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鉛蓄電池は、正極(陽極板)に二酸化鉛、負極(陰極板)に海綿状鉛、電解液として希硫酸を用いた二次電池である。 正極から電解液中に硫酸が移動することで充電され、電解液中の硫酸が正極に移動することで放電を行う。
放電すると正極で水が作られるために電解液の比重は低下し、逆に充電すると上昇する。
公称電圧は単セルあたり2ボルトと、比較的高い電圧を取り出すことができ、電極材料の鉛も安価であることから、二次電池の中では世界でも最も生産量が多い。 短時間で大電流放電させたり、長時間緩やかな放電を行っても比較的安定した性能を持ち、アルカリ蓄電池類の弱点であるメモリー効果は無いが、逆に放電し切るとサルフェーションと呼ばれる現象を起こして性能を著しく悪化させるため、使用すれば出来るだけ早く充電することが望ましい[1]。他の蓄電池に比べて大型で重く、希硫酸を使うために漏洩や破損時に危険が伴う。
自動車のバッテリーとして広く利用されているのをはじめ、産業用として商用電源が途絶えた時のバックアップ電源の用途や、バッテリーで駆動するフォークリフト・ゴルフカートといった電動車用主電源などにも用いられている。 また小型飛行機用としても広く使われている。自動車・小型飛行機いずれの場合も、オルタネーター(交流発電機)で発生した交流をダイオードによって全波整流することによって直流にして充電される。 その際の充電方法は定電圧充電法であり、レギュレータによって一定電圧でバッテリーを充電している。
| 放電時 | 充電時 | |
|---|---|---|
| 負極 | ![]() |
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| 正極 | ![]() |
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上の表のごとく、鉛蓄電池はPbとPbO2との間に存在するPbの酸化数の差を利用した電池である。すなわち、Pbは酸化数+IIを取るのが最も安定であるので、酸化数+0のPbおよび+IVのPbO2とがPb2+に変化しようとする性質から起電力を生じる、と理解することができる。上の2本の式は1本にまとめることができる:
鉛蓄電池は放電し切ると、負極板表面に硫酸鉛の硬い結晶が発生しやすくなる。 この現象はサルフェーション(白色硫酸鉛化)と呼ばれる。 負極板の海綿状鉛は上述のサルフェーションによってすき間が埋まり、表面積が低下する。 硫酸鉛は電気を通さず抵抗となる上に、こうした硬い結晶は溶解度が低く、一度析出すると充放電のサイクルに戻ることができないので、サルフェーションの起きた鉛蓄電池は十分な充放電が行えなくなり、進行すると使用に堪えなくなる。
一方、正極板の二酸化鉛は使用していくにつれて徐々にはがれていく。 これを脱落と呼び、反応効率低下の原因となる。
鉛蓄電池が使用できなくなるのは、これらの電極劣化による容量低下が主な原因である。 鉛蓄電池は、他の二次電池と異なりメモリー効果が無いため、過放電を避けて使用すれば充電を行い、いつも充電容量を満たしておく運用が望ましい[1]。 また、一般的に鉛蓄電池は深い充放電に弱い傾向があり[要出典]、そのような使い方をすると数回程度の使用で使用不能に陥るおそれもある。 自動車の場合、整備事業者の間では車検の時に交換する手法がとられている。[要出典]
空になるまで放電させる用途のために電極を改良したディープサイクルバッテリーも存在する。
他に電極端子や安全弁、それらのシール材や表示物がある。
従来の電極の格子を構成する単なる鉛に代わって、新たな電極格子の材質として鉛、スズとカルシウムの合金が使われている。こういった材質の工夫などで自己放電が著しく減少し、最近では1年に20%程度しか消耗しない[1]。
鉛蓄電池は人体や環境に有害な鉛や硫酸を含んでおり、一般の廃棄物として捨てることができない。このため、電池工業会と各電池メーカーを中心に交換用のバッテリーを販売した店が廃棄する鉛蓄電池を下取りするリサイクル制度が整備されている。無店舗販売によって購入した場合には、不要となった時に適正な処分方法を考慮しなければならない。廃棄された鉛蓄電池は、大きく分けて鉛・プラスチック・硫酸に分けられるが、硫酸以外は資源として価値が高い為に、業者間では有価物として取引されている。また、中国などへ輸出する業者も存在するが、バーゼル条約に抵触する可能性もあり、もし違反になれば排出者も罰せられる場合がある。 以上のことから鉛蓄電池を処分する時には慎重にならなくてはいけない。
比重値は電解液の温度によって補正する必要もあり、正確な充電状態を把握する目安でしかない。比重値1.28が良いとされているのは伝導率が良いからであり、EBバッテリーについては必要性が無い。
鉛蓄電池の電解液の中和には重曹(炭酸水素ナトリウム)を用いる。液量が減少した場合には希硫酸ではなく精製水を注入する。
機能が低下したバッテリーの回復を目的とした添加剤がカー用品店で出回っているが、その多くはサルフェーションの発生・抑制を図るという予防的なものであり、すでに機能が失われたバッテリーを復活させる目的のものではない。 バッテリー上がりの応急措置としての効果もないことから注意が必要である。 似たようなものに「バッテリー強化剤」などと銘打ったものも販売されているが、これはほとんどのものがただの蒸留水と考えてよい。
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