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AMステレオ受信機 赤く描かれたAMステレオ対応を示すロゴタイプが見える(ソニーSRF-A300)
AMステレオ放送(-ほうそう)とは中波放送(AM放送)のステレオ放送である。
概要
沿革
歴史世界1波によるAMステレオの発明に関する歴史は古く、1926年11月、アメリカ電信電話会社のP.K.Potterが直交変調方式(QUAM方式、後のモトローラ方式の基礎となるもの)を発明し特許を取得したことが最初である。 1958年、ステレオ・レコードの発売の同じ年に米でAM放送のステレオ化の提案が行われ、その後WABC、WCBS、WNBC、KDKAの計4局が実験放送を行った。しかし米では同時にFMステレオ放送の標準方式の検討が行われた時期であり、AM放送全盛の中で本格的にFM放送の振興を図ろうとする連邦通信委員会(FCC)の思惑があり1960年頃、同委員会はAMステレオ放送の申請を却下した(ちなみに日本でも1962年から2年間、TBSラジオがAM-FM方式によるステレオ放送の実験を放送終了後に行っていた)。 その後1970年に入り、アメリカでは高音質のFMステレオ放送が人気をよんだこともありFM放送のリスナー数がAM放送のそれよりも上回るケースが出てきた。これを機に再度、AMのステレオ化が全米のAM各局から叫ばれてそれを実施したいAM局が集まり、1975年9月、全米AMステレオラジオ委員会(NAMSRC)が設立された。 AMステレオ方式の標準方式を決めるべく実験放送等を行って検討し、1977年12月に報告書をFCCに提出。1978年、FCCはこれを受け、AMステレオの標準方式を決めるためにカーン方式(ISB方式)、モトローラ方式(C-QUAM方式)、マグナボックス方式(AM-PM方式)、ベラー方式(AM-FM方式)、ハリス方式(VCPM方式)の計5方式を選定。 その後、NAMSRCによって再度実験・討議され、その中から1979年、NAMSRCはマグナボックス方式を標準方式として決定。これを受けて連邦通信委員会も1980年4月同方式を標準方式とする仮決定をしたが、その後、この仮決定の理由と内容が不十分だとして、米国商業放送連盟(NAB)の大会等で関係技術者から反対の声が相次いだことや、他のメーカーからの異議申し立てがあり、この仮決定は撤回され改めて標準方式の選定に入ったが、1982年3月、連邦通信委員会は全ての方式を認可する決定を下し自由競争に任せた。 同年7月、米のKDKA、KTSAの2局がカーン方式による全米初のAMステレオ放送の本放送を開始した。しかしその後、米大手カーラジオメーカーであるデルコ社が搭載するAMステレオチューナーの方式にモトローラ方式を採用(同社は米GM社、クライスラー社、フォード社等多くの自動車用のチューナを製造している)。この決定がモトローラ方式を採用するAMラジオ局を多くする契機となった。 これを機に、1984年10月にオーストラリアで、その後、相次いでAMラジオ放送の標準方式としてモトローラ方式を採用する国が多くなった。また、このことを受けてか同年12月にはハリス社がモトローラ方式の放送システムを製造販売するライセンス契約をモトローラ社と締結したため、ハリス方式は事実上市場から撤退することとなった。 その後、日本、カナダなど各国でモトローラ方式が標準方式になり、また、全米でも同方式が主流になったこともあり遂に1993年、米連邦通信委員会はモトローラ方式をAMステレオの標準方式とする決定を下した。 日本では1979年から室内実験が、1986年からは地上波に於いての実験が行われ、1991年4月、モトローラ方式を標準方式とする決定を下し、1992年3月15日9時にモトローラ方式によって東京と大阪にある民放5局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、MBSラジオ、ABCラジオ)でステレオ放送がスタートした。 日本AMモノラル2波によるステレオから1波ステレオの方式決定まで日本でのAMステレオ放送の歴史は通常のAMモノラル放送を2波を使ったステレオ放送が1952年12月〜1965年頃まで良く行われており、人気を集めていた(詳しくはラジオ#複数の放送波による立体放送を参照のこと)。しかし、この2波ステレオもFMステレオの登場と共に姿を消した。 こういう刺激もあってのことか、日本でも1962年から約2年間、TBSラジオが放送終了後にAM-FM方式によるステレオ放送の実験を行っていたが、実用化には至らなかった[9]。 日本でのAMステレオ放送の気運が高まってきたのは1979年になってからのことで、米のAMステレオ放送の動きに刺激され、NHKを始め民放各社が翌年頃まで室内実験を各地で行っていた。主な実験を挙げてみると、同年2月にまず文化放送が室内実験を行い、翌年には4月に米FCCがAMステレオの標準方式にマグナボックス方式を採用したことが契機となり、ニッポン放送が山水電気の協力を受けて同方式による室内実験をマスコミ関係者に公開した。