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超弦理論 とは?

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超弦理論(ちょうげんりろん、superstring theory)は物理学理論仮説のひとつ。 物質の基本的単位を大きさが無限に小さなゼロ次元の点粒子ではなく1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論超対称性という考えを加え拡張したもの。 超ひも理論とも呼ばれる。

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おすすめ度4.0(全レビューの平均)1980年代に流行した超弦理論は、1990年代にはいって一時下火となったが、1995年PolchinskiがDブレーンの概念を持ち込み、超弦理論の流行は以前にも増して盛んになった。本書はこのブームを惹き起こしたDブレーンに関する解説書である。単なるお話の本よりも少し高級で、数式アレルギーのある方にはお勧めできないが、超弦理論に関するもろもろの超楽観的な解説記事にうんざりしている方にはお勧めできる。ただしもちろん、WoitやSmolinの超弦理論批判派の本とは異なり、本書の著者は若手の超弦理論研究者で超弦理論肯定派であるから、超弦理論にとって都合の悪いことはあまり強調していない。 1章から4章までは、類推や拡張解釈、希望的観測などうまく織りまぜて、Dブレーンが超弦のソリトンとして存在する基本的に重要な概念なのだと主張する過程を概観する。読者は、ソリトンはもともと厚みがあるはずなのに、p.55で無限に薄いものにすり替えられることに注意されたい。5章から8章までは、Dブレーンの概念に基づくいろいろな話題が取り上げられる。これらは互いに論理的に独立である。既知の理論をDブレーンのイメージを使ってうまくパッチワークし、現実世界と関係づけるという芸当を見せてくれる。科学者の仕事というより、匠の技という感じである。そして肝心の究極理論の構成については9章にコメントされているが、結局雲をつかむような話しかできませんということであろう。 ところで、本書p.81の(3.5)式は重力場の一般座標変換の式のはずだが、変換行列の直積を書くべきところに無限小時空ベクトルの直積の比が書いてある。両者は、字ズラでは似ていても内容は全く異なる。著者はテンソル解析がちゃんと分かってるのか、老婆心ながら心配になった。  (場野量子 さんのレビュー)

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ウィキペディア(Wikipedia)記事


超弦理論(ちょうげんりろん、superstring theory)は物理学理論仮説のひとつ。 物質の基本的単位を大きさが無限に小さなゼロ次元の点粒子ではなく1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論超対称性という考えを加え拡張したもの。 超ひも理論とも呼ばれる。

宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明する理論の候補として、世界の先端物理学で活発に研究されている理論であるが、いくつか不完全な点が指摘されており、実証することも困難なために定説までには至っていない。

目次

概論

超弦理論以前の理論のなかで最も小さなスケールを記述する理論は場の量子論であるが、そこでは粒子を点、すなわち点粒子として扱ってきた。 一方、超弦理論では粒子を弦の振動として表わしており、「閉じた弦」と「開いた弦」がある。 開いた弦はスピン1のゲージ粒子光子ウィークボソングルーオンなどに相当)を含み、 閉じた弦はスピン2の重力子を含む。 また開いた弦の相互作用を考えるとどうしても閉じた弦、すなわち重力子を含まざるを得ない。そのため、強い力のみを記述する理論と捉えることは難しいことがわかった。

逆に言えば、弦を基本要素と考えることで、自然に重力量子化したものが得られると考えられる。そのため、超弦理論万物の理論となりうる可能性がある。超弦理論素粒子標準模型の様々な粒子を導出しうる大きな自由度を持ち、それを元に現在までに様々なモデルが提案されているが、具体的な実験事実を予言しそれが確証されたということは未だない。

基本的な説明

重力を記述する一般相対性理論と物質のミクロな振る舞いを記述する量子力学の折り合いをつけた理論(量子重力理論)の構築というのは物理学者を悩ませていた大問題であるが、超弦理論はそれを解決する可能性をもった理論である。

超弦理論には五つの種類があり、それぞれI型、IIA、IIB、ヘテロSO(32),ヘテロE8×E8と呼ばれる。この五つの超弦理論は理論の整合性のため10次元時空が必要である。通常の3次元に時間を加えた4次元に加えて、残りの6次元は量子レベルで巻き上げられていて小さなエネルギーでは観測できないとされる。また、11次元超重力理論をその低エネルギー極限に含んだM理論は更に1次元を加えて合計11次元を必要とする。これら6つの理論はさまざまな双対性によって互いに繋がっている。

弦の振動は、量子レベルで巻き上げられている6次元により制約を受け、その振動の形により、特定の量子を形作っている。超弦理論では基本的物体は一次元の弦であったが、M理論では加えられたもう1次元によって基本的物体は2次元の膜であると提唱されている。

また超弦理論で表記される10次元中にはDブレーンと呼ばれる様々な次元の拡がりを持ったソリトンが存在する。Dブレーンはもともと一次元の弦が端点を持ちうる空間として定義されているものだが、重力子等の閉じた弦はこの空間に依存せずにブレーン間を往来する。


