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西田 典之 /
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目次 |
社会上の身分の例としては、職業の別、国籍の有無、住民であるかそうでないかなどがある。主に職業欄に記すものが多い。公務員・従業員・民法上の社員・個人事業主(職業欄は自営業などと記す場合が多い)・学生などがその例である。法的な身分としては、皇族の身分、公務員の身分、法人・結社の役員、従業員等の身分がある。以下に例示する。
一部の公務員については、その地位およびその地位に伴う権利義務の不利益変更が制限されており、このことを身分保障と呼ぶ。日本においては裁判官が憲法上の身分保障を受け(憲法第78条~第80条)、職務上の独立性が求められる公務員に関しては法律で強い身分保障の制度を定めているほか、一般職の公務員についても不利益処分の基準・審査手続を法定する(例: 国家公務員法第74条~第75条・第89条以下)など身分保障が図られている。
親族上の身分については、日本では民法に定めがある。民法における身分とは、親族法上の特定の地位をいう。例として嫡出子、非嫡出子などがある。
犯罪上の身分については、日本では刑法に定めがある。刑法において身分とは、特定の犯罪の主体となるのに必要とされる特殊な地位または状態をいう。行為の主体にかかる身分が要求される犯罪を身分犯とよぶ。
例として、強姦罪における男性(女性を「姦淫」し得るのは男性のみであるから、犯人が「男性」という地位を有することが構成要件となっていると解釈できる)、収賄罪における公務員(犯人が「公務員」という地位を有することが構成要件となっている)などがあげられるが、これらに限られず「男女の性別、内外国人の別、親族の関係、公務員たるの資格のような関係のみに限らず、すべて一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態」をいうとするのが、判例(最高裁昭和27年9月19日刑集6巻8号1083頁)である。
すなわち、犯人が犯罪行為との関係で他の一般人が有しない特殊の地位又は状態(男女の別も「身分」とされていることから理解されるとおり、「特殊」といっても「そのような地位又は状態を有しない人が相当多い」という程度の意味にすぎず、希少な地位又は状態に限るわけではない。)を有する場合に、その犯人の特殊の地位又は状態を身分という。
身分犯は、真正身分犯と不真正身分犯とに分けられる。
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為(刑法65条1項)、すなわち、犯人が一定の身分を有することが構成要件となっている犯罪行為を、真正身分犯という。例として、収賄罪、強姦罪がある。
身分によって特に刑の軽重があるとき(刑法65条2項)、すなわち、犯人が一定の身分を有することで法定刑が加重され又は減軽されている犯罪行為を、不真正身分犯という。例として、常習賭博罪(犯人が常習者であることで通常の賭博罪よりも法定刑が加重されている)がある。
いわゆる家柄・門地、世襲する地位、役職などを指した。民主主義が定着した国では、もはや過去のものとなったが、現実にはカーストなど封建主義的な身分制度や文化を維持している国・社会も少なくない。
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