しかし、同方式の決定が翌年白紙撤回されるとこの室内実験の行われなくなり、再度米FCCの決定待ちの状況となった。 その後1982年3月の米FCCの5方式全部認可の決定を受け、同年、日本民間放送連盟は中波専門部会の中に中波ステレオ放送分科会を設置。米で認可された全5方式について室内実験及び検討を行い、1985年に報告書を発行した。 この報告を受け、1986年、放送技術開発協議会(BTA)が前年に行われたつくば博用の会場に開設された期間限定の中波(AM)ラジオ局「ラジオきらっと」(周波数855kHz、出力1kW、コールサイン:JO2C)の施設を受け継ぎ、1988年まで実験放送を行った(AMステレオ実験局になってからは呼出名称は「BTAステレオ実験」に変更された)。 「ラジオきらっと」の技術を担当した文化放送の技術スタッフが引き続きこの実験局に常駐し、出力を変えたりアンテナ特性を変えたりして送受信特性を調査した。また、この時、同期中継のテスト用に中継局「BTAステレオ実験2」(出力10W)の運用試験も行われた。 1988年11月、2年間の実験結果の報告書が郵政省に提出された。その結果は
であった。 郵政省はこの報告を受け、1989年1月に電気通信技術審議会(以下電通技審と略す)に対し「中波ステレオに関する技術的条件」について日本の標準方式はどの方式を採用するかということと、技術基準をどのように設定するかを諮問した。 最終的にこの時点でモトローラ方式とカーン方式の2方式に絞られ、その後、東京のNHKラジオ第1放送、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の実用送信機を使って実験、評価を行った。その結果、1991年4月、電通技審はモトローラ方式を標準方式とする結果と同放送の技術基準をまとめた報告書を郵政大臣に提出。これにより、モトローラ方式が日本のAMステレオ放送の標準方式となった。 これを受けてその後、電波法省令の改正、中波ステレオ放送に関する技術基準の策定が行われ、1992年1月16日に施行されることとなった。 本放送に向けての試験電波発射これを受け、1992年初頭(改正された法律施行直後だと思われる)に郵政省は先ずTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送(以上東京)、ABCラジオ、毎日放送(以上大阪)にAMステレオ放送の予備免許を交付した。 放送の行われていない月曜日の早朝(大体、午前2時~4時位まで)に試験電波の発射は行われた。東京では先ず同年2月9日に文化放送が同放送の試験電波を発射を開始し(同日は約15分という短いものだった)、翌週の2月16日にはTBSラジオとニッポン放送がそれに続いた。 1986年から2年間、前述のBTAステレオ実験の技術を担当した文化放送は経験があってか調整もスムーズに済み、3月2日の試験電波では熟年女性アナウンサーによる音楽とおしゃべりによる生放送のDJまで行う程の余裕で最終試験の3月9日では僅か15分くらいで試験電波発射を終えると言う余裕であった。 ニッポン放送も予定通り調整を終えることができた。TBSラジオは局独自に制作したステレオ試験放送用のサンプル番組[10]を何回も流すのを中心にやっていたが、左右のレベル調整等に苦労し、最終試験の3月9日はステレオ試験電波の半分をその調整に費やしてしまったが、無事調整を終了し、試験電波を終了させなければいけない当日の放送開始前までには何とか間に合わすことができたという[11]。 本放送開始同年3月、前記の東京3局、大阪2局に対し、郵政省はAMステレオ放送の本免許を交付した。 同年の1月か2月、最初にAMステレオ放送を開始する放送局5局の申し合わせにより同放送の開始時間は3月15日9時ちょうどに決定された。最初の番組はTBSラジオが『ポップスベスト10』、ニッポン放送が三宅裕司がメインパーソナリティーのステレオ放送開始特番であった。朝日放送では当日、阪神甲子園球場での「阪神 - 巨人」のオープン戦をステレオで生放送するところだったが雨天のため中止となり、同時間帯はABCラジオのスタジオにて毒蝮三太夫らの野球トーク番組に変更となった。 この日、AMステレオの携帯型ラジオとして発売されていたソニーのSRF-M100、アイワのCR-D60の2機種は売り切れ続出の状況で入手困難な状況でニッポン放送ではまだ余っていて入手できる店舗を視聴者から電話で募り、番組で再度その店舗に在庫確認をしその店舗を番組内で紹介し在庫数を知らせるということを行っていた。また、これらの機種が入手できないということでAMステレオ放送を聴く為にAMステレオ対応のCDラジカセ(アイワCSD-SR80)やステレオミニコンポ(アイワ製)まで購入する客も結構いたという。 AMステレオ放送実施局北海道
関東広域圏
中京広域圏近畿広域圏和歌山県岡山県広島県福岡県過去に実施されていた放送局対応機種現行機のみ掲載。この他にも対応機種は多数ある。 据置型パイオニア
ポータブル型ソニー脚注
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