超弦理論は重力の量子論の有力な候補であり、現時点でも特殊な条件の下でならブラックホールエントロピーに関する問題に答えられる。ブラックホールのエントロピーは表面積に比例しているが、この事実をDブレーンに張り付いた弦の状態を数え上げる、という方法で導き出している。これは熱力学のエントロピーを統計力学の手法で導き出すことに対応している。

宇宙論への応用

ブレーン描像を宇宙論に適用した理論は、ブレーンワールドと呼ばれ、典型的な模型では我々はこのブレーンの上に住んでいることになる。またこのモデルでは、量子力学で使われる3つの力に対して、何故重力が極端に弱いのかを説明がつけられるとしている。つまり、本来他の3つの力、即ち、電磁気力電磁力ともいう)、弱い力強い力に比較して弱いのは、他の次元にその大半が逃げてしまっているためと考えられる。

これに関連して、例えば宇宙論のインフレーションをブレーンの運動で捉えるなど、様々な研究がなされている。なお、ビッグバンは我々の存在する宇宙が所属する膜と他の膜の接触によるエネルギーが原因で起こったとするモデルもあり、エキピロティック宇宙論と呼ばれている。通常のインフレーションを導出しようとする試みも進行中である。

歴史

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

弦理論初期

1950年代末から1960年代にかけて多くの強い相互作用をする粒子(ハドロン)が発見され、それらの分類とその構成の成り立ちについての考察が多数得られ始めた。超弦理論の元となった弦理論はこうした粒子間に働く強い力の性質を記述するために考え出された。

まず、1950年代はじめにレッジェは、ハドロンの散乱実験において、共鳴状態の静止質量の2乗とスピンとの間に直線関係があることを見出した(レッジェ軌道)。1968年にイタリアのガブリエル・ヴェネツィアーノは、レッジェ軌道を再現する非常に簡単な公式で「散乱振幅」として表現した。

その公式を元に、ハドロンは振動する弦であると発表したのが、1970年の南部陽一郎と1971年の後藤鉄男である。それぞれ独立に発表された彼らの弦理論では、ハドロンは粒子ではなく振動する弦から構成され、粒子はそれぞれの振動モードに対応するというものであった。ただしこの理論では、弦の振動が光速を超え特殊相対性理論に反するという欠陥が内包されていた。

南部と後藤の弦理論ではボース粒子のみを記述していてフェルミ粒子は扱えないという問題もあったが、当時はフェルミ粒子を含めてボース粒子以外の記述を弦理論を拡張することで解を得ようという学者は少数派であった。1971年に、フランスのP.ラモン、A.ヌヴォ、アメリカのJ.シュワルツの3人によってボース粒子とフェルミ粒子の両方が扱える最初の超弦理論が提唱された。

第1次ストリング革命

1984年、グリーンとシュワルツによって、10次元の超重力理論および超弦理論でアノマリーのない理論が存在することが示されると、超弦理論は脚光を浴びるようになった。 特にE8×E8のゲージ場を含むヘテロティック超弦理論において、理論の定義される10次元のうち余分な6次元をカラビ・ヤウ多様体でコンパクト化した理論は、低エネルギーで \mathcal{N}=1 の超対称性を持つ理論が導かれ、重力を含む統一理論の候補として盛んに研究された。

しかし、余分な6次元がコンパクト化されるメカニズムが不明であること、コンパクト化として可能な多様体の種類が無数にあり、その中から一つを選び出すことが摂動論の範囲では不可能であることなどの困難が存在した。

第2次ストリング革命

1995年、ポルチンスキーによりDブレーンが超弦理論のソリトン解であることが示され、また、ウィッテンによりこれまで知られていた5つの超弦理論を統一する11次元のM理論が提唱されると、超弦理論は再び脚光を浴びることとなった。 この2つは、それまでに予想されていた種々の双対性(S双対性、T双対性)と組み合わせることで、これまで摂動論の範囲でしか定義されていなかった超弦理論の非摂動的な性質の理解を深めることとなった。 また、Dブレーンの低エネルギーでの性質は超対称ゲージ理論で記述されるため、ゲージ理論を用いて超弦理論の性質を調べること、逆に、Dブレーンの適当な配位を考えることでゲージ理論の非摂動的な性質を調べることが可能となり、精力的に研究された。

このDブレーンは、ブラックホールのエントロピーの表式を統計力学的に導出する際にも用いられ、超弦理論が重力の量子論であることの傍証となった。 また、マルダセナによるAdS/CFT対応は、まったく別の理論である超対称ゲージ理論と超重力理論が等価であることを予想し、超弦理論や重力理論、ゲージ理論に対して新しい知見を与えることとなった。

現状

超弦理論は、現時点では観測や実験事実を説明するまでには至っていないが、上記のようなブラックホールの問題への回答、宇宙論や現象論の模型への多大な影響、そしてホログラフィー原理の具体的な実現など、その成果を挙げるにはいとまがない。超弦理論に懐疑的な発言をしていたスティーヴン・ホーキングも、近年は超弦理論の成果を用いた研究を発表している。

