

三島 由紀夫 /  最安値(新品): ¥ 660  最安値(中古): ¥ 1 
これほどにまで美しい日本語に触れた事はありません。読んでいて震えと溜息が止まりませんでした。 今は失われてしまった(三島氏に言わせると戦後の経済発展と共に我々が棄ててしまった)、美しい精神がまだ活きていた頃の四季豊かな日本に触れる事が出来ます。(三島氏の発言については『果たし得てゐない約束−私の中の二十五年』を参照されたし)何より素晴らしいのが、瞼の裏に鮮やかに浮かびあがる情景描写の圧倒さ!そして手に取るように伝わる清顕や聡子達の心理描写に於ける表現力の巧緻さ!登場人物の感情は勿論の事、感触、温度、匂いといった五感、更にはその時の心拍数に至るまでが、まるで我が事かのように強烈に伝わって来ます。私は毎回、読後は余りの表現の美しさに当てられてしまい、暫くは酔ったように上気し惚けてしまいます。日本に生まれ日本語を話せる事を本当に良かったと思える一冊です。まあ、話せるのと理解するのは別の問題なんですが。知らない日本語がバンバン出てくるので国語辞典と首っぴき状態でした・・・海外でも多くの国で翻訳され愛されている三島作品ですが(翻訳数では特にイタリアなど)、しかし他国語に翻訳すると、この作品が放つ繊細な日本語の美しさが損なわれて表現しきれないのではないか?と思ったりもします。三島作品は日本語でこそ最も輝くのだと!私は、ドストエフスキーにトルストイ、ヘッセやシェークスピアなどを原文では読めず、訳者のセンスに頼るしかない海外作品に触れる時、少し寂しくなる事があります。「今、読んでいる翻訳された作品は、著者の私生児のような物なのか? 原文(嫡子)を読んでいる人達の受ける感動に、限りなく近付けたとしても決して同列になれないのでは?」という引け目を感じるからです。(訳者の先生方、すみません! 原文が放つ音の美しさなどを知る、知らないは私の学力の問題だと百も承知です。)しかし、もう寂しくありません!何故なら日本語には三島作品があるのだから。三島作品を一番楽しめるのは我々なのだから。日本人の文豪は三島由紀夫以外にも居ますが、日本語の表現力にこれほどにまで感動したのは初めての経験でした。おかげで日本語に誇りを持つという、巡らせた事もない考えに目覚めました。当たり前に使用し過ぎていて価値に気付かないでいたんですね。三島先生、有難うございました。没後40年近くになりますが、私はまだ世間の三島由紀夫への評価は不十分だと思っています。未だに三島事件の印象が強すぎて、戦後の事勿れ主義的欺瞞な平和主義に浸りきった我々日本人には著者への冷静な評価が出来ないでいるのだと。哀しい哉、三島文学は世界の方がよっぽど評価しているのが現状です。新渡戸稲造の『武士道(Bu-shi-do)』や映画『ラストサムライ』のような逆輸入型自国再評価、再認識の羞恥をあと何回繰り返せば我々日本人は自国を誇れるのでしょうか?先達が遺した自国の文化、芸術ぐらい自国民で評価出来ないでどうするのか!?他国の評価を窺う事は謙虚でも美徳でもない。自分の産まれた国ぐらい自分達で誇れないでどうしますか?それを傲慢だ!尊大だ!というのは、大きな間違いなのです。今の日本を思う度、三島氏の遺した『憂国』の言葉が私の中で重みを増すのです。三島文学が50年後、100年後には今よりももっと冷静で正当な更なる評価がされているのを信じて止みません。偉人を知るには我々はまだ彼の死に近すぎるのだと思います。  (Zooey さんのレビュー)

本  奔馬 (新潮文庫―豊饒の海)別ウィンドウで表示

三島 由紀夫 /  最安値(新品): ¥ 740  最安値(中古): ¥ 169 
周到な計算と観念の積み上げによって、忠君愛国の志に満ちた純粋な青年は自らを「美しく完成させ・完結させる」ことを目指す。しかし、周囲の打算・計算・臆病といった汚濁が青年に次々と襲いかかり、青年が理想に向かって積み上げたものの土台が次々に崩れていく。自らの存在の根拠、自らの行為の意味が全て否定されたかに見える中で、青年は自らの願望を成し遂げることができるか・・といった小説。同シリーズ前作の「春の雪」の主人公とは全く方向性が異なるが、「何者をも犠牲にしても良い美」を描いているという点では同じである。小説の最後に向けて、奔馬が疾走するかのように、物語が一気呵成に展開し、光の中で物語は終わる。読後になんとも言えない感動の余韻を残す小説。  (パッション太郎 さんのレビュー)

