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鍵盤付きグロッケンシュピール とは?

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鍵盤付(き)グロッケンシュピール(けんばんつきぐろっけんしゅぴーる)は、鍵盤式グロッケンシュピール(けんばんしきぐろっけんしゅぴーる)、鍵盤型グロッケンシュピール(けんばんがたぐろっけんしゅぴーる)など複数の和名を持つが、金属打楽器としての鍵盤楽器である。鉄琴鍵盤によって奏する。楽器の呼称には、後述する歴史的な背景が多く絡んで複雑な経緯を内包している。

出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』


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鍵盤付(き)グロッケンシュピール(けんばんつきぐろっけんしゅぴーる)は、鍵盤式グロッケンシュピール(けんばんしきぐろっけんしゅぴーる)、鍵盤型グロッケンシュピール(けんばんがたぐろっけんしゅぴーる)など複数の和名を持つが、金属打楽器としての鍵盤楽器である。鉄琴鍵盤によって奏する。楽器の呼称には、後述する歴史的な背景が多く絡んで複雑な経緯を内包している。

チェレスタ19世紀末に発明された後、永い間忘れ去られていたこの楽器が20世紀に入ってからようやく復興され、徐々に作曲家たちが起用するようになった。そのため、チェレスタの後発楽器であるような誤解を受けているが、実は新しい楽器ではなく、17世紀に既に存在していたたいへん古い楽器である。

チェレスタのくぐもった可愛らしい音色とは異なり、この楽器はきらきらとしたきらびやかな音色を特徴としている。近年になってこの楽器が出回るようになるまでは多くチェレスタによって代用されてきたが、表現が全く異なるため、現在ではその代用は敬遠されている。この楽器が入手できない場合には、音色の異なるチェレスタでの代用ではなく、より音色の近い鉄琴を奏者2名で演奏して代用されることが多い。

目次

グロッケンシュピールの歴史

カリヨンの機構を製作する古い肖像画(後で手鍵盤が設置されるが、現状は足鍵盤の連動機構のみが準備されている段階である)
カリヨンのバトン鍵盤(1)
カリヨンのバトン鍵盤(2)
フランス・ペルピニャンのサン=ジャン=バプティスト教会でのブライアン・スウェイガーによるカリヨン演奏

そもそも、西洋教会などに付属した鐘のことを独語でGlock:グロック(単数形)と称する。それを複数設置して、演奏台によって音楽を奏することができるようにしたものを独語でGlockenspiel:グロッケンシュピールと称し、Glocken:グロッケン(複数形)+ spiel:シュピール(一式、セット、演奏の意味)という由来によっている。グロッケンシュピールのことを、仏語ではCarillon:カリヨンと称する。これは、教会以外に、市庁舎などにも設置され、街中に鐘による調べを奏でることができた。大規模な楽器であるため、大時計と連動させて自動演奏させたり、からくり仕掛けによって人形と連動させたり、様々な先鋭的趣向が施されていることが多く、そのように演奏台によるもの以外も多く存在する。

このグロッケンシュピールは、音を出せばたちまち街中に響いてしまうため、奏者が実物によって練習することも難しく、その音色をより手軽に手に入れるため、金属の棒によって鐘を代用し、それを鍵盤演奏によって叩いて発音する楽器が17世紀に登場した。これは、カリヨネア(カリヨン奏者)の練習用以外にも、音楽用や室内用に使用された。それは、ヘンデルの「サウル」HWV53、「陽気な人、思い耽る人、穏健な人」HWV55などや、モーツァルト魔法の笛K.620などの古い作品に起用された使用例があるが、当時はまだ楽器の姿が統一化されて定着していたわけではなかったため、鍵盤演奏によって金属を叩き、鐘の音を模倣するという程度の示し合わせしか見出すことは困難である。資料によっては、ガラス棒を叩いて発音したという記述さえ残っているが、通常は金属棒であり、しかしその規模は大きいものから小さいものまで、そして金属棒が縦型に設置されたものから横型に設置されたものまで多種多様で、製作者たちの創意にまだ自由に任されていた発明品であった。

その後、鍵盤部分が取り払われて金属が剥き出しになっている新しい型のグロッケンシュピールが発明された。この、打楽器としてばちで叩く様式の楽器が、現在グロッケンシュピールという呼称が定着しているものであるが、そもそも、祖先の鍵盤式のもの、そして更に祖先の鐘を鳴らすものもグロッケンシュピールと称されていた。ばち式のグロッケンシュピールが登場してからは、それでことが足りたため、鍵盤式のグロッケンシュピールは姿を消すようになってしまい、西洋音楽作曲家たちも、ばち式のグロッケンシュピールしか使用しなくなった。

