1856年 とは?
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 フロイトは単著としてはじめて出版した本。発刊された当初は100部ぐらいしか
売れなかったが、この本をきっかけにフロイトの下に将来の精神分析家が段々と集ま
るようになった。
フロイトの論文や本の特徴として他からの引用がほとんどないことが一つ挙げられ
る。それは、精神分析という新しい分野の創始者ということで引用することができな
かったということである。引用なく、あれほどの理論を構築していったことはかなり
大変なことであったろうと思う。
しかし、本書では最初の方で、今までの夢についての理論や解釈について様々な引
用を多数している。フロイトにしてはかなり珍しいことである。やはり夢という一般
的に存在が認識されているものを扱い、これまでの夢の認識を一新するためには、こ
のような引用も必要だったのかもしれない。ただ、これまでの夢についての研究レビ
ューがやたら長いので、この部分でつまづいてしまいそうにもなってしまう。
本書の面白くなってくるのはやはりフロイト自身の夢を分析した「イルマの注射の
夢」であろう。自分の夢を赤裸々に開示して、それを分析していくことはかなりの抵
抗のあったことであろうと思う。しかし、この夢の詳細な分析を通して、フロイトは
夢は願望充足であるという命題を打ち出すことができたのである。
しかし、この「イルマの注射の夢」は確かに願望充足であるが、本書のあとのほう
で論じられるような幼児的願望であるかどうかについてはあまり述べられていないよ
うに思う。どちらかというと社会的な虚勢心や羞恥心が大きいように思う。それでも
、その心性を掘り下げたら男根的・エディプス的な願望に行き着くのかもしれないが。
(ピュアリー さんのレビュー)
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 本書『機知』は、ベルクソンの『笑い』と並ぶ、笑い研究の古典。フロイトによれば、無意識下に抑圧されていたものが「ほのめかし」によって開示され、通常は抑圧のために使われていたエネルギーが瞬間的に放出されるのが笑いである。性や排泄など、公然と語るのを禁じられているものがほのめかされると、人は笑う。つまり笑いは、人間の生命的無意識が社会的規範に反抗するものなのだ。「猥談」についてのフロイトの分析は、薀蓄を傾けたもので、記述は微に入り細を穿つ(p115f)。だが、ユダヤの方言も混じるドイツ語の機知は、高度な言葉遊びなので、翻訳はとても難しい。註の充実したこの新訳で、はじめて理解できる箇所も多い。旧訳(人文書院版全集第4巻)と比べてみよう。「奥さんは雨傘のようなものである。それでも人は便利なものを使う」(旧訳296)、「妻は雨傘のようなもの。持っていたとしても、ひとは便利なみんなの乗り物(コンフォタブル)に乗る」(新訳92)[妻がいても風俗に行く夫がいる]。「二人で寝られる女、一人で寝られる教会の椅子」(旧訳302)、「二人寝用の女性、一人寝用の教会の椅子」(新訳102)[女性は男が一緒に寝るためのベッドだが、教会の椅子は説教に退屈して寝る所]。「[隣室で出産する男爵夫人の痛がる声が聞こえる]「ああ何ということ」、医者はまだ行かない。次に「神様、神様、なんて痛いんでしょう」、医者は「まだですよ」、ついに「あい、わあい、わあい、わあ」、医者やっと行く」(旧訳298)、「(フランス語で)ああ神様、何て痛いの」、医者は首を振る。「(ドイツ語で)神様、神様、何て痛いの」、医者「いや、まだ」、ついに「おお痛え」、医者「そらきた」」(新訳95)[お高くとまったハイソな男爵夫人が、最初おふらんす語で、次に純正どいつ語で、最後に自分の生まれた方言イディッシュ語で叫んで、はじめて医者は本気にする。]
(お気に召すまま さんのレビュー)
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