本  天人五衰 (新潮文庫―豊饒の海)別ウィンドウで表示

三島 由紀夫 /  最安値(新品): ¥ 540  最安値(中古): ¥ 194 
 本多が最後にたどり着いたのは、がらんどうの世界だった。最後の最後まで、三島はミス・リーディングを続けたことになる。つまり、輪廻なんて、この世にゃ、ないのさ、と言ってしまった。本多は透を、亜種のもどきと捉えた。透が登場した時点で、この物語は破局へと向かっていく。ところで、太宰治には、彼が繰り返し語った、難破した水夫の話がある。「雪の夜の話」では、難破した若い水夫の目の中に、燈台守一家の団欒の光景が映されていた、という話が出て来る。三島はあるいは、この話を読んでいたのかもしれない。三島は、この話から、〈燈台〉、〈若い〉、〈目〉という単語を取り出し、透を〈燈台〉に類した場所で働く、何でも良く見えてしまう〈目〉を持っている(と思い込んでいる)〈若い〉男として登場させたのではないか。なんていうのは、私のカンである。  堀部功夫氏は、太宰治が探偵小説を好んで読んでいたことを、「人間失格」の一節よりの引用などから紹介している。あるいは、と思った。「人間失格」もまた、最後の最後まで太宰がミス・リードし続けた作品なのではあるまいか。葉蔵は、いまの自分には幸福も不幸もない、ただ、一切は過ぎていく、そういう認識のうちに生きている、そう告白し、物語から姿を消してしまう。葉蔵なんて人間は、はじめから存在しなかったのではないか。手記を紹介している時代が、敗戦色の濃い昭和二十年ごろ、と推定されるのは、おそらく偶然ではない。戦後、太宰は日本は滅びた、と作品に書いた。葉蔵は、一人の人物などではなく、日本そのものだったのではないか。紹介者による葉蔵の写真、その三葉目の描写は、それを証拠立ててはいないか。眉も平凡、何も平凡、かにも平凡、そんな顔は個人の顔としては不自然だからである。さらに、手記の紹介者が、バーのマダムが受け取った手記に手を加え、作品内に配した可能性もあるのではないか。謎の多い作品である。    (受難の県民 さんのレビュー)




ウィキペディア(Wikipedia)記事


豊饒の海』(ほうじょうのうみ)は、三島由紀夫小説。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の四部作からなる長編。「浜松中納言物語」に題材をとる。1965年から、雑誌「新潮」に連載。

「夢と転生」がテーマ。二十歳で死ぬ青年が、次の巻の主人公に生まれ変わっていく。 仏教唯識思想、神道一霊四魂説、の「シテ」「ワキ」、春夏秋冬、など様々な東洋の伝統を踏まえて書かれている。

第四部「天人五衰」の入稿日に、三島は陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地割腹自殺した。なお、「豊饒の海」とは、月の海の一つである「Mare Foecunditatis」の訳語。創作ノートからは、当初とは全く違った構想だったことがうかがえる。最終巻の解説には当初の予定よりも1年間早く掲載が終了としたとある。

目次

あらすじ


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


第一部・春の雪

生まれたときから貴族であることが約束されている侯爵令息・松枝清顕。何不自由ない生活を送っていたが、流れるままの生活に何かわだかまりを抱えていた。そんな彼にとって、幼馴染の伯爵令嬢・綾倉聡子は特別な存在であった。聡子もいつからか清顕を恋い慕うようになっていた。が、ふとしたことがきっかけで清顕は突き放したような態度をとるようになる。聡子は失望して洞院宮治典王と婚約し、皮肉にもその時清顕はやっと自分の本心に気づいたのであった。そして彼は聡子と禁断のをしてしまい、聡子の妊娠によって二人の仲はついに両家に知れ渡った。聡子は大阪の松枝侯爵の知り合いの医師の元で中絶をし、そのまま奈良の門跡で出家する。一方清顕も肺炎のため二十歳の若さで死に、二人は二度と会えなかった。

第二部・奔馬

聡子と結ばれることなく清顕が死んでから十九年。彼の親友であった本多繁邦は、大阪控訴院高等裁判所に相当)判事になっていた。繁邦は、清顕と同じく三つの黒子を持つ少年、飯沼勲と出会う。繁邦は彼から、愛読していたという『神風連史話』を渡される。勲はその精神を以て有志達と「純粋な結社」を結成、決死の何事かを成し遂げようとしていた。清顕の日記に符合する出来事が起き、繁邦は彼が清顕の生まれ変わりであると確信を深めるが、勲は財政界の黒幕を殺害し二十歳で鮮烈な自殺を遂げる。