チェレスタ19世紀末に発明された後、徐々に作曲家たちがそれを起用するようになり、鍵盤操作による華やかな楽句が書かれるようになった。それらは、もはやばち式による既存のグロッケンシュピールで真似のできないものであり、超高音による細やかな楽句が作曲界に流行するようになった。その後、チェレスタとは音色の異なるグロッケンシュピールによっても同様の走句が要求されるようになり、20世紀にようやく、鍵盤式のグロッケンシュピールがフランスにおいて復興されることとなった。但し、本来のグロッケンシュピールとは鍵盤式のものを指し示すものであったが、後にばち式のものを単純にグロッケンシュピールと称するのが定着し、座を奪われてしまったせいで、それとあえて区別するため、本家のグロッケンシュピールに「鍵盤付・鍵盤式・鍵盤型」などという装飾語が付けられて呼ばれることとなった。また、この楽器の復興と時期を同じくして、鍵盤式のシロフォン(木琴)もフランスで開発され、バルトークの「青ひげ公の城」(1911年)などで使用されている。

各国語の名称

  • 英:keyboad Glockenspiel, Keyed Glockenspiel
  • 独:Klaviaturglockenspiel, Glockenspiel mit Klaviatur, Glockenklavia
  • 仏:jeu de timbres à clavier, clavitimbres, glockenspiel à clavier
  • 伊:campanelli a tastiera

仏語でGlockenspiele(最後にeが付く)と書かれている場合には、この楽器を指すのが一般的である。Jeu de timbres(ジュ・ドゥ・ティンブル)とのみ書かれている場合には、通常のグロッケンシュピールと名称上区別が付かないため、作曲者自身の指示や初演時の確かな情報が伝え残っていない場合には、パートの内容や時代的背景などから判断して、どちらか相応しい方を指揮者などが判断して使用することとなる。

チェレスタとの比較

チェレスタとよく似た楽器であるが、チェレスタハンマーフェルト製であり、本楽器のハンマー象牙動物などによっているため、前者は柔和な響きとなり、後者は眩しい響きとなる。相互に代用はとても効かないほどの音色の違いがある。

現代の楽器

シュトットガルトの楽器メーカーであるシードマイヤー社は、3オクターヴ半/52C-95Gの音域で製作していた。この楽器は、チェレスタ同様、鉄板にある程度の横幅が必要で、共鳴箱も設置する必要性から、鍵盤の幅に合わせてピアノの弦のように発音部を横に並べることができず、発音部を何段かに分けて設置する必要性があった。そのため、数段に分けられたハンマーに鍵盤の動作を伝える必要があり、パイプ・オルガントラッカーローラー・ボードの仕組みを応用した機構となっていた。しかしながら、この仕組みでは敏速な動作を正確にハンマーに伝えることは無理であり、永い間、表現の効かない不自由な楽器であった。

ヤマハ1999年に4オクターヴ/45F-93Fの音域を持つ楽器を制作し、ウィーン・フィルハーモニーによるザルツブルグ音楽祭等で活用され、瞬く間に世界のオーケストラから注文が殺到するようになった。ヤマハチェレスタと共に、この楽器をより楽器としての性能を上げるべく改良し、トラッカーローラー・ボードの機構を廃止し、発音部を真横に並べられるようにした。また、従来の楽器はハンマーが上から下へ叩き下ろす形であったが、グランド・ピアノの機構を起用し、下から上へと叩き上げる形にした。このことによって、表現力が格段に上がり、強弱が広くつけられ、困難な楽句もピアノ同様に演奏できるようになった。ハンマー部は、最初は真鍮も使用していたが、現在は奈良公園の鹿の角を加工して、現在入手できない象牙の代用としている。2005年には4オクターヴ半/40C-95Gの音域を持つ楽器を発表し、2008年には、更に安価な新しい型の楽器を発表し、市場に送り出している。

空白期間前の使用楽曲例

1739年:「サウル」HWV53
1740年:「陽気な人、思い耽る人、穏健な人」HWV55
1791年:『魔法の笛(魔笛)』K.620

空白期間後の使用楽曲例

1905年:『交響曲第7番
1912年:『マ・メール・ロワ
1909~12年:『ダフニスとクロエ
1924年(未完):『トゥーランドット
1946~1948年:『トゥーランガリーラ交響曲

関連項目

外部リンク

参考文献

  • 「新版打楽器事典」,網代景介 岡田知之著, 1981年, 音楽之友社
  • 『[完本]管絃楽法」,伊福部昭著, 2008年,音楽之友社

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