一方で、Not Even Wrong[1](邦訳:ストリング理論は科学か[2]を執筆したPeter WoitTHE TROUBLE WITH PHYSICS(邦訳:迷走する物理学[3]を執筆したLee Smolinのように、超弦理論は誤っているだけでなく、物理学研究全体に有害であるとする反対派・懐疑派も存在している。

問題点

  1. 超弦理論』では現在のところ観測されていない10次元といった多数の次元を必要とする点で問題がある。超高エネルギーでの実験が可能ならばそのような次元を直接確認し、理論を検証できる可能性があるが、21世紀初頭の技術的展望では不可能だとされている。
  2. 超対称性理論と同様に、現在観測されている素粒子の倍程度の新粒子の存在を予言する。
  3. 重力の量子論の有力候補とされているものの、現在の超弦理論は背景依存の理論形式であり、背景独立でない理論は真の量子重力理論にはなり得ないという批判がある。
  4. カラビ-ヤウ空間の形状などに依存して、膨大な数の超弦理論が存在し得る。そのようなパラメータを調整して、我々の宇宙の物理法則と適合する超弦理論を選び出すことは計算量の面から非常に困難なことが判明している。膨大な数の超弦理論が、それぞれ別の宇宙を表すとの考え方もあるものの、我々の宇宙の法則を得られなければ、実用理論としては意味が無いかもしれない。

このため超弦理論を正式な物理学上の仮説として扱うことに疑問を持つ物理学者も多く、超弦理論を研究する学者は物理学者ではなく弦理論研究者(String theorist)と区別されることもあった。

しかしながら、現在も探求が行われている分野でもあり、かつまた、その研究の発展は数多くの大統一理論及び超統一理論の候補の一つとして、今も数多くの研究が行われている。

関連項目

関連理論

読み物

以下に掲げるのは、超弦理論とその解説について書かれた平易な読み物である。薄い論文を分かりやすくするために、著者が様々な比喩や工夫を施してある。多くは、宇宙の誕生期に相当する理論解明を目的として書かれているため、宇宙論を志望する人などにお勧めしたい。

  • Brian Greene, The Elegant Universe, Vintage Books 1999, 2003, ISBN 0-375-70811-1
  • Lisa Randall, Warped Passages -Unravelling the Universe's Hidden Dimensions, Allen Lane, 2005
  • 川合光(著),はじめての超ひも理論 -宇宙・力・時間の謎を解く-,講談社現代新書,2005, ISBN 978-4061498136[4]
  • ミチオ・カク(著), 斉藤隆央(訳), パラレルワールド -11次元の宇宙から超宇宙へ-, NHK出版 2006, ISBN 978-4140810866
  • レナードサスキンド(著),村田陽子(訳), 宇宙のランドスケープ -宇宙の謎にひも理論が答えを出す-, 日経BP 2006 ISBN 978-4822282523
  • 橋本幸士(著),UT Physics2 Dブレーン -超弦理論の高次元物体が描く世界像-, 東京大学出版会, 2006, ISBN 978-4130641012

教科書

  • Michael B. Green, John H. Schwarz, Edward Witten (1988). Superstring Theory. Cambridge University Press. ISBN 978-0521357524. 
超弦理論の最初の教科書。
  • Joseph Polchinski (2005). String Theory. Cambridge University Press. ISBN 978-0521672276. 
  • Joseph Polchinski (2005). String Theory Vol. 2. Cambridge University Press. ISBN 978-0521672276. 
D-ブレインの発見者が書いた教科書で、90年代前半の発展までがまとまっている。
  • 太田信義 『超弦理論・ブレイン・M理論』 シュプリンガーフェアラーク東京〈シュプリンガー現代理論物理シリーズ〉、2002年。ISBN 978-4431709701
著者が大阪大学理学系大学院(前期課程)の講義で使ったノートをまとめたもの。
  • Barton Zwiebach (2004). A First Course in String Theory. Cambridge University Press. ISBN 978-0521831437. 
弦理論の平易な側面から学ぶことが出来るように書かれた教科書。
  • Elias Kiritsis (2007). String Theory in a Nutshell. Princeton University Press. ISBN 978-0691122304. 
  • Kartin Becker, Melanie Becker, John H. Schwarz (2007). String Theory and M-Theory: A Modern Introduction. Cambridge University Press. ISBN 978-0521860697. 
超弦理論の基本的な説明から始まって、AdS/CFTなどの最近の発展まで触れた教科書。

原論文

  • 1992年以降の論文のプレプリントは、arXivhep-thセクションで読むことが出来る。日本国内からは、京都大学基礎物理学研究所のミラーを使うことが推奨されている。

脚注

  1. ^ Woit, Peter (2006). Not Even Wrong. Jonathan Cape. ISBN 978-0224076050. 
  2. ^ ピーター・ウォイト 『ストリング理論は科学か』 松浦俊輔訳、青土社、2007年。ISBN 978-4-7917-6369-6
  3. ^ リー・スモーリン 『迷走する物理学』 松浦俊輔訳、ランダムハウス講談社、2007年。ISBN 978-4-270-00292-6
  4. ^ 当時、著者が理化学研究所との併任へと移行する時期と重なったため、ルポライターの高橋繁行によって記述が行われた。

外部リンク

超弦理論の解説



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