第三部・暁の寺

繁邦は、かつて清顕と親交のあったシャム(タイ)の王子と、そのいとこの故郷である、タイのバンコクに来ていた。そこで彼は、日本人の生まれ変わりであると主張する、王女・月光姫(ジン・ジャン)と出会う。繁邦はインドにも旅行し、そこで深遠な体験をする。インドの体験と親友の生まれ変わりに触発され、仏教の輪廻転生唯識の世界にも足を踏み入れた繁邦。やがて終戦を迎え、来日した姫に繁邦は年齢不相応の恋心を抱き、翻弄される。だが、彼女も二十歳で死んでしまう。

第四部・天人五衰

天人伝説の伝わる三保の松原。その近く清水港の帝国信号通信所で働く聡明な16歳の少年、安永透。八十になった繁邦は、透を清顕の第三の生まれ変わりでないかと考え、養子にして英才教育を施す。やがて成長し、転生の話を知った透は、二十一歳の誕生日に自殺を図るが未遂に終わった。しかし透は命をとり止めた代わりに失明してしまう。死期を悟った繁邦は、六十年ぶりに聡子を訪ねるのであった。


以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


登場人物

松枝清顕(1巻)
第1巻の主人公。松枝侯爵家の一人息子。祖父は明治維新の功臣。幼少期には堂上貴族の綾倉家に行儀見習いとして預けられていた。そこの一人娘で幼馴染の聡子と禁断の恋に落ちるが、かなわず病死。滝の下で会うという言葉を残す。
綾倉聡子,のち月修寺門跡(1巻、4巻) 
羽林家綾倉伯爵家の一人娘。清顕より二歳年長で、かつては姉弟のように育った。
本多繁邦(全巻) 
全巻にわたって登場し、主人公の転生に居合わせる。清顕の親友。後に大阪控訴院判事となる。後に退職して弁護士になる。このシリーズ全体のキーポイントとなっている人物
松枝侯爵(1巻、2巻)
清顕の父。
みね(1巻、2巻)
松枝の女中で松枝侯爵の妾。後に飯沼茂之の妻となり、勲を産む。
飯沼茂之(1巻~3巻) 
松枝家の書生。女中であったみねと出奔。勲の父。後に右翼団体「靖献塾」塾長となる。
綾倉伊文伯爵(1巻) 
聡子の父
蓼科(1巻、3巻) 
綾倉家に仕える老女。清顕と聡子の逢引の手助けをする。
洞院宮治典王(1巻、2巻)
皇族軍人。聡子と婚約し、婚姻の勅許が下りる。
飯沼勲(2巻) 
第2巻の主人公。滝の下で会い清顕の生まれ変わりと本多に見られる。國學院大學予科学生。剣道3段。昭和の神風連たらんと行動をおこす。南国に居るという様なうめき声を遺す。
佐和(2巻)
靖献塾の年長塾員。勲の理解者だが、一筋縄ではいかない人物。
鬼頭槇子(2巻、3巻)
歌人で名高い鬼頭中将の娘で当人も歌人。鬼頭家と飯沼家は家族ぐるみの付き合いがある。実在の歌人斎藤史をモデルとする。
ジン・ジャン(3巻)
第3巻の主人公タイ王女。勲の生まれ変わりと本多に見られる。
久松慶子(3巻、4巻)
本多の友人。透に本多の秘密を教える。
安永透(4巻)
第4巻の主人公。中学卒業後、清水港で通信員をしている。後に本多がジン・ジャンの生まれ変わりだと信じて養子にする。 ポスト三島文学である、村上春樹山田詠美 の作品の登場人物の「先駆」となるような戦後的人格。ポスト団塊世代
絹江(4巻)
自分を美しいと思っている狂女。透が心を許している数少ない人物。

影響

映画『地獄の黙示録』を監督したフランシス・フォード・コッポラは、撮影の際、しばしば『豊饒の海』を手に取り、作品の構想を膨らませたそうである。 (妻の「エレノア・コッポラ」著 『ノーツ―コッポラの黙示録』・マガジンハウス (ISBN 4838703945)、『「地獄の黙示録」撮影全記録』(文庫)・小学館 (ISBN 4094025669) )

晩年の市川雷蔵が、『春の雪』の舞台主演を強く希望していたが、病状悪化・逝去で実現しなかった。(「雷蔵、雷蔵を語る」飛鳥新社、藤井浩明によるあとがきより)なお最初の舞台化は、菊田一夫演出で市川染五郎(のち9代目松本幸四郎)と佐久間良子主演で、1969年に上演された。三島も文章を寄せている。

文献

参考

唯識』 を 精神医学 の立場から解き明かした著。

映像化


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